このブログを書き始めた頃,小学生だった息子は今や中学生となりました。
問題が山積みだった息子は,就学前,小学校,中学校とそれぞれ違った成長を遂げ,なんとなく将来に希望も見えてきたこのごろです。
いろんな問題について,一つひとつ取り組み,解決してきたことはこのブログでも紹介してきましたが,どうしてもまだ解決していない,というか自分だけでは解決できない課題があります。
それは,息子の優れたところを評価できる人が少ない,という点です。
息子が発達の問題を他の人から指摘される3歳半の前から,息子が他の子と違うところがあることには気づいていました。
興味のあることへののめり込み方,ほかに気を取られない集中力,強いこだわり。
飛行機のおもちゃを空港そっくりにきっちり並べるところは,見ていて感心するほどでした。(「消えたこだわり」参照)
ただこういった息子の特性を私は「すごい」と思っていたのに,周りはそうは思っていませんでした。
保育園の先生から見たら,息子は自分のやりたいことに集中しすぎて集団行動についてこられない問題児です。
発達相談で飛行機のおもちゃ並べのことを話すと,自閉症児に多いあれね,と問題行動のように受け止められました。
保育園の面談でも,発達相談でも,私が息子のすごいと思うところをいくら話しても,誰も関心を示さず,息子の問題はあれでこれで,それに対してこうしなさい,ああしなさいと言われるだけでした。
息子に問題が多くて,周りがみんな困っていて,親としてそれに対策をしなければいけないのは理解できます。
でも,その問題をすべて解決できなければ,いいところを誰も評価してくれないのでしょうか!?
これはうちの子どもに限った問題ではありません。
私の周りにも同じように悩んでいる友人が多くいます。
友人たちは,うちのようにはっきりと診断されているわけではありませんが,子どもが保育園や幼稚園,学校など社会生活でうまくいかないことがあって,いろいろと悩んでいます。
その子たちにも,私から見たらみんな,いいところ,すごいところがあります。
でも,周りは誰も褒めてくれません。
親自身も,問題の方が大きく見え,何かしなければと悩んだり焦っていたりして,子どものいいところを認め,伸ばす余裕がないのが実情です。
私は息子にはいつもこう言い聞かせています。
「あなたの能力は特殊能力,スタンド能力みたいなもの。大人になるまでわかる人が少ないから評価してくれる人はあまりいない。でも大人になったら必ず活きてくる」
「でも小中高は数字でしか人の能力がわからない戦闘力の世界。あなたには辛い世界だけど,なんとか最低限の戦闘力を得て乗り切ろう」
ジョジョもドラゴンボールも大好きな息子はこの言葉を理解して,幸いにも前向きに生きてくれています。
でも,この言葉は周りの子どもにはなかなか届かないし,やはり同じような悩みを抱えている私の知らない子どもには届けられません。
これをどうしたら解決できるのか。
長年考え続けていますが,まだ答えははっきりと出ていません。
でも,何もしないでいるより,できることから始めていこうと,
同じ志をもった有志とともに,新しい事業を始めることにしました。
これについてはまたどこかで報告したいと思います。