19日に開催されたさ~くるの作品です。
皆さん初めての挑戦でしたが、素晴らしい作品ばかりです。
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I さんは最初から、他の人が人参に使いたがるオレンジや赤を使わずに、水色系だったでしょうか、
何か青系の色を全体にかけてから、色作りをされていました。
後から聞くと、人参を畑で見ていることが多いので、
単にオレンジや赤にしたくなかったそうです。
独特の発想と試みに感心しました。
指でこすって色をなじませると思わぬ色になって楽しかったそうです。
いろいろな色が下に入っています。
描きながら、これ水の中に漂っているみたいとおっしゃっていましたが、
できあがって、少し離してみると、畑から抜いてきた人参がまさに流しの中で水に浮かんでいるようでした。
Hさんは、土や葉っぱが付いた人参を初めて見たそうで、土の感じを表そうと、
あの色かな、この色かなと、いろいろな色を重ねて自分の印象を大事に表現されました。
ペイルグリーンとオーカーという、思いがけない色の混色で、
見事に人参の表面の土の色が出ていて、
とてもきれいな色になっていました。
周りの薄墨の部分もちらちらとオイルパステルが入って、
黒い部分を、土の中のようにしたかったとおっしゃっていました。
できあがってみると、土の中でまだ寝ているけれど、
エネルギーをじっくり蓄えている人参のように仕上がっていました。
Aさんは、薄墨を筆でぬるところから細かく筆を動かしていらして、
よく見ると人参の輪郭に細かい揺れが入っていて、こだわってネガの部分が表現されていました。
オイルパステルを初めて使われたということで、指でこする混色が気に入られて、
すごく時間をかけて丁寧に色をなじまされていました
肩の部分やひげの部分には、他の方があまり使われなかったグレーを使われて、
それが絵の中でなじんでいました。
できあがってみると、なめらかな表面の、内からの張りのある、
ふっくらとした人参が仕上がっていました。
優しい甘さの感じられるような人参でした。
Yさんは、思い切って最初から赤やオレンジをどんどん塗っていらして、
立体感が出て、人参にとてもエネルギーがあるように感じました。
他の方からも、見ると元気になるような気がするという声が上がっていました。
私が紫を使ったので、ご自分も使ってみようと試みたそうですが、
どうも自分の人参にはしっくりこなくて、青を使ってみるとすごくなじんだそうです。
やっぱり自分の感じ方が自分の絵には合っているのだと感じたと、おっしゃっていました。
大事なことですよね。
おいしさや栄養がぎゅっと詰まった感じの人参が仕上がりました。
最後で周りの薄墨をもう一度重ねられたので、周りの黒がひきしまり、
そのために、元気な人参の魅力が引き立つ効果にもなっていました。
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以上 講師の小倉さんによる鑑賞会報告でした。