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セイネンキレジェンド20話

2024-10-09 07:03:25 | 小説セイネンキレジェンド


直也は、ただチャンピオンになるだけが役割ではない。康志は直也の本当の姿を想像し気づいていたのだ。康志は直也とのスパーリングの中で直也がどんな思いで何を考えているのかに気づいていた。
「私ってダメだわ、大馬鹿だわ」と優子は思った。
出来ない約束はしない直也だった。そんな直也が私の呟いた一言の言葉に微笑みながら約束してくれた。直也は試合の事など、どうでも良かったのだ。ただ目の前の壁と叩き潰すだけコツコツと1つずつ自分の役割を果たそうとしている。 大きな直也の存在感はチャンピオンになったら周囲から見られる目が変わると信じていたに違いない。直也だけじゃない周りにいる仲間君達もジムの練習生達も皆同じ思いを感じていたんだ。環境を変えなきゃ何も変わらない約束をした言葉に直也は答えを出そうとしてたんだ。直也を信じる思いの揺らぎは優子の心から消えた。もしも本当に環境が変わったら暴力は消えるのかな?優子の心に光を灯し、それは新たな希望に生まれ変わっていく。
「直也、やっつけてね!」と直也を見つめ合う優子の瞳は輝いていた。
「おお!」小さな声で笑みを浮かべ少し驚いたような直也だった。優子の思いは少しずつ再び直也の心に届いていた、つかの間の時間である。なぜ直也の父とは母は試合会場にいないのか。それは親子の愛情が今の直也には逆行させてしまうと考えていたのだろうか。それゆえに華やかしい試合会場に来なかった。自分の子供の成長を信じて試練を与える事になるが、これこそ親としての愛情であったのかもしれない。黙々と仕事に集中する直也の父と母の思いは心配だらけだったと思う、けどそれは親子だからこそ直也の成長の為にそうしたのだと思う。そして優子の希望の光は新たな輝きを増し突っ走る時に直也の戦いが始まる。
「カーン!」見てろよ優子!
2ラウンド目のゴングが鳴ると直也がとった行動は相手にパンチを出来る限り打たせるという行動だった。あえて隙を見せガードを深くガードによってパンチ力を見ると同時に相手のボクサーとしての癖を見つけていくのだ。まさかここまで中学生では恐怖を感じるところだが直也は腕でガードをする中で相手を見つめながら笑っていた。
「来い!来い!来い!来い!来い!」
直也の胸の中では囁きながら、この2ラウンドは相手のパンチ力やボクサーとしての癖を知る事と体力を奪う策略だった。プロテスト前の康志はプロとしての策略を直也に話していたのだ。中学生で初心者が出来る策略ではなかったが直也をプロテスト前の康志は認めていた。
「直也ー!今だージャブ、ジャブ、ジャブ、ボディ、ボディ、ボディだ」
応援する観客は打たれっぱなしの直也の応援を始める。これも策略の一つだった。この声援を聞けば相手の選手は焦る事もありノックアウトを狙いに来る。しかし簡単に策略にはまる選手でもなかった。ずっと打たれ続ける姿を見れば何かがあると考えるだろう。しかし目的の為なら直也は冷静に打たれ続けた。


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