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セイネンキレジェンド19話

2024-09-24 06:52:25 | 小説セイネンキレジェンド


康志はリングサイドで直也に耳打ちしていた数十秒の間で優子は自分の心と葛藤し思いの先に変化があった。直也が呟いた「くそ!」という1つの言葉を聞いたのは優子だけだった。あの呟いた言葉の意味はなんだったんだろうと優子は直也の姿を見つめて思っていた。ぜ優子が直也の一言を気にしていたのは幼き頃からの直也の強い姿だけを思い出していたからだ。試合が上手くいかない相手への不満の言葉と弱さや迷いの中で直也は何を考えていたのだろう。直也は今まで暗くあんな顔あんな一言を呟いたのを初めて見た優子だった。冷静な目つきで強さがある直也の姿だけだった。成長と共に直也には失ったものは大きな荷物だげ優子は直也を支える事ができるだろうか。なぜ直也の父と母は試合を観に来ていないのか。親子仲良しで愛情に包まれいたのにと優子は思っていた。直也が失った荷物の重さは優子には想像もつかないものになっていたのかもしれない。一瞬だったが貴方は人の心をもて遊ぶだけのただの人間なの?直也の馬鹿。優子は直也が離れてしまうように受け止めてしまった。直也を見ながら独りよがりで自己中心的な子供のような弱い心に優子はなってしまった。何故か大島直也の成長は早く優子は自分自身は成長していないと実感させられた時だった。そんな時に優子が、ふと顔を上げると会長は直也の耳のそばで声をかけていた。優子には聞こえなかったが会長の顔を見て直也は笑っている。何が起きているんだろうと優子は思った。直也を信じて好きだ優子の「好きだ」という思いに心は揺らぐ事はなかったが、この時の直也の姿を見て信じる事への思いは少しだけ揺らいでいた。どういう事なの?と優子は何度も胸の内で繰り返していた。そして優子は直也に伝えた自分の言葉を思い出す。
「私はどうして馬鹿な事を言ったんだろう、ごめんね直也」
「なあ、俺より君の方が直也を知ってるよな、違うのか?」と寂しさの中で下を向いたままの優子にプロテスト前の康志は声をかけていた。
「えっ?」と優子は思った。直也が呟いた言葉を康志も耳にしていたの。そんなわけない。そんなわけないと胸の奥で繰り返す優子だった。
「本当に苦しい時の直也って弱いよな、泣いちゃうしさ」と康志は優子に声をかけた。
「ジムでの事、知ってるの?」と優子は康志に聞いた。
「知ってるよ、君は寄り添ってたじゃんか、たまたま見ちゃったんだよな」と康志は直也が呟いた事には触れなかった。
「うん」と一言だけの優子だった
「もう一度だけ聞くけど俺よりも知ってるよな」と言う康志は優子の頭の上に手を当てた。
「うん、ありがとう」と小さな小さな声で涙目で優子は康志に言った。
康志からの問いかけに優子は記憶の中で忘れかけていた思い出の1ページに気づき泣き虫直也は何も変わってはいないと思う優子だった。


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