Sho's-Blog/PoemStory/illust

MessagePoem/LoveStory/youngStory/SFfantasyStory/illust

特別版セイネンキゼロ2話

2017-05-07 11:20:35 | 特別版セイネンキゼロ


直也はある過去の父親の言葉を思い出していた。直也の父は直也に物心がついた頃から『人の器と素質』の話をしていた。幼少期の直也にとって父の話は意味不明の言葉だった。中学へ入学し大切な友を失った心に父の言葉があった。怒りと憎しみに耐えながら、直也は父の言葉の意味を知り父の言葉にすがり耐える事ができていたのだろう。直也は父の言葉の意味をしり自分自身というものを探し始める事になる。意味不明な言葉、その答えを探し始める直也。幼き頃からの友との血まみれの喧嘩によって父の言葉を思い出す事になり直也は自らの心の中に持つ『怒りと憎しみ』を抑える為にある行動を起こす。幼少期から直也に片思いをしていた『=小幡由子=(オバタユウコ)』が同じクラスで会長を務めていた。由子の叔父は『ボクシングジムの会長』や『こども会の会長』を務める人物だった。直也は由子の思いを知っていたが、その思いは受け入れる事はできなかった、それはこれ以上、何も失いたくないと直也は思っていたからだ。直也は自分と関わると由子まで失うかもしれないと思っていた。由子に声をかけ相談にのってもらう事にした。この時、直也が相談できる相手は由子しかいなかった。由子なら理解してもらえると思っていたのだ。そして直也はボクシングジムに通いたいと由子に相談する。由子は叔父に直也に相談された事を話すと、すぐに承諾を得る事ができた。直也は自分の進むべき道をボクシングで探そうとしていた。由子の叔父は多くの仲間からの信頼があり仲間達から慕われるだけの器を持つ大島直也を良く知っていた為、すぐにボクシングジムに通う事を承諾したのだ。由子の叔父は、すぐに学校へも連絡をしていた。そして仲間達には、いっさい伝える事はしなかった直也だった。仲間達は直也の思いを感じとっていた為か、いつも一緒にいた直也を探そうともしなかった。そして直也に仲間達は理由を聞く事もなかった。直也がボクシングジムに通う事を知っていたのは、担任の教師と両親、そして由子だけである。中学の教師達も直也の気持ちを知っていた、そして直也がどういう人物かも知っていた。直也は教師達や仲間達に見守られていたのだ。教師達の目に映る直也には仲間から慕われるだけの器があった事を気づいていたが教師達は直也にできるのは見守る事しかできなかった。
この先、自ら気づけるよう見守る中で対応を考えていく。この対応は中学を卒業し高校への進学時に申し送る内容の1つでもあった。この頃には『柔道・剣道・空手教室』などがあった。直也はボクシングを選んだ理由は2つの理由があったのかもしれない。1つは、直也と由子の関係とジム経営は由子の叔父である事。由子の気持ちを知っている直也は、この時は誰かにすがりたかったのだと思う。由子は片思いしていた事は直也に直接的ではなく、由子の同級生から間接的に伝えられていた。由子にとっては自分の片思いが直也を助けられると思っていたのかもしれない。
直也にとって由子の『恋』にすがるのは絶対してはいけないと思っていたはずだったが、この時の直也は由子の恋に、どうしてもすがるしかなかったのだ。由子の伯父のボクシングジムへ通う事により由子は必ず直也のもとへ足を運ぶようになる。2つ目はボクシングを学ぶ事によって怒りと憎しみを無心になりサンドバックを全力で殴りつける事で全てを忘れたかったのだろう。直也がボクシングジムに通う夕暮れ時からの日々が続く。
そんな直也のいるジムのベンチには、由子が必ず座り由子は直也を見つめている。由子は直也を見つめながら幼き頃の出来事を思い出していた。
直也がジムに通い始めて2週間が経った頃、スパーリングをする事になる。相手はプロテスト前の人物だった。
名前は『クドウ ヤスシ』といった。
スパーリングは始まり、1ラウンド3分、休憩1分、3ラウンド目『ヤスシのアッパー』一発で直也のマウスピースは宙に飛んだ。
意識を失い横たわる直也の横には由子の姿があった。『バカ』と、小さな由子の声。
直也は天井を観ながら自分よりも強い相手とのスパーリングで、自分に何かを感じるようになった。ぽっかり空いた直也の心は涙を流し悔しさの直也を見て現実の涙を封印していた時だった。
「いじめってなくならないよね、直也、無理だよね」と小さな声で由子は直也に言った。直也は瞳を閉じて由子の言葉で中学2年の直也は幼き頃からの過去を振り返っていた。小学校高学年の時、直也と仲間達は海で波乗りを楽しんでいた。そんな時、負けず嫌いの『=加藤真一(かとうしんいち)=』と出会い波乗りを競い合った。直也と同じ性格を持つ真一は、たった1日でライバルでもあり、心の許せる友となったが、その後は真一と会う事はなかった。しかし中学1年の時、転校生として直也と真一は再会をしたが父親の転勤と共に8月1日に転校してしまう。たった4ヶ月の再会であったが7月中の夏休みの一週間、海辺で思い出をつくっていた。もう二度と会う事はないだろうと思っていた直也だった。
さらに過去を思い出す直也。
中学二年の一学期には久美子や春樹の2人を永遠に失う事になった。直也の抱く『悲しみと苦しみ』は『怒りと憎しみ』となり、自分自身をコントロールできなくなっていた。
「直也好きだよ、直也は何でもできると思う、だから誰よりも強くなって欲しい、私は片思いでも十分だから、直也には強くなって欲しい」
由子は直也が天井を見ながら過去を振り返っていた時に言った。
「由子、強くなるって、どうしたらなれるかな?」
直也は由子に聞いた。
「直也は、何かをする為に生きているんだと思う、だから今、その何かを見つけて欲しいの」
由子の言葉は直也の心に勇気を与えていた。由子の言葉は直也の心の中の隙間を埋めようとしていたのだ。直也はただ失ったもの心に抱くものから逃れたかっただけだったが由子の言葉でボクシングをする意味を見つけた。自分自身の感情だけではなく中学へ入学した当時から見ていた『いじめと暴力』万引きの強制、集団リンチ、カツアゲをする先輩達や同級生達、まるで戦国時代のようだった。誰かが何をしなければならない事、直也は由子の言う通り誰よりも強くなり自分の中の『怒りと憎しみ』『いじめと暴力』に立ち向かう道を選ぶのだ。
その為には精神的にも強くならなければならないと直也は思っていた。直也は自分自身だけでなく、いじめや暴力に対しても立ち向かう事を、なぜ考えたのだろうか?
その背景には直也が尊敬する人物がいた。マムシの娘『濃姫』の言葉によって『鬼』となり『天下布武』を志し『戦』を始めた歴史上の偉人の存在である。歴史は繰り返されると言うが、由子の言葉によって『目的』を持ち宿命的な人生の流れに導かれていく直也の思いは、まるで『信長』のようであった。直也の産まれ持つ『存在感』や『素質』は周囲を巻き込み環境を変えてしまう『要素』のようなものだったのかもしれない。


編集ライターブログランキング
応援宜しくお願い致します
にほんブログ村こちらもポチッと

特別版セイネンキゼロ1話

2017-05-03 12:20:25 | 特別版セイネンキゼロ


人それぞれ違うが単なる物であったり大切な人であったり恋人であったり無邪気な心であったり人は誰でも大切な宝物を持っていのるだろう。
そして『=恋=』は気づかないうちに、心の中で感じるもの。良いタイミングで気づいたり気づいた時には遅かったり永遠に気づく事はなかったりする。青少年思春期の頃『=大島直也=』という彼は大切なものを失い悲しみは『=怒りと憎しみ=』と変わり、苦しみながら、自分の進むべき道を探し始めていた。直也には幼き頃からの大切な妹分『=久美子=』がいた。そして『=春樹=』という同じ年の従兄弟がいた。他に幼少期に出会った転勤族の『=真一=』がいた。直也にとって何があっても信じ合い、どんな事でも話し合う、そして心が許せる三人であった。直也は、この三人を失った事で『地獄』の中で生きていた中学時代だったのかもしれない。久美子は直也の一つ年下の妹分で直也の家と久美子の家は隣どうしだった。久美子の大切なものは直也だった。この頃の直也と久美子は=恋=をしていたのか気づく事はなかった。久美子にとって直也は大切な宝物だった。久美子はいつも『ドリームキャッチャー』という、アクセサリーを直也の為に作り続けていた。ドリームキャッチャーは一般的には迷信で魔除けや眠れない子供を眠らせるというものだったが久美子にとっては大切なお守りだったのだ。
『直兄、久美子が守ってあげるからね!』
久美子の口癖は直也からすれば何を言っているのか意味が良くわからなかった。直也は久美子は何かに呪われているのか?と思う事もあったが、この頃の直也は久美子の笑顔を見ているだけで、何かに救われているような思いがあった。時が流れ直也と久美子が中学生になると久美子は電車事故で『=神=』は、直也から久美子という存在を奪い去ってしまう。直也の心の中では、どうしても事故とは思えない、自殺とも思えなかった。
『大きいお婆ちゃん、殺されてお金に代えられちゃった』
直也は久美子から奇妙な話を聞いていたからだった。警察が事故で処理したのを信じる事ができず久美子の死によって直也は悲しみの中で生きていく事になる。直也には多くの仲間がいたが、心の中では『=孤独感=』が創られ、悲しみと苦しみに悩みながらも耐えていた。中学生の直也は久美子の死によって久美子に対しての思いは『恋』をしていた事に気づいた時でもあった。
『クーコ、お前は何の為に生きていたんだ?』
久美子は直也にドリームキャッチャーだけを残し天界へ旅立ってしまった。そして久美子が亡くなった遮断機のない踏み切りには多くの花束とドリームキャッチャーが飾られていた。四十九日も終わり、直也は久美子への思いを幼少期の頃から思い出していた頃だった。さらに直也を変えてしまう出来事が起きたのだ。
『= ガガガーバリバリーバーン =』
直也は縁側に座り裏庭で曇り空を見ていると空は薄暗くなり『=雷=』が鳴った。
『= プルルルー プルルルー =』
電話が鳴るが直也には聞こえず、直也の父はそっと直也の隣に寄り添った。
『=えっ?春樹が死んだ?=』
直也と春樹は、幼き頃から本当の兄弟のように育っていたが、またもや『=神=』は直也から久美子だけでなく従兄弟の春樹をも奪い去っていった。直也は大切な久美子を奪われ更に従兄弟の春樹を奪っていった。直也の心は、もう『爆発寸前』だった。この時の直也は苦痛と悲痛に耐えるしかなかった。どんなに仲間いても、二人の死によって『=孤独感=』が増していくのだ。双子のように育つ直也と春樹は、幼少期は良く遊び『喧嘩』もした。直也と春樹の共有するものは、歴史上の人物であったが、直也は自分だけを信じ、前を向いて歩いていく、自分からは仲間を作らない。春樹は自分だけでなく相手を信じ自ら仲間を求め仲間をつくっていく。春樹は常に『義』というものを考えていた。生きていくポリシーの違いはあったが二人には常に仲間が多くいた。直也と久美子そして春樹の三人には誰にも話す事はない、ある一時の秘密があった。ある場所で蛍の群れを観たときの事だった。直也は久美子と春樹の三人で、あの一時の事を思い出す。直也は、どんどん過去に囚われていきながら苦痛と悲痛を抱えながら生きて行くしかなかった。しかし、転勤族の真一によって、真一は直也を支える事になるが、真一は、転校四カ月で父の転勤共に直也のもとを去ってしまう。心の支えを失い怒りと憎しみに囚われていた直也は、ある時、怒りと憎しみが『=暴力=』となり幼き頃からの友と血まみれの喧嘩を始めてしまう。直也は自分の感情を『コントロール』できなくなってしまっていたのだ。唯一この世に生きている友『真一に会いたい』直也の思いだった。しかし・・・


編集ライターブログランキング
応援宜しくお願い致します
にほんブログ村
こちらも^out_point^ポチと

特別版セイネンキゼロ:序章

2017-04-28 11:11:42 | 特別版セイネンキゼロ


特別版セイネンキゼロ/ポリシー 序章

彼は「小さな蛍の輝く光」を見た時から夢を見る事が多くなった。その輝く光は、彼に宿命を与えたのかもしれない。当時、3人で見つめた光は、人の器(うつわ)というものを教えてくれた。彼を残し、2人は時と共に、若くして永遠の別れとなる。独りぼっちとなった彼は、研ぎ澄まされた心深くに、怒りと悲しみをしまいこんだ。鍵をかける事なく閉まった感情、いつでも怒りと憎しみの思いと救われたい思いを引き出してしまう。
彼は、自分を信じるはずが自分を恐れる事になる。彼はある事で、怒りと憎しみを心深くにしまい、鍵をかけることができた。仲間がいても彼の孤独感は、心から消し去る事は出来ない。時が過ぎていく事に、更に孤独感は増えていく。多くの仲間が彼の周囲を囲んでいても、怒りと憎しみの思いによって再び自分を信じる事だけになってしまう。忘れたい思いと救われたい思いが、彼の心が立ち止まったままの中で「勇気」が欲しかった。
彼は、ある時、立ち止まる事ではなく、立ち向かわなければならない限り、忘れる事は出来ないのだと気づく。忘れる事は、自分の一部として全て受け入れなければならなかった。彼の器は、小さいものだったが、仲間たちや出会う者(環境)が、彼の器を大きくしていたのだ。その時代、仲間達にとって彼の存在は必要不可欠だった。彼の存在と、できごとに関わることで、仲間たちは何かを学んでいた。もちろん、教師も彼から学ぶ事が多かった。彼の言葉は、何故、相手の心に響くのか?彼の言葉は、ただの言葉ではなかった。これは、ある教師の話しだが「光を透す波」すなわち「光透波(ことば)」であるという。彼の研ぎ澄まされた深い心音(こころね)だからこそ、響かせる事が出来ていた。永遠に失った「友」の分まで、生きていかなければならない覚悟は、いつしか彼の「ポリシー」となった。彼は、犠牲の中で見つけたポリシーで成長を促し遂げていく。彼は、自分だけを信じてきた「プライド」を捨てる事になる。いつまでも、多くの仲間達を包み込んでいく彼の姿。その彼に、ついていく彼女の姿。
傷だらけの彼と彼女、そして仲間が、いつかきっと「幸せ」が感じられるように。

この頃には「柔道」「剣道」「空手教室」「ボクシング」等があった。直也はボクシングを選んだ理由は、2つの理由があったのかもしれない
直也と由子(ユウコ)の関係とジム経営は、由子の叔父である事だ。由子の気持ちを知っている直也は、この時は誰かにすがりたかったのだと思う。直也と由子は、保育園の頃からの友だった。由子の伯父のボクシングジムへ通う事により 由子は必ず直也のもとへ足を運ぶ。直也と由子の間には言葉はなく由子の恋にすがった。直也にとって由子の恋に、すがる事は絶対してはいけないと思っていたはず。この時の直也は、由子の恋に、どうしてもすがるしかなかったのだ。ボクシングを学ぶ事によっ、怒りと憎しみを大きなサンドバックに全てをこめる。無心になりサンドバックを全力で、殴りつける事で全てを忘れる事が出来る様になる。そんな直也のいるボクシングジムの部屋のベンチには由子が必ず座り由子は直也を見つめている。由子は直也を見つめながら、幼き頃の事を思い出していた。直也がジムに通い始めて、スパーリングの相手をする事になる。相手はプロテスト前の人物だ。3ラウンドで直也のマウスピースは宙に飛んだ。意識を失い横になる直也の横には由子の姿。「ばか」小さな由子の声。
直也は天井を観ながら、自分よりも強い相手とのスパーリングで自分に何かを感じる。この日から早すぎる3か月後アマチュアの試合があり、直也はその試合に出場する事になる。スパーリングを観た、会長とコーチは直也の素質を見抜いていたのだ。直也と由子の間には、無言の約束があった。由子の思いは直也が優勝する事である。直也の思いは、どれだけ冷静に試合に臨む事が出来るか?2人の思いの中で共通するものは、直也の自分との戦いである。ボクシングジムでは会長やコーチによって、試合に臨む直也の調整に入っていた。
前へ進む為に直也の思いは・・・
そんな直也を見つめる由子の思いは・・・
直也は久美子が作った「どりーむきゃっちゃー」を毎日握りしめていた。どりーむきゃっちゃーを握りしめる直也の姿を見つめる由子は、直也の久美子への深い思いを感じ取っていた。 直也の仲間達のカバンには、どりーむきゃっちゃーが縛り付けられている。久美子の作ったどりーむきゃっちゃーが、直也と仲間達を結びつけている事を感じる由子。由子は直也のどんな行為も許す事が出来たのは直也の悲痛と苦痛を受け止めていたからだった。いよいよアマチュアボクシングの試合が近づいてくる。


編集ライターブログランキング
応援宜しくお願い致します
にほんブログ村
こちらも^out_point^ポチと