◆ カオス・カフェ ロイヤルブルーの店内 ◆
茜:なんや、電気ついとらんなぁ。
誰もいないんか?
スイッチはこれか?
ああ、点いた。
結構綺麗になってるなぁ。
リフォーム仕立てか? とりあえず、二人を待つか・・・。
灯:あっ! 茜お姉ちゃん! ひとり?
葵お姉ちゃんは?
まだ来てないの?
茜:ああ、灯ちゃんか!
もすぐ来ると思うんや!
ちょっと待っててくれるか?
葵:お邪魔しまーすっ。
あっ! 灯。
お姉ちゃんも。
先に来てたの?
茜:ああ、せやな。
全員集合や。
葵:ところで、何で私たちこんな所に集まったの?
お姉ちゃん何か知ってるの?
茜:うちもなんか知らんけど、そこのコンビニで買い物してたら「P」って名乗るおじさんに声かけられて。
ここにくれば美味しい物が食べられるって言われたから来たんやけど・・・。
なんか営業していないみたいやな。
灯:「美味しい物が食べられるって」、アカネエって子供なの?
食べ物に釣られるなんて。
「変な人に着いて行っちゃダメだよ」って学校で教わらなかったの?
茜:そういう灯ちゃんこそ、どうしてここに来たの?
灯:学校帰りに信号待ちしていたらおじさんが声かけて来て・・・。
葵:声かけてきて、何?どうしたの?
灯:お姉ちゃん達が美味しいもの奢ってくれるからって・・・。
ああ、別にそれだけじゃなくて・・・。
喫茶店で勉強するの憧れてたから。
茜:灯ちゃんも食べものに釣られたってわけか。
あかり私、まだ伸び盛りの高校生だもん!
そんな事よりアオネエは何でここに来てるの?
葵:二人がここに集まってるからって言われて。
お姉ちゃんをひとりにすると、何するかわからないから。
それでなんか心配になって来たというわけ。
灯:本当にそれだけなの? なんか怪しい。
そもそも、そんなこと誰から言われたの?
葵:いや、知らないおじさんにいわれて・・・。
P:お待たせしました。
皆さんお集まりのようですね。
それでは始めましょうか。
葵:あー、あの人!
灯:あっ、、あのおじさん!
茜:いきなり始めましょうって、何から?
P:この前、皆さんにはそれぞれ個別にお話ししましたよね。
もう忘れたんですか?
茜:いや、その、あの時の事はなぁ・・・。
葵:お姉ちゃん、なんか私たちに隠してない?
茜:別に、何も・・・。
P:申し訳ありませんがあまり時間がないので。
茜さんをチーフに任命しますから、後は茜さんが仕切ってください。
お題は適当でいいので。
ああ、それからここの設備は自由に使ってください。
それと、ここの鍵はカウンターの上に置いておきますので、チーフが管理してください。
それではよろしく。
茜:あぁ・・・、帰ってもうた。
無責任な人やな!
「お題は適当で」って!ほんまに丸投げや。
葵:お姉ちゃん! 「丸投げ」って。
やっぱり何か隠してるでしょ!
灯:アカねえ、目が泳いでいる。
今のうちに言っておいたほうがいいと思うよ。
本気で怒らせると後が大変だから。
葵: 灯! 後が大変って何よ!
私そんなに怒ったことないけど。
茜:わかった! もう、白状するわ。
葵:それじゃ、お姉ちゃん。話して。
茜:さっき「コンビニで会った」って言ったやろ。
まあ、それは嘘じゃないんやけど。
実はこの前、ケーキバイキング奢ってもらったんや。
先週3人で、ショッピングモールに行った時や。
葵:ケーキバイキング?
私そんなこと聞いてない!
お姉ちゃんズルい!
そういえばこの前、モールで買い物してた時、お姉ちゃん「ちょっと用事ある」って途中から別行動してたよね?
もしかしたらあの時?
茜:まぁ、そう、その時や。
あの人に声掛けられてな。
ニコニコしながら近づいてきて、フレンドリーな感じ、いや、馴れ馴れしい感じで・・・。