【華緒洲三姉妹の混沌な日常 】第1話 あおいのためき #1
◆ショッピングモール内スーパー前 ◆
<店内アナウンス>
「お客様の、お呼びだしを申し上げます」
「華緒洲家から、お越しの、華緒洲、茜さま」
「三姉妹の、長女、茜さま」
「お連れ様がお待ちです」
「至急、1階、インフォメーションカウンターまで、お越しください」
灯:(結局、呼び出してもらったんだ。
ところで、私もそろそろ受験のこと、本格的に考えないといけないなぁ。
でも、まだ将来どうするかなんて決められないよね。
一応、今、法律に興味があるから、第一候補は法学部かな。
法曹界に彗星の如く現れ、闇の世界を照らす「灯」ってのも、なんかいいよねっ!
あぁ、私ってもしかしたら中2病?)
葵:お待たせ、灯。
灯:あっ!アオネエ、どうだった?見つかったの?
葵:アナウンスしてもらったんだけど、直ぐにお姉ちゃんからメッセージが来て、ちょっと急ぎの用事ができたから「先に帰ってて」だって。
灯:そうなんだ。迷子じゃなかったんだ。
よかった。
葵:たぶん迷子になって、うろうろしていたとは思うんだけど・・・。
用事ができたってのも嘘じゃないと思う。
何となくだけどね。
灯:そうなんだ。
葵:だからお姉ちゃんの事はほっといて、買い物続けましょ。
灯:葵お姉ちゃん。ごめん。
ちょっと本屋さんに行きたいんだ。
受験の参考書、探そうと思って。
葵:灯ももうそんな時期なんだ。
灯:だから先に帰って。
自分の荷物は自分で持つから。
それじゃ。あっ、帰り少し遅くなるから。
葵:お母さんに頼まれた晩御飯の買い出しどうするのよ!
灯。あぁ、いっちゃった。
もう、お姉ちゃんも灯も自分勝手なんだから!