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こっそりこっそりと、東京・春・音楽祭2021ミュージアムコンサート
美術と音楽〜鈴木美紀子(ソプラノ)&瀧井レオナルド(リュート)
聴きに行ってきました。
久しぶりの上野!久しぶりの上野公園!
奏者はこちら
席は一つずつ開けて交互になっています。
正面にはルイ13世の肖像画が投影されています。テーマが「フランスの宮廷音楽〜ルイ13世が聴いた歌」ですからね。
さて、リュート調弦のあとに、深い緑のロングドレスを着た鈴木美紀子さん登場
相変わらずふわりと柔らかく声量豊か。まるで目前で歌っているかのような響き。
途中、美紀子さんからのお話。ムルニエは当時流行した「エール・ド・クールAir de cour」の作曲家。いわゆる今回のようなリュートとが伴奏の世俗曲を多く作っていたそうです。宮廷がメインで演奏されていたのでしょうから、優雅な貴族の恋の駆け引きや、騎士を称える歌などが多かったのでしょうね。
リュートの弾き歌いなども多かったようで、今回の瀧井レオナルドさんは歌いませんでしたが、歌いながら弾く弾き語りの原点はルネサンスの頃からあったのでしょうね。
あいみょんだって山崎まさよしだって斎藤なんちゃらだって原点は一緒なのだ!
と、脳内でまたアホなことを考えながらフランス宮廷に思いを馳せておりました。
ルイ13世についてもお話がありましたが、美紀子さんも解説に困るくらいにあまり逸話が残されてないようです。父親のアンリ4世は愛人が56人以上いたそうです。そのせいで女性不審か…政略結婚で愛人はいないけど男色という噂もあり、太陽王ルイ14世の誕生は奇跡といわれ、王妃の不義も…ちょっと昼ドラ的な妄想…
解説後もエール・ド・クールの軽やかなフランスの世界へ
アントワーヌ・ボエセ、ピエール・ゲドロン、ガブリエル・バタイユなども宮廷で活躍してエール・ド・クールの主要な作曲家。
リュートソロもあり。
なかなかコミカルな歌も多く、軽やかな感じの曲が愛らしかった
なにより鈴木美紀子さんの歌声が・・・感涙。
今回、せっかく日本音響エンジニアリングさんが協力されてるならその音源から彼女が1/f(f分の1)ゆらぎの声の持ち主だと解析して欲しいです。日本音響さんはトップクラスの音のスペシャリスト。オクターブ解析もお得意。
規則的な心地よさと意外性のはざまの絶妙な響き・・・スンバラシイ。彼女の声は退屈じゃないかといって緊張ばかりでもない。絶妙な声。音。響き。
あと、歌詞でしょうか。手に持ってる舞踏会の手帳みたいなのが、絵画の中のお姫様みたいで優雅。基本立って歌ってらっしゃったのですが、後半、座ってリュートに合わせて歌っている姿は優雅そのものでした
コンサートは1時間で終了
久しぶりの生音に涙涙涙の鑑賞でした
演奏曲目
E.ムリニエ
ついに美しい人が
穏やかな暗い夜
仲間たちよ(王弟帰還を祝う歌)
R.バラール:リュートによるアントレ
A.ボエセ:
苛酷な美しさ
去っていく狂おしい瞳
P.ゲドロン:恋の喜びと悦楽に
J.ベルヴィール:“残酷な苦しみ”によるクーラント
P.ゲドロン:残酷な苦しみ
G.バタイユ:プレリュード
P.ゲドロン:ある日の恋するシルヴィ
F.リシャール:森を潤すせせらぎよ
P.ゲドロン:それは軍神マルスなのか?
アンコール曲