世界の中心で吉熊が叫ぶ2

身長15センチの吉熊くんと生きる独身OLの暮らし

質実剛健

2024年12月17日 | 日記
最近、スマホのアラームでは起き上がれない。
鳴っているのは分かるのだけれども「起きなくちゃ」という行動に繋がらないのである。
卓上に設置してあるアラーム時計(大音量)を止めるためにやっと布団から出られる感じ。

暖房の予約も入れていて部屋は暖かい。だが布団から出られない。
暑いのが苦手で冬はわりと好きな季節。だが布団から出られない。
職場がストレスフリーで仕事も楽しい。だが布団から出られない。

どうしたものか。


幼い頃、どんなに寒い日でも母は誰よりも早く起きて寒い部屋で着替えをして寒い台所で朝食を作ってくれていた。
建て直す前の実家は断熱どころか、隙間風がどこからともなく入ってくる古い造りだった。
母は言う。
「冬の朝、廊下が薄っすらと凍っていたの」と。
廊下と言っても板一枚敷いただけのもので、継ぎ目からは関東平野を吹き荒れる冷風が否応なしに入り込む粗末なもの。
廊下のみならず全てにおいて断熱という概念なんて本当になかった。

寒い部屋で起きて寒い部屋で着替えて、凍った廊下を歩き、北側にある寒い台所で母は朝食を作っていた。
暫くするとまだ朝だというのに親戚の伯母たちが祖母目当てにやってくる。
茶をすすりながらぺちゃくちゃとお喋りをするために。
解せないのは伯母の姑も付属品のようにいることだった。

足尾生まれの母は、寒さには耐えられても、姑・小姑(&付属品)の接遇には大変苦労をした。

当時の母と同じぐらいの私、46歳。

暖房が入った部屋で目覚め、適当な朝食(ヨーグルトだけとか)で済ませ、コーヒーを飲みながら煙草2本を吸いながらスマホチェック。その後、エアコンのすぐ下のドレッサーで朝ドラを見ながら化粧をして出勤。未婚なので姑の存在なんて未知の世界。ふわっと生きてる。

「布団から出られない」って46歳の母に言ったら何て言うだろう。
「甘ったれてるんじゃないよ」ぐらいは言うだろう。怖い。

10年前、実家は建て直しをした。
断熱材をふんだんに入れ、台所はオール家電。南側に大きな窓がある茶の間は冬でもポカポカしている。廊下と茶の間は母好みの大阪格子で仕切られている。

姑も逝去して、小姑たちもあまり来なくなった。
母にとってはパラダイス状態の今の家。
彼女ほど「思いこんだら試練の道を~♪」が似合う人はいない気がする。
苦労して報われるということを一番教えてくれたのは母だった。


朝が苦手なだけで、昼と夜は割と元気。
今日は王将で「ニンニク激増し餃子」を2人前、そしてジャストサイズの野菜炒めを食べた。


これでもか!というぐらいにニンニクが入っていて、咀嚼する度に絶倫になっていく自分を感じた。


帰宅したら宅配ボックスに、先般ポチった「ロレッタ まいにちのすっきりシャンプー(業務用2500ml )」が到着していた。
売り場のは、こんなにかわゆいパッケージなのだが、業務用のは質実剛健ちっく。。




500ml だと3,950円。
私が買う業務用だと2500ml で5,380円。
だったらやはり業務用を選ぶ。

このように質実剛健なものをチョイスするとき、母の遺伝子を感じる。

スマホのアラームの音量を大きくした。ちゃんと起きよう。