未完成【poem】
哀愁に満ちた音楽が流れているどこかのカフェーでコーヒーを飲みながら
僕は原子について考えていた。
空っぽの原子でつくられた僕は悲しみに満ちて喜びに震える花を見詰めていた。
全てのものはいのちに満ちた原子でつくられている
原子の組み合わせが分子を生み、森羅万象が生まれる
分子はDNAをつくり、生物をつくる
この壮大な不思議さを思い、コーヒーを飲むと、嫌なことは全てを忘れ
大自然と人間の神秘を思う
この苦悩に満ちた現世にもたらすその美と喜びはどこから来るのか
もしも仮に異次元から舞い降りてくる天使の合唱だとしたら
野の百合が宮殿より美しいと言った偉人の言葉が分かるではないか
何という沢山の人生の物語があることか
これほどの物語を宇宙は必要としたのか
そもそも、物語をつくる原子はまるで空っぽなのに、
その空っぽの原子が森羅万象を生むとは
丘陵のような山の見えるカフェであれ、
オフィスであれ、
ルリビタキの鳴く里山であれ、
我らはわずかの人と話をする
そこが夕焼けの時であれ、
そこが真昼の光に満ちた時であれ、それがさわやかな朝であれ、
我らはわずかの人と話をする
しかし、地球には八十億の人が生きている
コハクチョウの泳ぐ平和の国もあれば、混乱した国もある
戦争をしている国もある
それ故にこそ、
メジロのように楽しんでいる人もあれば、悲しんでいる人もいる
しかも、全ては原子の膨大な離合集散という幻のような中で起きる
いわば無といういのちの海のような原子の中で繰り広げられる物語
それは、全世界は一個の明珠ということではないか
そして、人は長くても百年近い生を生きると
明珠のいのちの中に滑り込む、死ぬのだ、生きるために
どんなに、華やかな生活をした人も
どんなに孤独の人生を生きた人も旅立っていく
明珠の中では、すべての情報とすべての法がいのちとなって
又、沢山の物語をつくる準備をする、子宮のように
もともと、真空に近い原子でつくられた人間が森羅万象を見て
いつの日か、森羅万象は明珠の中に、消えていき
そして、明珠の中で、新たな森羅万象の創造の働きが始まる
やがて、それは天命となり、「私」を生む
周囲には沢山の「私」がいる
そもそも物質は原子で出来ている。
その原子は殆ど空っぽのようで、空っぽでないいのちの海のよう
その空っぽの原子が天命によって肉体になり、森羅万象になる
我らはその壮大な大自然の風景を見て
その崇高な美しさに圧倒されている
しかし、それが幻を見るようで、天命に従っているとは
色即是空 空即是色
我々は肉体と共に生きている
原子も真空も生きているのではないか
多くの素粒子がうまれたり、消えたり
大きくくつくと、物になり、
星になり、そこから生物という生き物になり、
だが生き物という点では、
大きくなった生物も、まだ石ころになったばかりのものも、
原子も分子も
植物も変わりないのではないか
これが仏性の流れ、仏性に死がないということではないか
仏性は一個の明珠ではないか、子宮ではないか
そうとなれば、輪廻転生は必然ではないか
生まれ生まれ生まれて、生の始めに暗く、死に死に死んで死の終わりに暗し、と
空海が言ったではないか
森羅万象としての大自然そして人間
生まれては消え、消えては生まれ、生命の大海は悠々と深いいのちをたたえている。
これで、戦争や争いが無意味であることが分かるではないか
核兵器をなくせ、温暖化阻止
梅が春の知らせであり
満月がヒトの心を魅了するように
未来の子供達のために
我ら大人は平和のために手を組もう
【久里山不識】
謹賀新年 今年もどうぞよろしくお願いします。
今回の詩は書く方から言うと、テーマが難しいので、完璧を待っていてはいつ掲載できるか分からない。それで、詩のタイトルを「未完成」としました。一番言いたいことは、以前から何回も繰り返し言っている内容で、小説「森に風鈴は鳴る」のテーマになっている「核兵器なくせ、温暖化阻止」であり、早く戦争を終えて平和になって欲しいということです。
小説の推敲は進んでいません。まず、やることは欠点を探すことです。
今、思っていることは アンドロイドロボットの描写に手を入れる必要があると、感じていることです。
これからは、ロボットの時代が来ると思います。ただ、小説は2006年を出発点として始まっていますので、ロボットの進化の知識を正確にしないといけないということです。
私の年も八十寸前となり、あちこち故障が出て、手術寸前という所も出ています。そういうわけで、又 ゆっくりペースでやらせていただきますので、よろしくお願いします。
【私のもう一つのブログgoo[空華ー日はまた昇る ]と、FC2のブログ「猫のさまよう宝塔の道」と「永遠平和とアートをめざす」もよろしく 】
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