いのちの響き(poem)
1
二十才前後で凄い天才がいると思えば
追い詰められて苦しんで自殺する青年がいる
何でこんな差が生まれるのか
無数のこうした人生の差は偶然なのか
もしも、これが単なる生まれの偶然と思えば
人生はカミュの言うように無意味ということだろうか
しかし、人生は無意味ではない
お釈迦様は、モノは仏性の現れであると、
道元流に言えば、全てのモノに不死の愛のいのちがあると
キリストの言葉を借りれば、道であり、いのちであり、復活であると
不生不滅の心身、この中からかくも美しいヴァイオリンの旋律が流れてくる
人生そのもののように、美しく苦しく激しくそして優しく
わが心に流れてくるいのちの流れ
おお、私は何という美しい夢を見ているのだ
夢であり、リアルでスリリングな音楽
それなのに、至る所に悲劇が繰り返されている
あの恐ろしい戦争
何で、人は争わずに生きられないのか
金、欲望、人を傷つける罪を犯そうという激しい欲はどこから来るのか
おお、何と言う美しいベートーベン
素晴らしい風景があたりに見えるではないか
花や小鳥や美しい川と草原が
ここに耳をすまし
目をかなたに向け、祈ろうではないか
この美しい旋律はどこから来るのか
この音楽が響き、存在している限り古の聖人の言われた道は正しい
不生不滅のいのちがそこに
花となって、咲いているではないか
2
人が生まれるということは神秘な出来事だ
この世は魂をみがく場
であるから、二十才に至る経過は不思議につきる
人間の理性の立ち入る所ではない
おお、何という神秘に満ちたバッハ
西洋では柳のはためく川のそばに賛美歌の響く教会
東洋では、深い森の中に芸術に満ちた仏像
耳をすませ、小鳥が鳴いている
いのちの響きがあちこちにささやいている
この美しい旋律は真理からくるのか
深い愛のいのちが小川のせせらぎのように
不滅の輝きを放っている
人生は無意味ではない
それなのに、地球のあちこちに争いごとが繰り返されている
武器の発達は悲惨さを増大させている
これを止めることは出来ないのか
多くの人が声をあげて、核兵器廃止を叫ぼうではないか
おお、何という美しいバッハ
あなたの旋律が響いている限り、昔の聖人の悟った真実はまことで、
不生不滅の愛のいのちが我らの根底に流れているのだ
ほら、そこに名も知れぬ野の花が
宮殿よりも美しく咲いているではないか
エッセイ
ようやく夏も終わり、待ち遠しかった秋の到来ですね。一か月前には、突然、眼圧が高いと言って、パソコンから離れ、大変失礼しました。
その後、毎日一回 眼圧を下げる薬を目にさしています。
緑内障の知識が全く無かったので、めんくらいました。
昔は緑内障と言えば、失明と結びつく怖いイメージがありましたから。
私の場合、片目だけに起きたことなんですけど、緑内障の初期のようです。
本などの知識によると、緑内障の潜在患者は一千万なんだそうです、普通、自覚症状が感じられるのは、相当進んでからだそうで、普段なんでもない人でも、眼圧検査はしておいた方が良いとのことです。それから、今は医学が進み、昔ほどの怖さはなくなったようです。
お休みをいただいている間、小説「森に風鈴はなる」の手直しを少々しました。パブーに出した電子書籍も少々直しました。
テーマはご存知の方も多いと思いますが、「核兵器」と「温暖化」というような地球規模の危機を回避するにはどうしたら良いかということを、青年が目覚めていく過程を書いたと思います。
最近のマスコミをにぎわしている旧統一教会の問題は根が深く深刻のように思われます。
それなりに、日本の政治のリーダーになるべき人が宗教の核心のイロハを知らないことからくることもあるように思われます。【勿論、もっと社会科学的な問題も山積しているのでしょうけど 】私が宗教の問題に絞るのは、この二十年ぐらい道元、あるいはその周囲にある空海・親鸞などの仏教とそれに関係する科学の結論に興味が深く、勉強しているせいもありますけど。
まず、地下鉄サリン事件にも多くのエリートが参加していて世間を驚かしたことを思い出して欲しいです。彼らも、「人を殺してはいけない」というモーゼの十戒を宗教の基本原理として認識しているように思えない。【人を傷つけることもいけないのは同じです。】
何でこんなことが起こるのか。学校教育の中で宗教教育をしていないということをストレートに言う人がいるけど、これは危険な言い方だと思います。
そうではない、学校は人類の文化を教える所なのに、文化を軽んじた雰囲気が高学年になるほど濃厚で、単なる知識獲得の競争の場になっている傾向にあるのではないかということを我々は検討する必要があるのではないでしょうか。
空海と真言宗を結び付けるだけではね、道元の言葉なんか教科書にない。中学生でも、わかる良寛の素晴らしい和歌も出てこない。
クリスマスがこんなに盛んな国で、欧米との交流が盛んなのに、キリストの素晴らしい文句は教科書にありません。
それなのに、人間の心には宗教の核心を知りたいというものがくすぶっているように思われます。正月に初詣で、神社に行って見れば分かるという感じです。
私の場合も学生時代はマルクス主義の勢いの強い時代で、唯物論は常識でありました。今も、アメリカあたりの有力な理系の教授が数学で宇宙の全てを説明できると言っている人がいると聞いたことがあります。本当でしょうか、私の場合、法学部出身の純粋の文系だから、数学で微分積分の文字が入っているのを見るだけで、読む気になれないのですが、この三十年ぐらい前からでしょうか、数式は飾り程度で、科学の最先端の科学の結論を教えてくれる本が続出しています。お茶の水の大きな本屋で見つけるたびに、読みあさりました。結論は科学というのは、確かに物凄い勢いで進歩していて、今まで分からない所が緻密に分かるようになる。これは素晴らしいことでありますが、しかしさらに新しい謎が出現するという摩訶不思議なことが起こるようです。その一番良い例がダークマターとダークエネルギーでしょう。今までの科学者が解き明かした科学の謎は、たった五パーセントの物質にのみ通用することらしいです。
優れた宗教の核心は宗派によって表現が違うので、違うことを言っているように思う人も多いようですけれども、核心は同じだと思います。しかし、それは言葉で正確に言うことは不可能なのです。言葉にすると、色々になります。神、仏、法身、真如、仏性、大慈悲心、愛、そしていのちの真理と。
そして、私がよくコメントに引用したパウロの言葉は宗教の本質にあるものだと思います。
【コリント人への第一の手紙 13 緑の風18 花束(poem)のラスト】
まさに、宗教のイロハです。
現代は人類の危機の時代だと思う。恐竜は何億年と栄えて、隕石によって一気に滅びたようだが、人類はまだ数百万年の歴史しか持っていないようですね。
科学の急激な発達は素晴らしいが、今度はウクライナ戦争でアメリカのシャベリンなどの優秀な武器が投入され、その性能と威力を見ていると、背筋が寒くなるのを感じますね。
ピストル一つで、一人を殺せば大犯罪と報道されるのに、このウクライナ戦争で、沢山の人が死んでいますね。それに、長引けばロシアは核兵器をちらつかせているから、怖い。
このことは日本にとっても、ロシアの核兵器が脅威になってしまったことになるのではないでしょうか。
トルストイ・ドストエフスキーを生み出した国と、そんな関係になることは文学を愛する者にとっては悲しいことです。【ウクライナには偉大な ゴーゴリが出ています】
北朝鮮はことに最近、不安の種になっていますね。
台湾と中国が衝突すれば、日本はこの戦争にまきこまれるという指摘もある。
こうした大きな歴史の動きはすべて政治家のリーダーが動かしている。
過去の戦争もそうだった。
国民はそれをあとから、追認しているという恰好だと思います。
現代における人類の危機を招いているのは核兵器の存在が大きいと思います。これを今まで通り、政治家のリーダーの交渉にまかせていって、はたして軍縮となり、核兵器廃止の方向にもっていけるのでしょうか。
もっていけなければ、いずれ、もっと恐ろしい戦争が起き、恐竜のように、人類の文明は破滅の方向に、行く可能性があるということを恐ろしいけど、考えなければならなくなります。
ロシアの核を廃止するにはロシア国民の意思が必要なのは当然です。アメリカも同じです。
政治家は選挙がネックになっていますね。
今度の旧統一教会を見れば、分かります。あの結びつきが選挙の事前にもれていたならば、自民党はあんなに、大勝しただろうかと思います。選挙が終わっても、軍縮に軍拡に政治家は大きな権限を持ち、各国の間を動いています。
しかし、温暖化の場合も言われたことですが、国連で偉い各国の代表が集まって話し合っても、各国は自分の国の利益を優先するから、まとまる話にならない。だから、スウェーデンの少女が立ち上がり、大人にまかせていては自分達の将来があぶないと気がつき、声を上げたのではないでしょうか。
これは私の小説【森に風鈴は鳴る】にも言えます。
主人公は青年である。人生は過ぎ去った者から見れば短いが、青年にとっては先は長いように思える。その先に温暖化だの、核戦争の人類史的危機が待っているならば、気が滅入るのではないでしょうか。
今の大人がある程度、良い方向に持っていく義務があるのに、政治家のリーダーが国際舞台に出てきても、各国の利害が衝突してまとまらない。
政治家の背後に国民がいます。政治家が対外的に強く出れば、背後にいる国民の多くが拍手喝采をする。
この構図は至る所である。
分かりやすい例を挙げるならば、少し昔のことで恐縮ですが、日露戦争の時に、ロシアの側に三国干渉など日本を刺激する材料はあり、やむを得ない事情もあったが、ロシアに勝つことを鼓舞したのは国民であり、戦争に反対した与謝野晶子や内村鑑三は非国民と言われたのである。
世界的視野で見た時に、話は現代でも似たことが起こります。
対外的に強く出る政治家のリーダーは国民的に人気があがります。【軍事力を強くし、国際的に強い立場に立つことを支持する人達はどの国にもかなりの数にのぼると思います 】
この構図がある限り、国際舞台での軍縮の話し合いはまとまりにくいと思います。今はネットも発達し、外国に行くのも簡単ですし、翻訳機の発達も目覚ましい、国民どおしが話し合って、文化の交流をし、こうした戦争をあおる価値観を捨てるような国際交流が必要と思われます。いかがでしょうか。戦争は意味がないし、悲惨であるということを我々人類は既に第一次大戦、第二次大戦と学習したのですから、国と国との友情を育てるコミュニケーションが大切であると思います。相手の文化を理解することが重要かと思います。
私の小説では、主人公の青年が活動する平和産業がそういうことに目覚めていく過程を書いたように思えるのです。
小説の最初の方に、ニヒリズムという言葉が出てきますね。あれはあえて、ああいう言葉を使ったわけです。人生に意味がないという考えで、これは今の日本の金銭至上主義、新自由主義による自己責任社会【自由民主主義は大切です】に行き着くと思います。おかげで、気の毒な子供が増加していると聞きます。愛の少ない社会だからだと思います。
ニュースで聞くパワハラ、セクハラ、虐待、飲酒運転、あおり運転、ネット中傷は悲しいことですし、マナー倫理の崩壊の予兆を感じると言ったら、おおげさでしょうか。
それと対局にあるのが、小説の主人公の青年が追求する人類愛の道だと思います。親鸞・道元の道です。今は人類の危機の時代だと思います。それ故、私はこの青年の追求する価値観を応援して書いたつもりです。
電子書籍の最後の詩は大きく変えました。
今後ともよろしくお願いいたします。
[年のせいとはいえ、他にもいくつもの故障があり、ゆっくりペースで進めるしかないと思っています。その代わり、なるべく良い文章をお届けするように心がけます。良い文章がない時には、自動的にお休みということにします。今回のエッセイは長すぎたと反省しています ]
【電子書籍をご希望の方には、アマゾンから「迷宮の光」と「霊魂のような星の街角]が久里山不識で電子出版しています。】
学校教育へのコメントの所は 私の経験とも重なります。広い教室に六十人ぐらいの受験生がいて、合格したのは三人か四人だったと思います。「緑の風」の最初の本の紹介に書いてあるように、本の信用性を高めるために、経歴を書きましたが、卒業証書もそのためです。本屋にある本の経歴を保証するのは有名出版社ですね。私の経歴を保証するのはこれと、ブログの文章力です。
本を売るには信用が重要。もしもまんじゅうやさんがあって、誰かが「まずい」とかいう噂を町に流したら、売れなくなります。私がこの二十年間、町を歩いていて、全く見知らぬ人から、これに似たレベルの悪口を言われました。最初はそれほど、気にしていなかったのですが、ブログを書き始めた七年前から、凄い低レベルな悪口があちこちで起き、驚きました。私はこの三十年間、静かに暮らしていたので、遠い昔の米ソ冷戦時代の誰かとの気まずい思いが発展したのかと思いましたが、それにしても、陰湿なので驚きました。私が沈黙する理由がありません。本の信用を回復するためにも。
「セビリアの理髪師」の中傷に関するセリフは人間性をよく見抜いています。感心します。
私のブログ goo 空華ー日はまた昇る
FC2 猫のさまよう宝塔の道
永遠平和とアートを夢みる
しかし何と言っても重要なのは、ブログの中で書いた小説「森に風鈴は鳴る」を読んでいただきたいですね。
パブ―で、無料の電子書籍を手にいれることができます。
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