幕末から明治初めにかけ、わが国の大きな社会変革を再考する明治維新140年記念特別展「明治維新の光と影」が、萩市堀内の萩博物館で開かれている。同館には、下関戦争(1864年)で英軍が持ち帰った「長州砲」が里帰り展示されているのをはじめ、研究員が内容を解説するギャラリートークも企画され、特別展を盛り上げている。11月11日まで。
長州藩がなぜ尊王攘夷(じょうい)運動・倒幕運動の急先鋒(せんぽう)となったのか。そして、禁門の変(64年)で「朝敵」とされたのが倒幕の「官軍」となり、戊辰(ぼしん)戦争(68、69年)を経て、日本近代国家の生みの苦しみまで‐。国指定重要文化財5点を含め約100点の史料で迫っている。
米国提督ペリーが日本遠征のため米バージニア州を出発した英国の絵入り新聞が展示。黒船来航は、日本の太平の眠りを大きく覚ます。英国でも強い関心が寄せられていたことを物語る。
幕府と長州藩の全面戦争となった「四境戦争」(66年)で使用された英国製の輸入銃。火縄銃から新式のライフル銃へ、長州藩が幕府軍に勝利した要因の1つに挙げられる近代兵器だ。さらに、戊辰戦争の勝利を勢いづけたのは錦の御旗「錦旗(きんき)」だった。薩長両藩が「官軍」となり一転、旧幕府軍が「賊軍」「朝敵」とされ、戦局に大きな影響を与えた。
このほか、会津戦争の激しい攻防を描いた絵馬や、高杉晋作による奇兵隊結成から解散までの動向を伝える「奇兵隊日記」などが出品され、時代を大きく転回させた幕末史をつぶさに伝えている。
期間中は無休。一部の展示品は、10月13日までと14日以降で入れ替える。観覧料は大人500円、高校・大学生300円、小・中学生100円。
9/24 西日本新聞