NHK BS 1月3日放送「まいにち養老先生、ときどき…2024」の録画を観ました。
養老先生の、愛猫の“まる”を交えながら穏やかで清々しい暮らし方が、なんとも私の波長にあい、2020年の放送開始から見逃さず観ています。
あの静かな語り口で、今を生きるモノの見方をひも解いてくれます。
放送が始まった頃のタイトルは、「まいにち養老先生、ときどき まる」でした。
それが、養老先生の相棒ともいえる、18年間暮らした愛猫の“まる”は2020年12月に永い眠りについてしまった。
その後のタイトルは「まいにち養老先生、ときどき…202・春とか夏」になり猫の“まる”の名がなくなってしまいました。
今回放送の大半は28年間通い続けるブータンへの旅でした。
「ヒトが生きること」を異国の地で問い直す。
変化を続ける国にあって、ヒトが生きるうえでの“変わらぬモノ”を探す旅に出ます。
今回も、ひも解いてくれたことは幾つかありますが、その一つを。
放送の前半でした。
自然豊かな鎌倉の自宅からほど近い鎌倉朝夷奈切通しに虫観察に出かけます。
そこは、養老先生が少年時代に帰れる場所だそうです。
養老先生は虫が好きなことはよく知られていますが、足場の悪い山道を杖を使いながら、子供の頃の情熱がよみがえってきたと嬉しそうにどんどん山深く入り込んで虫を探す。
それは、好きなことに没頭する少年そのものの姿でもありました。
その時に、ひも解いてくれた養老先生のことばは
虫が好きで年中虫を見ている。
幼い頃母親によく言われた。
「どこが面白いのかねえ、虫なんか見て」
今でも多くの人の感想では、これではないか。
でも虫の面白さを説明しょうとすると、言葉に窮する。
そこであっと思う。
人生、言葉にならないことが、じつはいちばん面白いんじゃないか。
懸命に生きているって、そういうことでしょ。
その当座は夢中だから、言葉にしている余裕なんかない。
ただひたすら。面白いというしかない。
好きなことや面白いことに理由なんてなくていい。
夢中ってそうだと思う。