世に出回っているパソコンに関する用語やマニュアルに、いかに通じないものが多いことよ。これひとえに翻訳者の怠慢・無能以外の何物でもない。
コンピューターはアメリカから来たものだから、元は英語だ。それを読んで、日本語にした者が、語学力がなく、また日本語もろくろく知らなかったために、今日の混乱を招いたのだ。反省・改善のかけらも無い。
私が初めてPC9801に触れたMS-DOS全盛期の頃を思い出す。
例を挙げよう。「何かのキーを押してください」ときた。「何かのキー」なんて日本語あるの? 「何科の木ィ」--? --「浪速のジョー」、「浪速の春団治」なら知ってる。この、ナニワノ(→ナニカノ)の抑揚で、アクセントのないヤツである。
私はキーボードをあちこち捜した。「えーと、ナニカノ--、ナニカノ--、元カノ?」--いくら捜しても無い。
後日分かったのだが、英語 any key の訳なのだ。それだったら、訳すな!中学生でも英語のほうなら分かるじゃんか、じゃんか、ジャカ、ジャカ。どうしても日本語にしたいのだったら、「どのキーでもいいですから...」とできないものか。
「立ち上げる」もそうだ。私など、パソコンの前に座っていたのだが、やにわに立ち上がって、あの重いブラウン管を肩の上に持ち上げてしまった。いやー、マイッタ、マイッタ。落とさないかと、冷や汗かいたよ、まったく。あれって、set up のこと?「~を~して、最初の画面を出しましょう」ではどうだろう?
最近お目にかかったのは「検索エンジンにわたす」。わたす(=私)、ワーカリマセン。passでもあったのかな?「~に登録する」なら分かります。 どだい、「エンジン」だの搭載だのって、おどかすなよ。ひっくり返ってしもうた。ワタス、チョー気が弱いのです、ハイ。