「黄門様の印篭」*
先日水戸の西山荘を訪れた。黄門様は一般には隠居ということになっているが、どうも軟禁・幽閉と言ったほうが正しいようだ。表門と裏門が隣接してあり、背後には見張り小屋がある。幕府の役人が出入りの人間をチェックしていたと見るべきである。付近には光圀が開墾したという田畑があり、
自給自足を強いられていたようだ。
「水戸黄門漫遊記」は息の長い人気TV番組で、日本全国を旅しては、庶民の敵をやっつけてくれる。実に小気味いいのが、あの家紋入りの印篭を出す場面である。あれを見せられては、どんな悪党も地面にひれ伏してしまう。
見ていてときどき思うことがある、『自分もあの印篭が欲しい』。例えば、集会などで騒いでいる生徒達に見せるのである。「黙れ、黙れ、これが目に入らぬか!」---実に便利ではないか。
南米や欧州などのサッカ-試合で、観客がどんなに暴れていても国歌を流せば、たちどころにおさまってしまうそうだ。国旗とか国歌は、まさに黄門様の印篭である。
*暇なのでPCの外付けハードディスクの中を見ていたら、1992-05-29に勤務校の広報「しらさぎ」に書いた文章があった。「一太郎」で書いたものなのでフリーソフト「一太郎ビューア」で読み出し、text文書に変えて転載した。