元高校教師のブログ[since2007/06/27]

地元仲間とのウォーキング、ハイキング、サイクリング、旅行の写真入報告。エッセイや意見も。

野見金(ノミガネ)山から笠森観音へ[改訂版]

2007-11-02 03:07:09 | ハイキング

野見金(ノミガネ)山から笠森観音へ(下のバーを右にスライドすると、隠れている部分が見えます)

実施日:2007年1月20日(土)

交通:船橋(5:45)----[快速]----(6:14)五井(6:29)---(6:57) 上総牛久駅
      (7:20)----[バス]----(7:46)平蔵(ヘイゾウ)     
 :笠森(13:54)----[バス]----(14:10)上総牛久駅(14:19)---(14:46)五井(14:49)---(15:08)千葉
       (15:10)----[快速]---(15:30)船橋

交通費など:約3,500円(バス代と観音様拝観料100円を含む)
[運賃詳細] 船橋(480円)五井(680円)上総牛久(460円)平蔵//笠森(330円)上総牛久
                ※ 五井・上総牛区間、割引往復切符あり。


Googleマップに「ペイント」で書き込みました[地図②]。
 浅間神社と野見金山の位置は、私が書き込んだ鳥居の所でしょう。地図の位置だと、野見金山はゴルフ場という海に浮かぶ島になります。
 当日はゴルフ場の中を通りましたが、それを避けるには、来た道を戻るか、鳥居から右に道を探して車道に降りるかしかない。また、見晴台は野見金公園より北の位置だと思います。「ユートピア笠森」は最後の矢印の所です。

 
Gooの地図に「ペイント」で書き込みました[地図①]。赤の矢印に従って歩けば地図②に続きます。
 (2万5千分の一)国土地理院の地図では、トンネルの上から稜線上を野見金山に行けるように見えますが、そのような道はありません。

コース概要
 このコースは「首都圏自然歩道」なので、いくつかの登山ガイドブックには載っている。だが、そのいずれも茂原駅からバスで笠森に入り、笠森観音から「ユートピア笠森」まで歩くようになっている。 JR千葉駅から東京寄りに住むハイカーにとっては不向きだ。さらに、ユートピア笠森からは最寄の駅へどのように帰るのかが曖昧。たぶん茂原へ戻るのであろう。コースとしては、「観音様からの帰り道」になってしまい、「観音様への道」にはならない。これだと、四国の霊場巡りではないが、苦労して一歩一歩近づく有難みがなくなり、賛成できない。これはあくまで「観音様への道」が正解だろう。 

 さんざん苦労して、上総牛久駅からアプローチする方法を見つけた。従って、バス停・平蔵からユートピア笠森までは「首都圏自然歩道」には入っていない。ここの箇所がポイントで、標識も無く非常に分かりずらいので、山慣れた者にしか薦められない。その中心地である野見金山は「ノミ ・カナヤマ」ではなく、「ノミガネ 山」であることを、当日、山仕事の人から教わった。しかも、どの地図でも野見金山はゴルフ場の中にあり、まるで海中の島のごとく孤立している。どうも妙だ。浅間神社の位置も誤りだろう。車道からそんな近い所ではない。国土地理院の地図を頼りに山へ入ったら、えらいことになる。そういうことで、今回どうしても改訂版を出さなければ、という気持ちになった。いい加減で、無責任と言われてしまいそうだからだ。 
 「ユートピア笠森」から約1キロ先にある、蔵持ダムから笠森観音までは、さすがに自然歩道だけあって、申し分ないほど山道の整備が行き届き、標識もきちんと案内してくれる。ただ、山の突起を巻くことは一切無く、道は忠実に尾根の上を辿るのでアップダウンの連続だ。しっかりと階段状に木枠で固められた山道が、例えば、200段上ると次は200段下り、次は150段上れば150段下る、というような尾根道が息つく暇も無く続き、厳しく足腰を鍛えられる。上りだけの合計と下りだけの合計なら、間違いなく金比羅山の階段を越える。なぁーんだ、標高が300mも無い山か、などと舐めてかかるとトンでもないリベンジに遭うぞ。なめたらあかんぜ、千葉の山。

実際のコースタイム】徒歩時間:約4時間(休憩時間を含む)---記録はNさん   
 バス停・平蔵(7:55)…(8:40)浅間神社への入り道…(8:55)野見金山・浅間神社(9:05)…(9:40)展望台(9:50)…(9:55)ユートピア笠森(10:10)…(10:20)笠観音への道…(10:35)車道横断…(11:55)笠森寺・笠森観音(13:20)…(13:35)バス停・笠森

歩行記録
 天気予報がはずれて、朝からどんよりした曇り空。結構肌寒く、空模様も怪しい。上総牛久駅の窓口でバスのキップを買う。牛久駅からのバスは県の大病院前で2名の乗客を降ろすと、あとは貸し切りバスとなった。バス停・ヘイゾーで下車し、そこでラジオ体操後、身支度をする。そこの信号・平蔵を見て右折の道路に入る。200m位歩くと県道148に突き当たる。T字路のそこを右折して1キロ位行くと、トンネルに出会う。そこを潜り400m位行くと、左から田んぼの中を沢が流れてくる。これまでの道路から離れ、左折して沢沿いに舗装された農道?を行く。下の右の写真だ。

 

 道は曲がりくねって山の中へ入っていく。農道?を1キロ位歩くと、かなり幅のある車道にぶつかる。その車道を左にとり、20m?進むと、車道は右に大きく曲がりながら下っていく。だが、そこまで行ってはならない。大きく曲がる手前で、左側をよく見ると、山の中へ入る小道がある。野見金山へはここを選ぶ。
 実はタイミングよく人が通りかかったので、道を尋ねたのだ。地元の人で山仕事をしているとのこと。「ノミ・カナヤマはここを行くんですか?」--「何?ノミガネ山か?」--「えっ、ノミガネですか?神社がありますよね?」このような会話を交わした。だから、間違いは無い。ラッキーだった。
 野見金山へは標識も何も無い。このポイントを逃すと、車道はその先で大きく時計回りに坂道を下りながら右カーブして行くので、そこまで来たら誤りだ。
   
 山道はあまり人が入っていないようなので、少々不安になってくる。だが、山守の言葉もあるので、道なりに行こう。落ち葉や枯れ木が邪魔する山の小道をしばらく行くと、崖の右手に神社へ導く石碑(→下の写真の左)があるので、これを見落とさないように。その前を右斜め上に登ると鳥居が見えて、浅間神社に辿り着く。この古色の標識石に気づかず先へ行くと、たぶんゴルフ場に出るのではないだろうか。 

 
  
 浅間神社の社がある場所は丸く小高くなっていて、右手に大きな石碑が立っていて(↓下の写真)、古代からの歴史が刻まれている。それを読むと、ここがノミガネ山であることや、ここが内房との分水嶺で、遠く外房の白帆も見えると刻まれている。ヤマトタケルの尊が東夷征伐の際、ここに立ち寄り泉を湧き出させたとの伝説も刻まれている。
 ここが周囲より高いところだ。神社はよく管理されているとはいえない。


  
 さて、ここからユートピア笠森へと下るのが(後で分かったのだが)難しい。地図②をよく見てください

 鳥居から社を見て、左手に山道があり、私はそれを選んでしまった。しばらくは山道なので安心していると、ゴルフ場の真ん中に出てしまった。鳥居から右手には道があるのか分からないが、右手に道を探して行かなければならない。もし無ければ元来た道を戻るか、強引に右へ右へと降りれば、先ほどの舗装道路に着くはず。それを道なりに、どんどん歩けば15分位でユートピア笠森に着くであろう。

 小高い丘に囲まれ見通しがきかず、広大なゴルフ場なので、いやぁ、参った参った。悪戦苦闘して何とか右手の山中の小道に逃げ込んだが、途中でゴルファーに怒られたよ。ここをしばらく行くと野見金山公園の展望台が視界に入り、ようやくほっとする。  

 

 展望台(右上の写真)からは房総の地を360度見渡せる。小さな丘陵地帯なので、特別目を見張る被写体は見受けられない。見晴台の下には「ユートピア笠森」(下の写真)がある。立派な施設で、この辺りに住む動物たちの剥製の展示や、みやげ物などが売られており、立派な風呂もある。我々は此処の職員にやさしく迎えてもらい、しばらく休憩した。
 
   
 
 清潔なロビーに入ると受付女性スタッフが、ハイキング姿の年寄りたちをやさしく迎えてくれた。いろいろな美術品が展示されている。大きく両羽根を広げた鷹(鷲?)のはく製は見事なもの。みやげ物もいろいろ売っている。奥のほうには自慢のトロン温泉大浴場。ゴルフ客や会議や研修の宿泊者も多いらしい。
 トイレも使わせてもらい、この周辺の詳しい地図を頂きそこを出た。

  ここから笠森観音へは「関東ふれあいの道」で、標識が各ポイントにしっかり用意されているので迷うことは無い。ところがどっこい、山道は下の写真のように、きつい登りと下降の連続。つまり、300m登ったら300m下る、というような、実に能率の悪い尾根道が観音様まで続くのだ。ほんまに、「舐めたらあかんで観音道を--」と天童よしみが唄いそうな道が待っているのです。  

 
    
 広い車道をくだり、テニスコートの先隣の浄水場を右に入る。標識もある。そこから10分位で右に「うぐいす橋」が見える。現在は通行止めだ。そこから200m歩くと、観音様のみち標識があり、笠森観音方面入り口である。標識に従い左の山道をどんどん登っていく。東屋あたりから下りになり、車道に降りる。向かいの左前方に階段があり、ここが観音様の道の続きだ。
 後は迷うことは無い。要所に標識や残りのキロ数を記した標石が置かれている。だが、容赦の無いアップダウンの連続に、普段歩き慣れているはずの我々も、すっかり体力を消耗して、うんざりする頃、どうやら笠森に近づいたようだ。右下に広大な霊園が広がる。あと1キロくらい歩き、ベンチのある山上公園を通過して急に右旋回すると、目の前に笠森観音のお堂が現れた。

   
 笠森観音堂は、京都の清水観音堂以上の懸崖造り(四方懸造)ということで、わが国唯一の珍しい木造建造物だ。建物の階段を上らせてくれるので、木の組み立ての様子がよく分かる。 このような建築様式は他に例がないだろう。勿論、国の重要文化財で、明治政府は国宝にしていた。二世安藤広重の浮世絵にもあるそうだ。右下写真のように、芭蕉も訪れて一句したためたというから、江戸時代はかなり有名だったのだろう。詳しくはネットで調べて下さい。   

 

 100円の拝観料を払い、スリッパで木造できしむ階段を上り、天空の観音堂に入る。今から1200年以上前に刻まれた十一面観音菩薩は秘仏で数年に1度しか拝めない。周囲の自然林は鬱蒼としていて、蝉が鳴く夏などは特に荘厳で深遠な感じがする(以前、車で来たことがある)。 
  
 境内の縁石に腰掛けて、震えながら弁当を食べた。その後、12時台のバスは無いので、バスの時刻まで境内で過ごし、秘仏・十一面観音像ご開帳の日を期待しつつ、観音堂を後にした。

 ※ 掲載写真は(メンバーの)UさんとMさんの撮影です。 

※最後にタイム記録者Nさんの感想を転載させていただきます。

  「房総の山、侮れない・・・」が、本日の感想です。「観音様への道」というやさしい響きに似ずアップ・ダウンの激しい照葉樹林の尾根歩きで、みぞれ混じりの寒さにもかかわらず、いい汗をかきました。 笠森寺では古色蒼然とした観音堂に圧倒されました。 1000年以上の年月を経た厨子内の秘仏、十一面観音のお姿を心に描き、再来年の開帳時には是非お姿を拝見したいという思いで、帰路に着きました。

 


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