たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

孤高のメス

2010-03-17 21:04:09 | その他
加藤正夫先生ならぬ加藤正人先生
一緒に競馬に行ったり、飲みに行ったり・・・
囲碁は、5段の腕前らしい・・・です。

加藤さんが脚本を書かれた映画、
「孤高のメス」を試写会で拝見しました。

加藤さんにとって、「クライマーズハイ」
以来、2年振りの作品。

なぜなら、「孤高のメス」の
脚本を書くのに、40回以上も書き直し
2年もかかったからだそうです。

加藤さんに苦労話を伺うと、
以下のメールをいただきました。


「一番の思い出は、実際に生体肝移植を
見学させてもらったことです。
ご主人から奥さんへ肝臓の一部を移植する手術でしたが、
開腹から移植が終了するまでの十二時間、
手術室に入れてもらいました。
立ち続けで足はクタクタになりましたが、
助かるはずのなかった命が
手術によって救われた瞬間に立ちあい、
何かとても神々しいものを見たような感動に襲われました。
その感動を持ち帰り、脚本に塗り込めるべく
最後の改訂に取りかかりました。
我々はフィクションを書くわけですから、
見てきたような嘘を書く仕事です。
しかし、本当よりも本当らしい嘘を
書かなければいい作品になりません。
ですから、出来る限り真実を吸収し、
その上で嘘を書くことを
心がけなければならないのです。
手術の現場を見て書いた脚本と見ないで
書いた脚本のどこがどう違うのか、うまく他人には
伝えられないのですが、やはり確実に違います。
表現というものには、魂が宿るものですから。」


加藤さんの情熱が乗り移ったように、
映画も素晴らしいものでした。
(特に主演の堤真一さんがハマリ役)

脳死肝移植という難しいテーマながら
笑いあり、涙あり、そして思わず
我を忘れて、見入ってしまいました。

一人でも多くの人に見てほしい映画。
6月5日~公開。HPはこちら









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