その本とは、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』
矢部宏治著、集英社インターナショナル刊です。
「基地」を止められない沖縄の謎、安保村の謎についても書いてあります。福島の謎―日本はなぜ原発を止められないのか、ということも沖縄の問題を手掛かりにすると分かり易くなります。日本経済新聞の意見広告で澄川社長が指摘したP●R検査の取り扱いを変えることができないのも納得できました。政治の問題については、1945年(昭和20年)9月3日以降約7年間続いた米軍統治の状況から変わっていない、ということが原因のようです。「安保法体系」が今も続いているのです。
『「安保体系」が昭和34年の砂川事件上告審判決(日米安保条約は、高度の政治性を有するので、裁判所の司法審査権の対象外のものとされました。)によって、日本の国内法よりも上位に位置することが確定してしまった、つまり裁判になったら、絶対に「安保法体系」が勝つ、すると官僚は当然、勝つほうにつくわけです。』と著者は書いています。
安保法体系の下で「日米合同委員会」という名の組織があり、日本のエリート官僚たちと在日米軍のトップたちが毎月2回会議をしています。ここでは、いろいろな合意が生まれ、議事録に書き込まれていく、またいわゆる「密約」もあるといいます。今までの政策を変えることについても日米合同委員会で合意されなければ変えられないようです。
日本には国会があるではないか。日本は議会制民主主義の国で、国の方針は国会でないと決めることができないのではないか、と考える人がいます。しかし「安保法体系」の下で官僚は国会で選ばれた総理大臣に対してさえ反旗を翻すのです。民主党政権の鳩山総理時代における沖縄の普天間飛行場移設問題の時がそうでした。鳩山総理は官僚たちと協議して奄美諸島のある島への移設を決定したそうです。誰にも絶対に口外してはならない、と言っていたそうです。しかし、なんと翌日の新聞に堂々とこの記事が出ていたそうです。そのためこの計画は実現しませんでした。このとき鳩山氏は総理である自分よりも忠誠を誓う組織がある、と考えたそうです。それが、この「安保法体系」だったのです。この体系を変えない限り日本に真の独立は訪れないのはないでしょうか。
先ほど紹介した『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』矢部宏治著、集英社インターナショナル刊は、日本の不思議な政治状況を理解する手助けになりました。
私もこの本を読みました。
難しいので何度も読まないと理解できない(汗 です。