佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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2009.01.14 関連病院勉強会

2009年01月14日 22時42分08秒 | オンタイム
 当直あけ。全然呼ばれませんでした。

 今月は、若手向けの症例がセレクトされていました。

症例1.S状結腸穿孔(宿便潰瘍疑い)
 単純CTのみ撮像されていましたが、少量のfree airおよび、S状結腸の一部分に比較的限局した腹水などの所見に気をつけるように。という教訓症例。

症例2.虫垂部mucocele(low grade malignancy)
 水濃度で満たされ、腫大した虫垂。壁にわずかに石灰化と増強効果を認める。典型的な症例。

症例3.malignant islet cell tumor(グルカゴノーマ疑い)
 高齢男性。膵体部の、充実性+壊死が疑われるような腫瘤。尾側の膵は萎縮しているが、主膵管の拡張は見られない。晩期相では、腫瘤辺縁にリング状の増強効果が見られる。年齢が非典型的な症例。部分容積効果で、充実部分と壊死を疑わせる低吸収部分のバランスの解釈が難しかったです。

症例4.気管支異物
 梅干しの種。胸写では、指摘困難。病変側がややlucentでしたが、CTではそれほどでもなかったような。異物そのものは、均一な軽度高吸収を呈しており、よく見る(というほどでもないかな?)梅干しの種とは若干異なる印象でした。

 今月はこの4例でした。

 突然ですが、明日から、Dual energy での試運転がはじまります。手作りファントムで進めていた予備実験が次の段階に!わくわくしています。

 では、今日はこのあたりで。