血管内治療や血管内手術と同じ意味の言葉です。血管造影技術・装置を用いて血管内からさまざまな治療を行うものです。
どのような病気が対象となるか、そしてこれらにどのようにアプローチするのか説明します。
以下のいずれの治療も管を刺し入れる部位(多くは右太もも付け根)に5mm程度の傷ができるだけで治療が終わります。頭、胸、お腹を切り裂くことなく以下のような治療ができる、すばらしいとは思いませんか?
1. 出血の治療(骨盤骨折による出血、内臓の外傷性出血、喀血、内視鏡で止血できない消化管出血)
→これらに対しては血管造影で出血点を確認後、血管造影写真を地図にしX線透視を見ながら細い管を出血点まで誘導し、そこで詰め物(塞栓)をします。
2. 動脈瘤・静脈瘤や動静脈奇形の出血防止(脳動脈瘤・脳動静脈奇形、胸腹部血管の動脈瘤・動静脈奇形)
→出血する可能性のある血管病変の形や大きさを血管造影で確認。血管造影写真を地図にしX線透視を見ながら細い管を病変まで誘導します。この管を通して動脈瘤では瘤内を特殊な充填物質(プラチナ製コイル)でパックします。手術が難しい場所の脳動脈瘤で多く行われ、良好な成績が報告されています。静脈瘤では管を通して血管硬化剤を内部に溜め硬化させます。大動脈瘤では人工血管を細い管を通じて瘤の前後に挿入し瘤をバイパスする治療が行われるようになってきています。
3. 血管閉塞や狭窄による虚血の治療(頚部血管・骨盤・下肢動脈の動脈硬化による虚血症)
→細くなっている血管内に、先端に風船がついた管を差込み風船を膨らませて押し広げ虚血を改善させます。拡張が十分でない場合はステントと呼ばれる血管内腔支持のための器具を、血管を通じて挿入して押し広げた状態を維持します。下肢の虚血に対しては古くから行われており良好な成績が得られています.脳虚血に対し頚部血管を広げる治療は最近始まり研究中ですが、期待されている治療法です。
4. 腫瘍の治療(手術不能肝細胞癌、転移性肝癌、婦人科・泌尿器科領域悪性腫瘍)
→細い管を、腫瘍を栄養している血管まで誘導し高濃度の治療薬を注射します。通常の静脈注射より高い治療効果が期待できます。
5. 脾機能亢進症(低血小板血症)の治療
→肥大した脾臓の80-90%の血管に詰め物をし脾臓の機能を適正な程度まで低下させ血小板の増加を図ります。
6. 門脈圧亢進症(難治性腹水、内視鏡治療不能消化管静脈瘤)の治療
→肝臓が処理しきれなくなった血液の一部を直接心臓に戻すルートを肝臓内に作ります(これも血管内の管を通して行うことができます。経皮的肝内門脈静脈短絡術と言います)。
7. 血管内の異物除去
→血管内に残ってしまった異物(多くは中心静脈栄養用の管)を専用の道具を使って除去することが血管内を通じてできます。除去するために開胸が行われた時代もありましたが、今はそのようなことは必要ありません。
どのような病気が対象となるか、そしてこれらにどのようにアプローチするのか説明します。
以下のいずれの治療も管を刺し入れる部位(多くは右太もも付け根)に5mm程度の傷ができるだけで治療が終わります。頭、胸、お腹を切り裂くことなく以下のような治療ができる、すばらしいとは思いませんか?
1. 出血の治療(骨盤骨折による出血、内臓の外傷性出血、喀血、内視鏡で止血できない消化管出血)
→これらに対しては血管造影で出血点を確認後、血管造影写真を地図にしX線透視を見ながら細い管を出血点まで誘導し、そこで詰め物(塞栓)をします。
2. 動脈瘤・静脈瘤や動静脈奇形の出血防止(脳動脈瘤・脳動静脈奇形、胸腹部血管の動脈瘤・動静脈奇形)
→出血する可能性のある血管病変の形や大きさを血管造影で確認。血管造影写真を地図にしX線透視を見ながら細い管を病変まで誘導します。この管を通して動脈瘤では瘤内を特殊な充填物質(プラチナ製コイル)でパックします。手術が難しい場所の脳動脈瘤で多く行われ、良好な成績が報告されています。静脈瘤では管を通して血管硬化剤を内部に溜め硬化させます。大動脈瘤では人工血管を細い管を通じて瘤の前後に挿入し瘤をバイパスする治療が行われるようになってきています。
3. 血管閉塞や狭窄による虚血の治療(頚部血管・骨盤・下肢動脈の動脈硬化による虚血症)
→細くなっている血管内に、先端に風船がついた管を差込み風船を膨らませて押し広げ虚血を改善させます。拡張が十分でない場合はステントと呼ばれる血管内腔支持のための器具を、血管を通じて挿入して押し広げた状態を維持します。下肢の虚血に対しては古くから行われており良好な成績が得られています.脳虚血に対し頚部血管を広げる治療は最近始まり研究中ですが、期待されている治療法です。
4. 腫瘍の治療(手術不能肝細胞癌、転移性肝癌、婦人科・泌尿器科領域悪性腫瘍)
→細い管を、腫瘍を栄養している血管まで誘導し高濃度の治療薬を注射します。通常の静脈注射より高い治療効果が期待できます。
5. 脾機能亢進症(低血小板血症)の治療
→肥大した脾臓の80-90%の血管に詰め物をし脾臓の機能を適正な程度まで低下させ血小板の増加を図ります。
6. 門脈圧亢進症(難治性腹水、内視鏡治療不能消化管静脈瘤)の治療
→肝臓が処理しきれなくなった血液の一部を直接心臓に戻すルートを肝臓内に作ります(これも血管内の管を通して行うことができます。経皮的肝内門脈静脈短絡術と言います)。
7. 血管内の異物除去
→血管内に残ってしまった異物(多くは中心静脈栄養用の管)を専用の道具を使って除去することが血管内を通じてできます。除去するために開胸が行われた時代もありましたが、今はそのようなことは必要ありません。
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