元巨人軍で大リーグでも活躍した上原浩治選手は、エリートに負けず、踏みつけられても負けない強い力を持ちたいということで「雑草魂」を座右の銘にしていましたが、これからは「コブゴミムシダマシ魂(韻を踏んでいる)」と言った方がいいかもしれません。コブゴミムシダマシ(Phloeodes diabolicus)はバッタもんみたいな名前を付けられていますが、あに図らんや超強いのです。どのくらい強いかというと、踏みつけられても車で轢かれてもびくともせず、昆虫採集の時にピンを刺すのに一苦労というから驚きです。昆虫大好きな香川照之さんは知っていたでしょうか?この論文によるとコブゴミムシダマシは最大149ニュートン(体重の約3万9000倍)の力に耐えることができるそうです。60キロのヒトでいえば2000トンのひだ型巡視船が上に載っても大丈夫ということですので、一安心です(何が?)。
コブゴミムシダマシの外骨格がミネラルを含まないにもかかわらずこのような強度を有する理由を調べるために、著者らは電子顕微鏡観察やμCTなどを用いて詳細な検討を行いました。その結果、鞘翅の中央部にジグソーピースの形状でかみ合った接合部が連なっており、このような幾何学的形状と微細な積層構造が、優れた強度をもたらしていることを明らかにしました。詳細は私には説明できないので自分で論文を読んでください。
著者らは異種材料(例えば、プラスチックと金属)を接合する頑強なメカニカルファスナーとしての可能性を検証するために、このような構造を模倣した金属複合材からなる接合材を作製し、一般的に用いられる工業用接合材より強度が向上したことを示しています。
やはり昆虫すごいぜ!ですね。我々もコロナやらロックダウンやらに踏みつけられても負けないコブゴミムシダマシ魂を持ちましょう!
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