日常にサスペンスという彩りを

火曜サスペンスごっこにまつわるあれやこれや

火曜サスペンスごっこと看護の話を記事にしていただきました

2023-08-11 11:10:18 | 日記
この度メディカLIBRARY ナース100人のストーリーにて火曜サスペンスごっこと私の看護師としての話を記事にしていただきました。
「一緒に死んだふりしますか?」生きている今、元気なうちにとにかく楽しみ尽くさないと |ナース100人のストーリー|#016|さかもツインねね | ナース100人のストーリー | メディカLIBRARY

「一緒に死んだふりしますか?」生きている今、元気なうちにとにかく楽しみ尽くさないと |ナース100人のストーリー|#016|さかもツインねね | ナース100人のストーリー | メディカLIBRARY

学びかたを学ぶ、選択肢をふやす

メディカLIBRARY

生きるを支える仕事と死んだふりという対極にあるような私にインタビューが来るとは…大丈夫なのか、という小さな不安がありました。
が、ここ数年で社会が生きること死ぬことについてすごく繊細になってきているので私が持つ死生観や火曜サスペンスごっこの中に含まれる「生きること、死ぬことについて考えること」という裏テーマについて1度しっかり触れておいたほうがいいかなという思いがあり、ありがたい機会となりました。

特に大きな経歴を持つわけでもなく、日々淡々と業務にあたりながら、病院管理部問への不満をよくツイートしているのでこの人仕事嫌いなんだろうなとフォロワーさんには思われているのではないかと…。

↓こんなの

病院の運営や管理部にはだいたいいつも怒っておりますが、患者さんと向き合う時間はおもしろい、楽しいと思って業務にあたっております。毎日違うことが起き、人体ってすごいなと驚き17年この仕事に従事していますが未だに感動することがあります。


療養病棟について】
インタビューでも触れているとおり、一般病棟とはちょっと違う、療養病棟という場所にいます。医療が必要だけど、在宅や施設での療養が難しい慢性期の方が長期入院している病棟です。
私が入職してもうじき8年となりますが、入職時からいらっしゃる患者さんもおりそうすると8年の付き合いになるのです。ちょっとした家族みたいですよね。8年も付き合った恋人なんていないので恋人よりも一緒にいる時間が長い患者さんもいます。

月〜年単位の継続的看護ができるというのが療養病棟でおもしろい部分かもしれません。
◯◯さん、これが好きだよね?とか、そう言えば来たときはこんな感じだったね、とか、退職したスタッフの話をしたりとか、そんな雑談を加えながら日々を過ごしていくのです。
特別なことはない日々というのが私にとっては大切なもののように思えます。


終末期に寄り添う】
もちろんお看取りをすることもあります。
それが療養病棟のひとつの役目でもあるので。
徐々に言葉が少なくなって終末期に差し掛かるときには「◯◯さん元気なときはこんなこと話してたよね」とか、「元気すぎてチューブ抜いちゃったこともあるよね笑」とか、色んなエピソードを話しながらケアに当たります。
元気だった頃を懐かしんでは進んでいく時間。苦しくないように、尊厳を保てるように、大切な人に会えるように、そんな時間を作るよう努めます。

本当にさいごの、息が止まり心臓が止まり、その時間。祈るような重い重い時間を共に過ごすこと。はじめは心苦しくて泣いてしまいたい気持ちでいっぱいでした。
それは今でも慣れることなどないです。
ただ、その時間から紡いでいくこともあるのです。誰かに優しくしたり大切にしたり、それはきっと命の重みや尊さを知らねばできないことだと思うのです。



苦しみも辛さも繋げる】
看護師になりたての20代前半の頃はおこがましいというか傲慢な人間で、人に対する優しさも今とは比べ物にならないちんけなものでした。両親がいて友人も恋人もいて欲しいものはなんでも手に入るのだもの、経験していない苦しみや辛さがたくさんあったから、労うことや感謝することに対する気持ちが薄かったんだと思います。
こんな苦しさ辛さのときこうしてほしいな、という経験は看護をするうえで貴重な糧となります。



もはや言葉などいらない】
看取ることが増えたことで、うわべの言葉ではないコミュニケーションの大切さをひしひしと感じました。コロナ禍で耳障りのいい言葉が溢れかえって薄くなってそれが苦しみを救える手立てでないことに気づいたとき救いとなるのは日々の積み重ねとそばにいることだと思いました。

患者さんのちょっとした異変に気付いたり、ご家族のこらえきれない感情をそっと背中をさすって受け止めたり、もう言葉じゃないんだなということを痛感しています。どんな言葉を投げるべきかではなくどんな空気でどんな態度で、どんなぬくもりでが大切なのか意識しています。
看護のフィードバックのひとつのゴールが『死』というのは重たいですね。
だからそこにたどり着くまで、今を精一杯やりきる必要があるのです。ひとつひとつのケアやに執念を燃やせるのは性に合っているので療養病棟での仕事は長く続けられたのでしょうね。



悔いのないような生き方
火曜サスペンスごっこが目的で旅に出ますが、それは見てみたい景色があるという「死ぬまでに見たいを消化する旅」でもあるのです。
ここまでこれたからもう満足よ、と次はどうしてもこれを見たい、のせめぎあいのもと火曜サスペンスごっこの撮影をしています。生きているなら見たい景色、行きたい場所に行き満足するまで足を動かすが裏テーマです。


若い看護師さんへ】
インタビューの中で悩んでいる若い看護師さんになにか一言、と言われたとき悩んでしまいました。

同じ年の女の子(ナースマンもいますが、自分もか弱き乙女?ナースだった時期があるのでここは女の子とさせていただきます)
より、きっとたくさん大変な思いをしていると思うのです。
他にも大変なお仕事はあるけども、人間の汚い部分を見たり、言われなくてもいい暴言や暴力を受けたり。体力はゴリゴリに削られるし、自分の身体も壊すし、辛いよね〜ッッッ!本当に引きずるよ…。
だから辛いなと思ったら辞めていいと思うんです。働き方が選べるのがこの職種のいいところなので、病棟が向かなければクリニックや外来など、心と身体のバランスがとれる職場を見つけるなり、転職するなりがいいと思うのです。
そうやって退職して今も元気でやってる元同僚もたくさんいますから。

それでもやっぱり看護師としてやるという気持ちを持っているならそれだけでもう素晴らしいことです。
まぁ、人のケアをする前に、誰よりもご自分のことを大切にしてほしいです。仕事中お腹が空いたらこっそりジュースを飲んで、疲れが溜まったら温泉やマッサージに行って、たまにはお友だちと遊んだりデートしたり。ご自分が楽しいことや心地いいことを貪欲に摂取してくださいね。

それでも気持ちが沈んだり辛くなってしまう事があるでしょう。そんなときは、一緒に火曜サスペンスごっこやりにいきましょうか。
自分が寝てる姿って普段見ないですから写真に撮るとおもしろいんですよ。カメラ持っていきますからぜひ撮らせてくださいね。愚痴?あればたくさんこぼして下さい。 


長くなりましたが、大きな経歴もない場末の病院の一介の看護師の私に声をかけてくださったメディカLIBRARYの皆様、お話力の高いインタビュアーの白石様、ありがとうございました🙇
特別なことだけでなく目の前にある日常やひとつひとつのことを大切にする看護師さんに光が当たる記事のようで私は嬉しいです。(職場の大好きなおばちゃんたち、あなたたちは光ですよ〜と褒めてまわりたい)

ちなみにイラストにしていただいたワンピースは火サスでも着用しているお気に入りのZARAのセール時に買った激安ワンピースです。花柄が忠実に再現されていてウケました。







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