1月に開催されたサロン・ド・千扇でウェディングドレスを着用した際、このホテルは私が理想とする記念撮影にいい、と思いました。
赤い絨毯、白い壁、ところどころに施された装飾、重厚感のあるレトロな空間。私が結婚するなら絶対ここでブライダルフォトを撮りたいです。
と言えど、10年以上に渡る婚活の末、人と暮らすことに向かないことを悟った私(現在同居のめめに言わせると深いため息をつきながら、我が強くて嫌、すごく自分勝手、絶対一緒に暮らしたくないとのこと)が結婚することはないでしょう。ならば、、嘘を作り上げるしかない。そうして今回のホテル千扇ペアフォト撮影会が開催されたのです。
○まずは撮影をしてくれる人を探すところから。
嘘の世界線というのを納得して写真に収めてくれる人なんているかな〜と心配しながらも、「ねねさんを撮ってみたい」とお声がけくださったかぽさんに打診したところ快くいい返事を下さったのでありがたかったです。
元々かぽさんの写真が光や色味が好きで、あと写真やポートレートに対するお気持ちが首がもげるくらいうんうん頷いてしまうほど共感が持てる方だったので撮影会ができることを本当に嬉しく思いました。
○次に嘘のパートナー。
お願いできそうな人を思い浮かべたとき、Twitterで相互フォローのぱせ岡さんが出てきました。
毎日板橋区においでよとうわ言のように呟いていてそれが私のツボにハマってもう何年も立ちます。実際にお会いしたのは1度か2度くらいなので無茶なお願いをすることに申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、こちらも「楽しそう」と快くOKを出してくれたのでこれで無事に撮影ができるとほっとしました。
○衣装揃え
クラシカルでレトロなホテル千扇に合わせる衣装を買いに高円寺へ。
自分のドレスはいくつかあるのですが、メンズ衣装は持ち合わせていないのでぱせ岡さんの服を見に行きました。撮影の趣旨や経緯を話し、古着屋であれやこれやと着せ替え人形のようにされるぱせ岡さん。
人を着せ替え人形にするの楽しい〜と思いながら衣装が決まり、トリアノンのお子様ランチで撮影会の日のぱせ岡人権を買い取りました。
ざっくりとした撮影の概要を話しましたが、大阪の超レトロな昭和ラブホで見ず知らずの女とペアフォトを撮る、というのでよく来てくれたよなぁ、と撮影会が終わったあとでも思います。
○撮影会前日
3月で閉業するルビノ京都堀川に宿泊し昭和ラブホも観光ホテルも閉業していくなぁとしんみりしていました。
ホテルの近くに旧京都府庁と警察本部があったので外観のみちらっと観光。
昔京都の人と付き合ってたときに来たので懐かしい気持ちになりました。京都は歩くと絵になる建築物がたくさんあるので散歩が捗りますね。
○ホテル富貴
現在ボイラーの故障でお湯を使わないでもいい人の利用のみになっています。
普段混んでいてなかなか入れない大きいお部屋、中華とガラスでゆっくり撮影してきました。千扇とは趣の違うレトロさがあっていいですね。
中華のお部屋のこのシャンデリアを見たときこの煌めきを見るために生きてるよ〜と大興奮してさっと撮影を終わらせるつもりが気づけば日が暮れかかっていました。
実際に訪問してみると、手が込んだ装飾たちがキラキラと目を潤してくれるのです。くれば来るほど好きになる、それが昭和ラブホ。
ほくほくした気持ちになり明日に向けての準備をして就寝。
○当日
流石にいつものボサボサヘアーではダメでしょうということで美容院に行きます。
クラシカルな大正ロマンの耳隠しスタイルをお願いしようと思ったのですがゴリゴリの和装ヘアらしく「それはちょっと難しいですね…」とのことで美容師さんを悩ませながらのセットとなりました。ふんわりとしつつもクラシカルなまとめ髪をセットしてくれてありがたかったです。所要時間40分。
その後千扇に向かい、せっかくなら富貴でもイベントを、ということで、サローネ富貴の開催が決まりました。
※こちらのほうご予約承り中です。よろしくお願いします。
○撮影会開始
カメラマンのかぽさん、かぽさん旦那さんのかんさきさんとぱせ岡さんが揃い衣装合わせをしながら撮影を開始します。
サロン・ド・千扇でもお世話になったユッカさん、雇われさんもフリー撮影してもらってこのキャイキャイした感じが楽しいなぁと思ったり。
カメラの向こうから写真を撮る気概が伝わりこちらもぐっと写るぞという気持ちになります。
というか、かぽさんがたくさん褒めてくださるので調子に乗りましたね。人生でこんなに褒められたの初めて。
※撮影かんさきさん
これはもう死んでもいいやと思っちゃった瞬間です。いい意味で。
きっと一生叶うことのないドレスを着た撮影がここで叶って、人生の中での突っかかってた部分がさらりと流れました。こんなことってあるんだなぁ、と成仏した感じ。非常に晴れやかなひとときでした。
○ぱせ岡さん
蝶ネクタイにサスペンダーという至極の男性ファッションをサラリと着こなす男…。ポテンシャルがやばいですね。昭和ラブホに合う。
本名は知りませんが、初対面の人に写真を撮ってもらっても眉一つ動かさずそつなく撮影をこなしていました。メンズファッション紙の撮影かな?と思うほど板についたポージング。ポートレートはかわいい女のコのもの、という概念をぶち壊してきましたね。ポートレートはぱせ岡のためにある、という空気感まで作っていました。全国の男性モデルを探しているカメラマンの方、ぱせ岡さんをぜひ採用してほしいです。この男…推せるッッッ!
(10歳以上年が離れているのでセクハラパワハラには配慮したつもりですが本当にこんなことに付き合わせてすみませんという気持ちでいっぱいでした。終始協力的でありがたかったです)
○かんさきさん
メインカメラはかぽさんが、オフショットをかんさきさんが撮ってくださいました。
お二人の掛け合いが本当におもしろく、呼吸をするように会話がされていてそんな関係性をしっかり築かれていることが素敵だなとしみじみ思いました。
息のあった撮影をしてくれて感謝しています。
これは火サスのオフショットなのですが、こんなシーンが撮れるのも2人体制だからこそですよね。お2人に来てもらえ本当によかったです。
○かぽさん
いつもSNSでお写真拝見しており、その作品の中に私が入れることが光栄でした。
もうこれ、遺影にしてくれッッッ!という1枚。私の人生でいっちばんいい写真。柔らかな光がそこで生きていたという強さも引き出してくれて胸に手を当て「我が人生に悔い無し」とにこりとさせるのです。
撮影中ふと腹の中を垣間見させてもらう瞬間もあって、私の腹の色と似た部分もありほっとして同じ時間を過ごせました。
私なぞを楽しく撮影して下さるのも本当にありがたく、この時間の思い出と写真があればどんなことも乗り越えていける、ということで4月から異動を命じられ総師長に数十秒の無言の睨みの上くってかかれたのもこの撮影会で強くなれる理由を知ったからだと思います。
異動先で辛くなったらかぽさんの写真見るんだ…というお守りでもあります。
これは火サス後の2人。火サス終わって立ち上がるとなぜかみんな達成感に包まれた笑顔になるの、面白いですよねぇ。
Twitterで#かぽのひかりで検索すれば今回の写真が出てきますのでぜひご覧ください。
長くなりましたが、ホテル千扇はレトロな記念写真ロケーションとして素晴らしいので気になる方はぜひ撮影依頼をしてみてください🤗