ホンクベーシスト 新井健太の雑記

日々起こったこと、感じたこと、音楽のこと、家族のこと、友達のこと、自分のこと。

『最悪』

2008-11-19 00:35:30 | Weblog
奥田英朗・著『最悪』を読んだ。
主人公の三人がそれぞれ生活していく中で、色々な事に追い詰められて窮地に立たされていく話。

人ってこういう状況になったら、こんな風に考えたり咄嗟にこんなこと言っちゃうよなぁっていうのの連続で、ドンドン最悪になっていく様に不思議と不自然さがない(俺とは職業とか生き方は全然違うけど、想像出来るというか)。またその最悪っぷりが半端じゃないのが凄く話として解りやすい。楽しめた。

こんな事、今更ってカンジで、みんな言ってるのかもしれないけど、奥田英朗の話って凄く映画っぽいなぁ。
この複数の主人公それぞれを、章(場面)ごとに並行させて進めていく手法(タランティーノの『レザボア・ドッグス』、『ジャッキー・ブラウン』とかジム・ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』、『ミステリー・トレイン』とかみたいなヤツ...アレ?ちょっと違うかな)って、たくさんあるんだろうけど、実際にそれを上手く書こうとしたら難しいだろうなぁ。書いてるうちに頭こんがらがってくるだろうな。

サウスバウンド

2008-11-12 14:13:12 | Weblog
奥田英朗・著『サウスバウンド』という小説を読んだ。元・左翼過激派で今や伝説となっている男を父に持つ小学生の話。
上下巻合わせてけっこうあったのだけど面白くて一気に読めた。男も女もこう生きれたらカッコイイなぁというカンジ。なにしろ読後感が最高に気持ち良かった。
ネットで見たら映画化もされてるし、一時は結構話題にもなってたんだな。なぁーんだ。
立て続けに同じ奥田英朗の『ララピポ』(これも映画化されるらしい)を読んで、今『最悪』というのを読んでる。オモシロイ。

市電うどん

2008-11-03 00:12:20 | Weblog
『市電うどん』という芝居を観に行った。
横浜のメリーさんのお話ということでストーリー(スジ)は朧なカンジだったけど、視覚と聴覚が刺激されて生理的に気持ち良かった。
テレビや映画と違う芝居小屋(テント)ならではの三次元の感覚を最大限利用していてウ~ンと心の中で何回も唸ってしまった。俺は劇とかは全然詳しくないのだけれど、今までにもこういう手法はけっこう使われたりしているのだろうか?

始まる前、あまりに客席の居住性が悪く腹がたったが、終わった後、これも演出だったのではないかと考えてしまった。コチラが狭い分、演者のスペースの広さがより際立つように感じるのだ。
(この文章だけだとどんな手法なのか判らないけどあんまり詳しく書いてネタばれみたいなのは避けたいので)
生の演奏もエモーショナルで良かった。

黒沢映画の『夢』を思い出した。