4月16日(日)<その2>
時々、急に魚を食べたくなる。
先日、地域に配られる宣伝紙をなんとなく見ていたら、小さな記事が出ていた。
先に読んだ姉の話によると、大森駅近くに『焼き鯖』専門の店があるという。
早速、読んでみた。
鯖漁獲で有名な港の店から運ばれて来る物を、この店で定食にして提供しているとのことだ。
昼食の時間は混むだろうから、空いている時間に行ってみることにした。
JR大森駅の線路に沿って小さな店が並んでいる。
ランチタイムになると、大勢のサラリーマンが行列を作って開店を待っているのを見かけた。
大体、この時間帯には近寄らないことにしているが、この一帯へは行った経験がない。
ああ、駅ビルの側なんだ?と一応、確かめたが、その後、出掛ける機会はなかった。
桜の花も、もう、終わりそうになって、未だ、今年は出かけていないから、久しぶりに花のなごりでも見るついでに、あの鯖の店へ行ってみようと決めた。
最近は、めったに乗らないバスだが、運良く到着した。
駅から然程、遠くもない店が、今の私にはきつい。
やっと、たどり着いた店は、間口が狭く、中へ入ると、二階へどうぞ!と言われた。
「エッツ!二階?」無理に改装したと思われる階段は、折れ曲がっている上に、きつい傾斜。
やっと、靴を脱いで、畳の間へ入る。
わずか、十人ほどしか座れない大きなテーブルが一つ。
既に、女性の客が五人来ていた。
私は座れない。足を投げ出して、背中にクッションを置いてもらっても壁に寄りかかるのがやっと。今度はテーブルに手が届かない。
洒落た民芸風にしているので、私のような人間には実用的ではないのだ。
運ばれてきた料理は、盆を膝に載せて食べる事にした。
鯖の半身がしっかり焼かれており、味噌汁と大根の酢の物、おひたし、漬物等がついて千円。
お代わりのご飯はおひつに入って運ばれて来る。
すべて、落ち着いた雰囲気だが、この様子ではランチタイムには大変だろうな?と思った。
店員の男性たちは親切だ。気分は良い。
私の様子を気にして、食後は、階段で手を取って降ろしてくれた。
しかし、もし、火事にでもなったら、逃げられないねと二人の感想。
美味しかったけれど、この体験で終りにしようと決めた。
買い物をした後、もう一つの目的の桜を見に行く。
姉は「忘れていた」と笑う。
昨年までは近くにあると思っていた桜並木も、私たちの足では遠すぎる。
公園の入り口近くの桜の木までたどり着いて、もう、いい事にしようと決めた。
風が吹いてきて、桜の花びらがひらひらと散り始める。
道端の花びらをステッキでかき混ぜてみた。柔らかい感触がある。
ああ、桜も終わりなんだ!
タクシー乗り場は混んでいるし、もう、見たから帰りましょうと、バスへ……
えらく混んでいたけれど、無事、席に座れた。
二人共、ご苦労さんでした!桜餅でも食べましょう!公園で食べるつもりだったけれど。
時々、急に魚を食べたくなる。
先日、地域に配られる宣伝紙をなんとなく見ていたら、小さな記事が出ていた。
先に読んだ姉の話によると、大森駅近くに『焼き鯖』専門の店があるという。
早速、読んでみた。
鯖漁獲で有名な港の店から運ばれて来る物を、この店で定食にして提供しているとのことだ。
昼食の時間は混むだろうから、空いている時間に行ってみることにした。
JR大森駅の線路に沿って小さな店が並んでいる。
ランチタイムになると、大勢のサラリーマンが行列を作って開店を待っているのを見かけた。
大体、この時間帯には近寄らないことにしているが、この一帯へは行った経験がない。
ああ、駅ビルの側なんだ?と一応、確かめたが、その後、出掛ける機会はなかった。
桜の花も、もう、終わりそうになって、未だ、今年は出かけていないから、久しぶりに花のなごりでも見るついでに、あの鯖の店へ行ってみようと決めた。
最近は、めったに乗らないバスだが、運良く到着した。
駅から然程、遠くもない店が、今の私にはきつい。
やっと、たどり着いた店は、間口が狭く、中へ入ると、二階へどうぞ!と言われた。
「エッツ!二階?」無理に改装したと思われる階段は、折れ曲がっている上に、きつい傾斜。
やっと、靴を脱いで、畳の間へ入る。
わずか、十人ほどしか座れない大きなテーブルが一つ。
既に、女性の客が五人来ていた。
私は座れない。足を投げ出して、背中にクッションを置いてもらっても壁に寄りかかるのがやっと。今度はテーブルに手が届かない。
洒落た民芸風にしているので、私のような人間には実用的ではないのだ。
運ばれてきた料理は、盆を膝に載せて食べる事にした。
鯖の半身がしっかり焼かれており、味噌汁と大根の酢の物、おひたし、漬物等がついて千円。
お代わりのご飯はおひつに入って運ばれて来る。
すべて、落ち着いた雰囲気だが、この様子ではランチタイムには大変だろうな?と思った。
店員の男性たちは親切だ。気分は良い。
私の様子を気にして、食後は、階段で手を取って降ろしてくれた。
しかし、もし、火事にでもなったら、逃げられないねと二人の感想。
美味しかったけれど、この体験で終りにしようと決めた。
買い物をした後、もう一つの目的の桜を見に行く。
姉は「忘れていた」と笑う。
昨年までは近くにあると思っていた桜並木も、私たちの足では遠すぎる。
公園の入り口近くの桜の木までたどり着いて、もう、いい事にしようと決めた。
風が吹いてきて、桜の花びらがひらひらと散り始める。
道端の花びらをステッキでかき混ぜてみた。柔らかい感触がある。
ああ、桜も終わりなんだ!
タクシー乗り場は混んでいるし、もう、見たから帰りましょうと、バスへ……
えらく混んでいたけれど、無事、席に座れた。
二人共、ご苦労さんでした!桜餅でも食べましょう!公園で食べるつもりだったけれど。