Apple Pieと月の船

さくやの日常や思ったことを気ままに綴っていきます

私も落ちたよ、保育園

2016年03月05日 | 雑記、日々のこと
今年に入ってから、日本全国で開始された認可保育園の入所可否発表。
それによる、とあるブログが話題になりましたね。
私もそのブログが書かれた時期を同じくして、息子の保育園の「利用不可」通知をいただきました。
「利用不可」の文字を見たあの瞬間を、私は一生忘れないと思います。
私があのブログを書いたのではないですが、ブログを読んで、
その気持ち、ものすごく分かる!!!!と頭がもげそうなくらい頷きました。
我が家は現在、通える範囲で唯一の認可外保育園に(ギリギリで)申し込み、
とりあえず4月からの行き先は確保しつつ、欠員調整の二次結果待ちという形です。
あと、自治体へは利用不可通知に対する「異議申立て書」を提出しました。
これで加点されるわけでも必ず入所できるわけでも無いですが、
「その結果に納得できません」というこちらの意見を、
法律に則した形で“捺印した書面”で行なうことは意味があると思いましたので…。


現在Twitterで「#保育園落ちたの私だ」というタグがものすごい勢いで拡散しています。
私はブログPC版で左に表示されているTwitterアカウント以外に
育児アカウント@Happy_NEWS_915をやっており(HNは変えてますが)、
そこからこのタグに関する発言もしています。
発端は国会での総理の発言と総理と同じ党と思われる議員からの野次のようですが、
タグを見ていると今回「不承諾」となった当事者以外にも、
かつて同じ立場だった人、周囲に同じ立場となった友人知人がいる人、
これから同じ立場になるかもと懸念している人など、
様々な人が「これは他人事じゃない」と関心を寄せていることが分かります。
実名での署名活動やデモという話も出ているようです。

私も国会での発言や野次には怒りを感じた1人です。
「待機児童問題」はここ数年で広がった問題ではなく、
軽く10年以上、いや、もっと前から問題視されていたはず。
なのに、まるで他人事のような発言に聞こえたからです。
確かに話題になったブログは匿名です。Twitterも匿名(中には本名の方もいますが)。
私が書いているこのブログも、HNを使っている以上、匿名です。
しかし、書かれていた内容は「あからさまな嘘」と言うものではなかったはず。
現に、多くの人が「私も保育園入所不可の通知を貰った」と声を上げている訳ですし、
これまでだって上げてきたはず。
匿名で書かれたものであっても「一国民の声」ではないのでしょうか。
(極論を言うなら、選挙だって“匿名”ですし…)
そして、何年も前から問題になっているにも関わらず、
何の進展も無いどころかますます悪化しているようにも感じる部分が
今回騒ぎになっている1番の原因のように思えます。
保育園は自治体による所も大きいですが、国としての対策も必要なのではないでしょうか。
特に、良く言われる下記2点。
「保育園に申し込むには仕事が決まっていないといけない。
でも、仕事が決まるためには保育園を確保していないといけないという矛盾」
「早生まれの子供は0歳4月には入所できないという問題」
この2つは国として何とかしないとどうにもならないでしょう、、と思います。

ただ、私はこの問題に関しては現政権だけの責任ではないと思います。
前述したように、何年も前から取り沙汰されていたものだからです。
その時々の政権で何もして来なかった、その結果が現在なのでしょう。
ですが「#保育園落ちたの私だ」タグが拡散されると共に、
少し政治的な偏りというか、便乗というか、
何となく別の目的を感じる発言が増えてきたようにも思えます。
現政権を降ろそう、という流れ。
いつの間にかそこへ視点がすり替えられ、
肝心の問題に関しては解決しないまま、、となるのではと勘ぐってしまいます。
私も現政権は否定的な目で見ていますが、
しかしこの問題は政権がどうのとかではなく、
他政権へ変わったから良しということでは到底なく、
与野党の垣根を取っ払うくらいの気合いで取り組んで欲しい問題だと思っています。
保育園だけではなく、介護や障がい者支援など
「福祉」に関する支援策がこの国は脆弱すぎる。
保育士や介護士の仕事をあまりに軽視しているようにも感じます。
誰もがかつて子供であり、いつかは老人になる。
明日何らかの障がいを背負うかもしれない。
そこを掬い上げるのが「福祉」であり、
「明日は我が身」と考えなくてはいけない問題だと私は思っています。

私が思う保育園の究極の理想は、
正社員フルタイム時短パートアルバイト自営業フリーランスも区別なく、
家庭の事情も専業・兼業も関係なく、
「その時必要と感じた誰もがすぐに保育園を利用できること」だと思っています。
核家族化が進み、夫は激務で頼れる時間は少なく、
日中は母子2人きりの密室育児となる家庭は多いはず。
育休中や、専業主婦の方は3歳くらいまでこの状態が続きますよね。
父親の育児参加や、男性も育休が取れる・取りやすい環境が整えば良いですが、
(あと男性の意識改革も!!まだまだ「育児や家事は女性の仕事」と考える人が多い…)
それがなかなか進まないのも腹立たしい。。
子供は可愛いけれど、常に一対一というのは、精神的にも相当削られます。
二人目以降の方はニ対一、三対一だったりして、余計大変。
そんな時に、ちょっと数時間子供を預かってもらって、カフェで一息したり。
やんちゃな子供に荒らされまくった部屋を片付けたり。
夜泣きでクタクタな身体を休めたり。
それは全ての親に必要なことではないかなと思います。
月保育はもちろん、一時保育も充実を。
その為には保育園の数を増やし、保育士の数を増やす。
保育士の基本給与等の待遇も改善する。
騒音(子供の声が騒音というのも悲しいですが)や
建設できる土地がないというのもありますが、
何とか少しずつでも、受け皿となる場所が増えて欲しい。
最近多い虐待のニュースも、親の精神的余裕が確保されることで随分と減らせるはず。
そして保育園だけでなく、介護施設と介護士を増やすことや障害者支援施設を増やす。
そうすることで、介護で追い詰められて要介護の親を殺してしまったり、
障がいを持った子供の将来を憂いて心中したりという
日常茶飯事に報道される哀しい事件を減らすことに繋がるのではないでしょうか。


そしてもう一点、現在の保育園事情で気になることが、
「保育園に入ること」が第一目的となってしまい、
“保育園を選ぶ”余裕が全くないことです。
保育園にも特色があります。
認可保育園の中でも私立は特に、経営者の理念が色濃く反映されています。
認可外保育園でも、狭いビルの一室に何人も詰め込まれ…という論外な園もある一方で、
認可保育園には無い、色んなカリキュラムが考えられてる園も。
(我が家が申し込んだ認可外保育園も週1回 「英語の日」があるとか。。
丸一日、派遣されてくる英会話の先生と過ごして、
0歳児から英語に触れるのだとか。すごい。。)
ですが、今はもうとにかく入れるならどこでも良い!と、申し込み用紙には
通える範囲の保育園を手当たり次第書けるだけ書いて…となっているのが現状です。
でも、保育園で1日の大半の時間を過ごすのは、自分ではなく我が子。
いざ入ってみて、色んな意味で我が子に“合わない”園というのも、
当然ながら出てくるのでは?と思います。
しかし、合わないからって気軽に転園できる状況ではない。
となると、子供に我慢させるか、仕事辞めるかの2択、、ともなり得ます。
(もしくはいつ通るか分からない転園希望を出す、、とか)
私も、通える範囲の保育園を色々と調べていた際に
掲げている理念にどうしても賛同できない園がひとつありまして。
申し込みの時はその園は外していたのですが、利用不可通知が来た後、
二次調整の候補にそこを入れるかどうか、本当に悩みました。
希望する園の数が多ければ多いほど、
欠員が出た際に認可園に入所できる確率は高くなるからです。
でも万が一、二次でそこに決まった場合を考えると、
贅沢なことかもしれませんが敢えてその園は候補から外したままにしておきました。
(その時点で、認可外に申し込めていたのもあったとは思いますが…)
合わなくて何らかのトラブルになった場合でも、色んな意味で不利なのはこちら側な訳ですし。
そういう意味でも、“選ぶ”余裕というのは欲しいと思います。
学校だって、会社だって、誰でも最初は“選択”しているのですから。


徒然と書き連ねてきましたが、
自分が「利用不可」通知を受け取って初めて実感した部分も多いです。
考えが甘かった部分も沢山ありました。
でも本来、「保活」と呼ばれる色んな活動をしなきゃいけない方が不自然なんですよね。
そして、入所出来なかったことに関して
親の怠慢だとか自己責任だとかいう意見は的外れも良いところ。
ましてや、「入りやすい土地に引っ越せばいい」だの
「出産月を考えて妊娠しない方が悪い」
「仕事をする方が悪い。3歳までは親が育てるのが1番」などは暴論だと思います。
(3歳までは~に対する暴論というのは、巷で言う「三歳児神話」に関してです。念のため。
各々の家庭で「父母どちらかが仕事をせずに育児に専念」と決めたことに関しては
何の問題も無いですし、どうこう言うつもりもありません)
児童福祉法でも定められている通り、
「誰でも入れるのが当たり前」が本来のあるべき姿だと思います。

この過熱しているムーヴメントが政治にどう影響するかは分かりませんが、
少しでも良い方向に行けばと願ってやみません。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2月の読書データ | トップ | 桜井さん、おめでとうござい... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんとだね (ちか)
2016-03-09 15:38:39
今回の記事、いまの私たち働く親の思いを的を得て書いてくれてるね!
とっても共感します。ありがとう!

うちは第一子、もう3年半前になるけど保活という言葉も無い頃で。
でも保育園決まらないU+21C4仕事決まらない、っていう無職だったからね。
当時通ってた園のママ先生も、じつは保活難民で、この悪循環に困り果てて考えついたのが子連れ出勤オッケー保育園での保育士だったって!
みんな苦労してるよね。

さくやちゃんも春からの新生活も忙しくなるだろうけど、励ましあいながら頑張ってこうね!!
返信する
ごめん! (ちか)
2016-03-09 15:40:11
双方向矢印記号が変な文字になって、失礼しました!
返信する
☆ちかちゃん (さくや)
2016-03-10 00:54:36
コメントありがとう♪
「働く」って特別なことでも何でもないのに、何故こんなに必死にならなきゃいけないんだろうね(ー ー;)
ちかちゃんの経験もだし、その保育士さんも子連れ出勤OKの所が見つからなかったら仕事辞めざるを得なかったわけで。。
保育園に預けてからも、病気だ何だと仕事との兼ね合いを考えながら綱渡りな日々になるのだから、
せめて入園だけはスムーズにさせてー!!って言いたくなります、ほんとに…。
もっと気楽に子育てできる国になって欲しいな。

復帰後のことも不安しか無いのだけど(笑)、迷いながらも進むしかないよね。
また色々相談させてください!
返信する

コメントを投稿

雑記、日々のこと」カテゴリの最新記事