Apple Pieと月の船

さくやの日常や思ったことを気ままに綴っていきます

企業にCSRは必要か

2010年02月06日 | 雑記、日々のこと
何事かという感じのタイトルですが、
昨日大阪でおこなわれた第2回マザーハウスカレッジのタイトルです。

『カレッジ』は元々マザーハウスの社内向け研修の名称だったそうですが、
昨年から対外的にも実施されるようになり、今回が2回目。
第1回は参加出来ず、今回も気付いた時には申込み〆切を過ぎていたんですが、
昨日の朝になって若干名の空きがあるとHPで見て、急いで申し込みました(笑)

今回はゲストとしてパナソニック電工のCSRM室の方が参加されており、
パナソニックのCSR(社会貢献活動)の取組みを説明後、
マザーハウス副社長の山崎さんとのパネルディスカッション&質疑応答といった形で進められていました。

正直、今回のタイトルは私には衝撃過ぎて、一瞬「どんな内容なの??」と思いましたが、
パネルディスカッションでの山崎さんの考えを聞いて
深く納得した次第です。
それが、「社会貢献していない企業ってあるの?」といったもの。
マザーハウスは“途上国から世界に通用するブランドを作り、その国の可能性を見つける”こと、
パナソニック電工は“電気、電化製品を普及させ、快適な暮らしを世の中に送り出す”こと。
どんな企業だって何らかの形で社会に関わっており、誰かに対して貢献している(そうじゃないと発展していかない)ので、
わざわざ「CSR」という言葉を出して活動をおこなっていくべきものなのか、と。

「CSR」という言葉は、まだ出来て数年しか経っていないのですが、お2人の話を聞いていくうちに
“本業と直結しているCSR(つまり、本業そのもの)”
“一見直結していないけど、長いスパンで見れば繋がっているCSR”
“本業とは直結していないCSR”
の3つがあるのではと思いました。
マザーハウスのソーシャルアクション(と呼んでいるそうです)として紹介されたのがポイントカード制度で、
顧客が商品を購入してポイントを貯めると、商品の割引の他に1500円がそちらの活動に回されるというもの。
(詳細はHPで確認してください)
実際に、バングラデシュで起こった2度のサイクロンの救援、
ストリートチルドレンへのスクールバッグ提供の資金として当てられたそうです。
それは、一見して本業とは関係ない活動のように思えますが、
例えばスクールバッグを持った子供たちに
「このバッグは、ここバングラデシュで作られたものなんだよ」と教えることで自国に対して希望や誇りが持てる。
それが巡り巡って、マザーハウスの理念である“途上国から世界に通用するブランドを”に繋がっていく。
これが、“長いスパンで見れば繋がっているCSR”だと理解しました。
これはパナソニック電工さんも同様で、小学校に対して出前授業をおこなっているとのこと。
白熱電球とLEDを例に挙げて、明るさや持続性の比較をすると、生徒から驚きの声が上がるそうです。
それが巡って、パナソニック電工の経営理念に繋がっていく。
これまで「CSR」と聞いてもやもやしていたものが、すとんと腑に落ちたように感じました。

一方で、“直結していないCSR”について。
大きな企業、特にパナソニック電工のような歴史のある企業だと、
創業当時は“電気を普及させる”ことそのものが“社会貢献”だったわけですが、現代では電気はあって当たり前。
“長いスパンでのCSR”もすぐに結果が見える形で示されるわけではなく、
大きな名の知れた会社であればあるほど、もっと他の、
プラスαの部分で“社会貢献”をしていかないと生き残れない形になってしまっているのかな、と思います。
それが最近の植林やら環境活動やら寄付やらになって、
一般的にそれが「CSR」と呼ばれてしまっているのかなと感じました。
私も所謂名の知れた企業に勤めていますが(一工場だけど)、毎年「CSR報告書」が本社から届きます。
近隣の他の会社からも同じような報告書が届くのですが、
猫も杓子も…って感じで同じようなことが書いてあるんですよね。。。(^^;)
一般的にそれを乗っけてた方が印象が良いからかな、って思うんですけども、
もっと“その企業にしか出来ないこと”に重きをおいて報告書を作っても良いんじゃないかと思うんですよ。
質疑応答でパナソニック電工の方に対して、それに関する質問が出ていました。
それに対して、Web上で色んなCSRについて、それこそ100ページ以上も報告を載せているそうですが
それを全部報告書に記載することは出来ない。
だから抜粋して乗せて、こういう形になってしまっているんです、というお答えでした。
会社の規模が大きければ大きいほど、そうなってしまうんでしょうね。。。
今は「CSR」という言葉が一人歩きしているような状態で、世間の人が本当の意味で「CSRとは何か」を
まだ知らない状態なんじゃないかと思います。
それが広まれば、もっと“その企業にしか出来ないCSR”が取り沙汰されるようになり、
良い意味での企業の差別化が図れるようになるんじゃないかなぁ、と感じます。


ものすっごく勉強になった2時間でした。
時間が短すぎる~!って思ってしまった(笑)
第3回も実施する予定だそうなので、また時間を作って参加したいと思います!
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