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血流が良くなると心の悩みまで解消する、は本当か

2020-12-14 20:05:15 | 日記

下記の記事は日経電子版からの借用(コピー)です

深夜1~3時に血はつくられる
――「血流たっぷり」な状態になるには「1週間夕食断食」が有効なことはわかりました。食事以外ではどうでしょうか。多忙でなかなか十分な睡眠がとれない人も多いですが、睡眠の質を高める方法は?
漢方では、夜0時をはさんだ2時間は体の陰と陽が入れ替わる時間で、この時間に眠っていることが重要とされます。陰陽がうまく入れ替わって初めて、その後深夜1~3時に血がつくられます。ですから夜は11時までに寝るのが理想です。
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血がつくられる深夜1~3時に寝ていることが大事(c)subbotina-123rf
もっとも、仕事の関係などもあってなかなかこの時間には眠れない人は多いでしょう。毎日規則正しいリズムで体調が悪くないのであればもう少し遅くてもよいですが、不調を直したいのであれば、睡眠はぜひ見直してください。
とはいえ、血が足りない人はなかなか寝付けない人も多いのが現状です。血がつくられるはずの深夜1~3時に深く眠れていないと、それがさらに血流不足を招くという悪循環に陥りがちです。血が足りない人は熟睡できず、眠りが浅いせいか、夢を多く見るのも特徴です。
こうした悪循環を断ち切るためには、やはり1週間夕食断食などで胃腸を元気にして血をつくることも大切ですし、睡眠リズムという点では、朝日を意識的に浴びることも重要です。できれば朝起きたらいったん外に出て浴びるのがよいでしょう。日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜に睡眠ホルモン(メラトニン)が分泌されて睡眠に入りやすくなります。
――血流を良くするためには運動も効果がありますか?
もちろんです。走った後やヨガをした後などに、すっきりしたという経験はないでしょうか。これが、血流が良く脳もクリアな、本来のいい状態です。運動すれば、心臓が血液を送り出して、足の筋肉ポンプと、呼吸のポンプで心臓に血が戻るという循環が行われるので、血流が良くなります。
ウォーキングでもヨガでも何でもいい。運動は血流をよくすることにつながる(c)Sergejs Rahunoks-123rf
運動する時間がなかなかないという人は、「ドローイン」と呼ばれる、おなかを引っ込めてインナーマッスルを鍛える方法を日常で気づいたときに実践すれば、内臓を正しい位置に収めることができ、胃腸のはたらきを整えて血をつくることにもつながります。
また、呼吸も大切です。ヨガや太極拳などは呼吸も大きく深いので、横隔膜がつくる圧力が大きくなり、静脈の血流が良くなります。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなど脳内の神経伝達物質も血流によって左右されますので、深い呼吸で脳波もゆるやかになって、脳のストレスが低下し、気持ちもリラックスします。
「マインドフルネス(瞑想[めいそう])」など、大きく深い呼吸を日ごろから意識するのもよいですね。私がおすすめしているのは、1回の呼吸で腹式呼吸と胸式呼吸を同時に、しかも「吸う:吐く」を1:2で行う「完全呼吸」です。1日のうちにいつ、何度やってもよいですし、寝る前に完全呼吸をすると眠りにも入りやすく、取り入れやすいと思います。
――血流が増えて体調が良くなることを実感するにはどのくらいの時間がかかりますか?
不足の程度にもよりますが、一つの目安は4カ月です。というのは、赤血球が骨髄で生まれて全身を巡り、最後に脾臓(ひぞう)で壊されるまでが120日、すべての血液が新しく生まれ変わるのに4カ月かかるからです。
血流を良くするときに大切なのが、「つくる・増やす・流す」の順番を守ることです。胃腸の調子が良くないと、そもそもの血をつくることができませんので、まずは食事改善から取り組んでください。
最初の1週間は夕食断食で胃腸を丈夫に、2週目からは夕食は普通にとるようにして睡眠改善に取り組み、3週目からは運動などの生活改善も取り入れ、4カ月集中して血流改善生活を送るのがおすすめです。
しかし、4カ月たたないと変化が起きないわけではなく、その間、日々着実に体は変わっていきます。血流が良くなれば、さまざまな不調が解消され、体も心も、勝手に良い状態になっていきます。
心も生活も、まずは体を整えることから
――著書では血流を良くした結果、家族との確執や心の悩みまで解決したというエピソードがたくさん紹介されていました。血流が体だけでなく心まで影響することについて、どのように考えればいいでしょうか?
一言でいえば、細胞レベルで体が元気になることが関係していると思います。
自分が1つの細胞になったとイメージしてみてください。栄養源である血がつくられなかったり、届かなかったらどんな気分になりますか? エネルギーが湧いてこなかったり、不安な気持ちになったりしますよね。
漢方においても、血をつくれなかったらやる気が出ない、血が足りなかったら不安感が高まる、血が流れなかったらイライラすると、血流は心の状態と結びつけられます。逆に血流を良くすると、細胞1個1個が健やかな状態になるから、心のベースが安定するのだと私は理解しています。
――著書の中で「体が心を支える」という言葉が印象的でしたが、心と体は一体なんですね。
「心身一如」という言葉もありますが、体と心は最初から分けられないものなのだから、何か心の悩みがあるときも、心だけどうにかしようと頭でぐるぐる考えるより、まずは体から整えたらいいと思います。
私は体の専門家ですので、相談に来られる方に対して、体に対するアプローチをするのですが、体が良くなると、発する言葉が面白いほど変わってきます。元気になってくれば、当然、気持ちも明るくなってきます。結果的に、病気を克服したうえに心も常識や執着といったことから解放され、家族との確執や人間関係の悩みも解決する方が多いのですが、当然といえば当然ですよね。体の状態が良くなると、余裕が生まれて笑顔になりますから、心がいい状態で自分の問題に向き合うほうが解決しやすくなるのです。
カウンセリングを通じてそうした人をたくさん見てきた実感があるからこそ、心の悩みを心で解決するのではなく、ちゃんと体を整えて自分に向き合う準備をしましょうと言いたいです。そのためには、月並みになってしまうけれど「食事(食べすぎない)」「よく眠る」「きちんと動く」ことがやはり大事なんです。たとえば夕食断食をして翌日の朝、1日を楽にスタートできたら、そんなに1日中イライラして過ごさなくてよくなるのではないでしょうか。
現代は食べるものも、ストレスも、情報も、いろいろなものが過剰ですから、過剰なものをなるべくそぎ落としていくようにすると、フラットな本来の自分に戻れると思います。
(ライター 塚越小枝子)
この人に聞きました
堀江昭佳(ほりえ・あきよし)さん
漢方薬剤師・不妊カウンセラー。島根県出雲市、出雲大社参道で90年続く老舗漢方薬局の4代目。薬学部を卒業後、東洋医学・漢方の根本療法に魅力を感じ、中国の漢方医に学ぶ。血流を中心に、西洋医学・東洋医学・心理学の3つの視点からの総合的アプローチが評判を呼び、不妊症、うつ、ダイエット、自律神経失調症などの多くの女性の相談にのる。日本漢方薬膳協会の理事にも就任し、漢方薬膳の知識を広める活動も行う。



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