男と女が出逢う。恋が芽生える。
けれども、どんなに相思相愛に
見える関係でも、ひとは同じ量
で愛し合うことは絶対にないの
だという。
どちらかがより多く愛し、どち
らかはより少なく愛するのだ。
別の言い方をすると、愛する役割
のほうと、愛される役割に、ほと
んど出逢いの最初の瞬間にわかれ
てしまう。
より多く相手を思っているほうが
愛する役割となるわけだ。
役割の傾向はつねに決まっている
のかと思うと、そうでもない。
自分自信の過去の恋愛を振り返っ
てみて、あのとき愛されるほうだ
った、しかし次のときには完全に
私がより多く愛する役割を演じて
いたと、思いあたる。
相手によってちがうわけだった。
私はどちらかというと、愛する
役割のほうをよけいに体験した
と思う。かぞえきれないほどの
片思いをのぞいての話。
相手はひたすら愛されて、いい
気持ちで、少し重荷で、安心しき
っていて、だんだん傲慢度をくわえて
いき、いよいよ冷淡になる。
相手のなかに理不尽な冷淡さがチラ
チラみえだすと、恋愛―――
少なくとも私自信の―――は、急速
に終わりに向かう。
あなたの愛の天秤は・・・!?
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