5月20日の、ねつ造調査報告書が出されてもう3カ月以上が過ぎた。
しかし、最終的な報告書はまだ出ていない。
そもそも民軍合同調査団は解散して久しい。
なぜこのように報告書の発刊が遅れているのであろうか。
その理由は考えるまでもない。
天安艦沈没事件は、どのように記録され記憶されるのであろうか。
私たちは、この事件を決して風化させてはならない。
by maneappa
・……………………………・
ハンギョレサランバンから転載
2010年09月03日
[朝の陽射し] 今日も‘天安艦報告書’を待つ/キム・ポグン
キム・ポグン スペシャルコンテンツ部長
もしやと思って今日も<天安艦報告書>を待つ。だが‘やはり’だ。国防部はこの報告書発刊を何回も延期したあげく、8月末の配布を予告した。ところが9月が始まったのに未だ出てこない。間もなく出るはずという言葉が再び飛び交うが、正確にはいつ出てくるか誰も分からない。
この報告書を待つ最も大きな理由は、よじれた韓半島情勢に対する遺憾のためだ。南と北は現在、お互いに背を向けたまま各々同盟国の米国と中国に向かって走り寄っている。先ず韓国は、米国にぶらさがる様相だ。国連安保理を通じた対北韓制裁に失敗するや米国側に独自の対北韓制裁を強く要請したと伝えられている。李明博政府は、国連に続き米国からも敬遠されれば保守支持層間で立場を失いかねないと判断したようだ。ところが、これに対する米国の請求書が侮れない。自動車・牛肉、アフガニスタン派兵、イラン制裁など、支払わなければならないものが多い。
北韓にしても変わらない。金正日国防委員長の最近の長春・ハルビン訪問は中国の東北3省振興戦略に積極的に協力するという意志表示だ。2002年から本格化したこの振興戦略がきちんと作動するには北韓を原材料および労働力供給のための‘下位パートナー’とみなすことが大変に重要だ。だが、この間 北韓は積極性を示さなかった。北韓が成し遂げようと考える‘強盛大国’が、せいぜい東北3省の下位パートナーであるはずがないためであろう。北韓はまた、何年か前まで韓国との経済交流、米国との関係正常化、対日修交時に入ってくる賠償金などの種々のカードも持っていた。李明博政権の登場と共に、こういうカードの有用性が大きく下落し、ついに天安艦事件で使い途がないことになってしまった。南北は、2つの強大国の磁場に急速に引き付けられながら、このように‘現在の平和’だけでなく‘未来の民族ビジョン’まで喪失している。
その核心に天安艦がある。それ以前まで南北は互いに葛藤を経ながらも疎通不能状態に陥ってはいなかった。だが、天安艦事件は首脳会談に代表される南北関係改善の可能性を大きく狭めてしまった。韓国は天安艦が北韓魚雷によって沈没したと主張し、北韓はこれを謀略ねつ造劇だと批判する。2つに1つは明らかに嘘つきだ。ところで、互いに相手方を嘘つきだと目星をつける状況で首脳会談を開くことは不可能だ。多くの人々が出口戦略を口にするが、こういう状態では出口が存在しえない。生半可に首脳会談などを出口戦略として使うならば、国民の目には欺瞞と映るだけだ。こういう追い詰められた道を穿つ唯一の出口戦略は‘真実を確認すること’のみだ。
天安艦報告書は‘本当の出口’に出て行く重要な糸口だ。国防部は報告書に合調団発表内容に対する科学的根拠等を含める予定だと話してきた。従って報告書は‘北韓魚雷説’の真偽をもう少し明確に把握できるようにするだろう。ところが国防部は実際この重要な報告書の発刊を一貫して遅らせていて、その間に国論分裂の傷はさらに深刻化した。常識的には理解しがたいことだ。
3月30日、合調団が結成され天安艦事件に対し結論を下すのにかかった期間はわずか一月半月を少し越えただけだ。反面、発表日から今日までは何と3ケ月半になりつつある。実際に重要判断はいい加減に片づけ、それを整理する報告書発刊は過度に遅滞しているという批判を自ら招来しているのだ。
政府は今からでも天安艦報告書を一日も早く出さなければならない。そして報告書は徹底的に国民検証の試験台に上がらなければならない。この報告書が今後の検証の中で生き残れるのか、あるいはキム・テホ総理候補者のように各種疑惑を加えただけで沈没してしまうのかは分からない。だが、真実を確認することだけが国論分裂の傷を解消する解決法であるので、今日もまた天安艦報告書を待つ。凍りついた韓半島の出口を探す心で。
キム・ポグン スペシャルコンテンツ部長 tree21@hani.co.kr
原文: http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/438011.html 訳J.S
しかし、最終的な報告書はまだ出ていない。
そもそも民軍合同調査団は解散して久しい。
なぜこのように報告書の発刊が遅れているのであろうか。
その理由は考えるまでもない。
天安艦沈没事件は、どのように記録され記憶されるのであろうか。
私たちは、この事件を決して風化させてはならない。
by maneappa
・……………………………・
ハンギョレサランバンから転載
2010年09月03日
[朝の陽射し] 今日も‘天安艦報告書’を待つ/キム・ポグン
キム・ポグン スペシャルコンテンツ部長
もしやと思って今日も<天安艦報告書>を待つ。だが‘やはり’だ。国防部はこの報告書発刊を何回も延期したあげく、8月末の配布を予告した。ところが9月が始まったのに未だ出てこない。間もなく出るはずという言葉が再び飛び交うが、正確にはいつ出てくるか誰も分からない。
この報告書を待つ最も大きな理由は、よじれた韓半島情勢に対する遺憾のためだ。南と北は現在、お互いに背を向けたまま各々同盟国の米国と中国に向かって走り寄っている。先ず韓国は、米国にぶらさがる様相だ。国連安保理を通じた対北韓制裁に失敗するや米国側に独自の対北韓制裁を強く要請したと伝えられている。李明博政府は、国連に続き米国からも敬遠されれば保守支持層間で立場を失いかねないと判断したようだ。ところが、これに対する米国の請求書が侮れない。自動車・牛肉、アフガニスタン派兵、イラン制裁など、支払わなければならないものが多い。
北韓にしても変わらない。金正日国防委員長の最近の長春・ハルビン訪問は中国の東北3省振興戦略に積極的に協力するという意志表示だ。2002年から本格化したこの振興戦略がきちんと作動するには北韓を原材料および労働力供給のための‘下位パートナー’とみなすことが大変に重要だ。だが、この間 北韓は積極性を示さなかった。北韓が成し遂げようと考える‘強盛大国’が、せいぜい東北3省の下位パートナーであるはずがないためであろう。北韓はまた、何年か前まで韓国との経済交流、米国との関係正常化、対日修交時に入ってくる賠償金などの種々のカードも持っていた。李明博政権の登場と共に、こういうカードの有用性が大きく下落し、ついに天安艦事件で使い途がないことになってしまった。南北は、2つの強大国の磁場に急速に引き付けられながら、このように‘現在の平和’だけでなく‘未来の民族ビジョン’まで喪失している。
その核心に天安艦がある。それ以前まで南北は互いに葛藤を経ながらも疎通不能状態に陥ってはいなかった。だが、天安艦事件は首脳会談に代表される南北関係改善の可能性を大きく狭めてしまった。韓国は天安艦が北韓魚雷によって沈没したと主張し、北韓はこれを謀略ねつ造劇だと批判する。2つに1つは明らかに嘘つきだ。ところで、互いに相手方を嘘つきだと目星をつける状況で首脳会談を開くことは不可能だ。多くの人々が出口戦略を口にするが、こういう状態では出口が存在しえない。生半可に首脳会談などを出口戦略として使うならば、国民の目には欺瞞と映るだけだ。こういう追い詰められた道を穿つ唯一の出口戦略は‘真実を確認すること’のみだ。
天安艦報告書は‘本当の出口’に出て行く重要な糸口だ。国防部は報告書に合調団発表内容に対する科学的根拠等を含める予定だと話してきた。従って報告書は‘北韓魚雷説’の真偽をもう少し明確に把握できるようにするだろう。ところが国防部は実際この重要な報告書の発刊を一貫して遅らせていて、その間に国論分裂の傷はさらに深刻化した。常識的には理解しがたいことだ。
3月30日、合調団が結成され天安艦事件に対し結論を下すのにかかった期間はわずか一月半月を少し越えただけだ。反面、発表日から今日までは何と3ケ月半になりつつある。実際に重要判断はいい加減に片づけ、それを整理する報告書発刊は過度に遅滞しているという批判を自ら招来しているのだ。
政府は今からでも天安艦報告書を一日も早く出さなければならない。そして報告書は徹底的に国民検証の試験台に上がらなければならない。この報告書が今後の検証の中で生き残れるのか、あるいはキム・テホ総理候補者のように各種疑惑を加えただけで沈没してしまうのかは分からない。だが、真実を確認することだけが国論分裂の傷を解消する解決法であるので、今日もまた天安艦報告書を待つ。凍りついた韓半島の出口を探す心で。
キム・ポグン スペシャルコンテンツ部長 tree21@hani.co.kr
原文: http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/438011.html 訳J.S