ホストへ貢ぐため、売掛して身体を打ってそれでも足りなければ外国へ
飛ばされるとかって。
それは1990年代、サラ金の取り立てに追われて逃げ切れなかった人達の行く末に
何処か通じるものを感じる。
あの時はたまたま住んでいたマンションの同じ階に取り立て追われる人が住んでおり
それこそ息をひそめて引きこもっていた。
取り立て屋は丁寧な言葉でノック、チャイムを繰り返していたが数日後には扉に
仕掛けがしてあって開けたら分かる仕組みになっていた。
すでにバブルも崩壊して地上げ屋も減っていたが代わりに取り立て屋が跋扈していた時代。
当時はメーリングリストなるものがネットである程度影響力を持っており、私は情報収集の為に
幾つか参加していた。
悲惨だったのは生活困窮の集ったメーリングリストの中身。
借金に追われ、困り果てた人が「…遠洋漁業へ行って来る事になりました。皆さんどうもありがとうございました」と
書き記していた事。 私はその意味を知っているが他の参加者達は「良かったですね、元気で稼いできて下さい」と
激励の言葉が連なっていた。 勿論、善意での書き込みだと言う事は十分伝わって来たがそれだけに余計残酷さが際立つ。
極寒の北の海、深夜のデッキでの作業。シケだと足元も定まらず、慣れない初心者には悲惨な末路がみえている
暗闇の中、誰も助けてくれずに寒さと苦しさにあえいだ魂にどうか救いの手が差し伸べられている事を祈る