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スギ花粉に舌下減感作(ぜっかげんかんさ)療法

2014年02月22日 | 冬ネタ

スギ花粉が飛散を始めるシーズンがやってきた。症状が出る前の今頃から薬を飲み始める(初期療法)と、飛散がピークを迎えても症状を軽く抑えることができる。だが、それでも毎年つらい状態なら、花粉症を根治する「舌下減感作(ぜっかげんかんさ)療法」を検討してみてはどうか。

 【改善率は70%】

 舌下減感作療法は、スギ花粉症への抵抗力を強くするために花粉エキスを舌下に投与して免疫を作る療法。国内では大学病院や一部のクリニックで行われている。

 専門外来をもつ都筑メディカルクリニック(横浜市)の斉藤正峰院長が説明する。

 「まずは内服薬や点鼻・点眼薬による対症療法をやって、それでもつらい症状が取れない重症の患者さんに行う治療法です。治療期間が3年、現時点では保険適用外で費用もかかるので軽症の人では続かない。改善率は一般的に70%といわれています」

 同院の過去約500症例の治療成績では、6割が完治、3割は症状がかなり軽減、1割は効果が出ないという。

 【濃度を徐々に上げる】

 重症の花粉症の場合、鼻や目の症状よりも、強い全身症状によって生活に支障が出てくる。

 「倦怠(けんたい)感が強く、布団から出られない人もいます。眠気の副作用が少ないとされる第二世代の抗ヒスタミン薬を飲んでも、眠気が強く出て、かえって悪くなる。こういう人は時間をかけて舌下減感作療法で治すしかありません」

 原因がスギ花粉かどうかは血液検査、皮下テストで確認する。治療の手順は、重症度に合わせて濃度を調節した花粉エキスを処方してもらう。それを1日3回、目薬を点眼する要領で舌の下に垂らし、2分間待った後に飲み込むだけ。

 「1日目から4日目まで1摘ずつ増やしながら4摘になったら維持する。そして、月1回の通院ごとにエキスの濃度を上げていきます」

 副作用は少なく、あっても舌のシビレ感や軽い花粉症の症状ぐらいだ。

 【根治はぜんそく予防にも】

 治療効果は、翌年のスギ花粉シーズンに判断して、継続を検討する。早い人では、3-4カ月で症状が出なくなる人もいるという。

 「1年で症状が出なくなって止めてしまうと、4、5年後、再発しやすい。データでは3年続けると効果が一生持続すると報告されていて、根治には少なくても3年は必要です」

 花粉エキス代は、同院の場合で月約2万円。スギ花粉症にしか効果がないので、高いか安いかは患者次第だ。

 「WHOがこの療法を推奨しているのは、花粉症はぜんそくの予備軍とされているからです。花粉症の根治は、将来的なぜんそく発症の予防になります」