2014年春、約450店舗のうち75店舗を入れ替えたり、改装したりする大規模リニューアルを実施した「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」(千葉県船橋市)。14年度は過去最高の売り上げだった08年度の年間653億円を超える勢いだ。
同パークは、1981年4月2日、米国の巨大ショッピングセンターを参考に、船橋ヘルスセンターの跡地に日本初の大規模郊外型ショッピングセンターとして開業した。
2013年から翌年にかけて実施した大規模リニューアルでは、第1弾でデイリーニーズ・3世代ファミリーニーズを強化し西館を建て替え。第2弾ではファッション・都市型ブランドの集積を強化。インターナショナルブランド、有力セレクトショップを充実させた。
そして、第3弾では、ヤングを強化した「トレンドスクエア」ゾーンを立ち上げ、20代女性をとりこむファッションや日本初出店の雑貨ショップなどを充実させた。
リニューアルにあたって全ての店をクローズするわけにはいかず「お客さまに安全にご来店頂く環境をいかに保ち、そしてそれをどうリニューアルオープンにつなげるか、困難な条件だった」(商業施設運用部アセットマネジメントグループ、岡元隆徳さん)。
オープンしているエリアの環境は騒音や嫌なにおいを感じさせないよう常にベストである必要がある。その一方で、搬入は客のいないわずかな時間帯に一斉に行われた。限られたスペースと限られた時間と人員の取り合い。混乱なく終えるまで、岡元さんらの緊張は続いた。
リニューアルオープンに向けて、岡元さんらは、30年以上にわたる施設の歴史やリニューアルの見どころをまとめた「ファクトブック」をマスコミに配布し、あらゆる取材のあらゆる切り口に対応し、話題を盛り上げた。
13年12月、駅をひとつはさんだ湾岸地区にある巨大ショッピングセンターがグランドオープンした。商圏が一部重なり、湾岸エリアの激しい集客争いとライバル視する報道が増えた。岡元さんはそれさえ話題としてとらえ、「先方が(体験や関係、サービスなどの)コト消費を打ち出すのに対し、こちらはあえてトレンドとファッション性を打ち出した」(同)。
その結果、午前と午後に分けて両施設を回遊する客の流れができ、大幅な客数増につながった。
岡元さんは「経年優化」という言葉を使い、常にトレンドに適応し、時がたつにつれて魅力を増す施設になるよう努力し続けていくことが、これからのショッピングセンターに大切だという。 (村上信夫)