868) 私的岩手通史の旅 第53回

　連日のお天気ネタですが、「乾燥注意報」というのはただ空気が乾いているからだけでなく、建物の湿気等も勘案して発令されるそうです。乾燥注意報が続く中で火災が起こると、建物も乾燥しているのでより火の回りが速いそうです。改めて「火の用心」でございます。


第53回　徳丹城建設（矢巾町）

　803（延暦22）年、坂上田村麻呂は「造志波城使」として志波城を築きましたが、以前触れましたとおり度々水害に遭いました。そのため812（弘仁３）年頃、東北38年戦争の終結を宣言した按察使の藤原緒嗣（ふじわらおつぐ）は、志波城より南へ10キロ下った場所に城を移しました。徳丹城（とくたんじょう）です。

　徳丹城跡は盛岡市南隣の矢巾町の北上川右岸にあり、現在は城跡の中央を国道４号線が南北に走っています。戦後間もない1947（昭和22）年から発掘調査が行われ、外郭は一辺約360メートルで、胆沢城（同670メートル）や志波城（同840メートル）よりも小さいことが明らかになっています。発掘調査は半世紀以上経った平成の御世まで続いています。

（徳丹城イメージ図　－矢巾町西徳田 2010/02/27－）

　城と言っても以前ご覧いただいた多賀城や胆沢城と同じく、戦いの場所というよりは行政の場所でした。ご覧いただいたイメージ図は俯瞰したものですが、城跡を走る国道４号線に歩道橋が架かっているのでちょっと似たような風景を実際に眺める事ができます。

　ただ足元の国道４号線では車が高速で行き交っており、城跡に気づかない人も多いことでしょう。私も数年前に国道４号線を日本橋から青森まで走破した時は走るのに夢中で、城跡に全然気づきませんでした。

（徳丹城跡はこの辺りです）


2010年02月03日の一品・・・633)栃木散歩　日光市(冬晴れの男体山)
2009年02月03日の一品・・・445)盛岡散歩　盛南地区遠望
2008年02月03日の一品・・・168)栃木散歩　宇都宮市３(白い県都)