I川君よ、君との縁も長いなあ。「我事において後悔せず」が口癖だったねえ。学生時代から。
城を構えて25年たったよね。相変わらず義に篤い君は変わってないよね。うれしいよ。
拙者も25年江戸へ登って今を生きておる。「自己に忠実に」は変わっていない。
様々な先人たちとの出会いは波乱万丈である。
名ある先人には実のあるもの、からっぽなもの様々であった。
しかして「強い胃袋をもて」とさとしてくれた情深い先人からの言葉には程遠い。
山本勘助は浪人より軍師となった。
年月を重ねると洞察に惑う挙動が多くなる。見えているのに正直さが愚考を生ずる。
慢心も驕りもない。でも臆病にはなっている。
唯一の光明とかに安堵を得ている自分が恥ずかしくもある。向こう岸のことは宗教にまかせて
そう思う今日この頃である。今日が大事。