悠々ファーム せなりー

つがるの古都弘前市 四季折々の美しい自然の中で育まれている りんごっこ情報をお届けします。

果物と野菜の摂取が骨を強くする

2009年03月03日 | 健康・病気

 アメリカ、タフツ大学などの研究チームは、果物や野菜を多く摂
取するとアルカリ度が上がるため、骨からのカルシウムの損失が抑
えられるので骨が強くなると「臨床内分泌学・代謝雑誌」のオンラ
イン版に発表しました。

 タンパク質は筋肉や骨に必須の栄養素ですが過剰になると体内で
酸性物質が増加するため、中和に必要なカルシウムが骨などから失
われると考えられています。

 研究では50歳以上のボランティアを対象として、タンパク質の摂
取量と炭酸水素カリウムとの関係を解析しました。その結果、炭酸
水素カリウムは尿タンパク質の排泄を抑えるだけでなくカルシウム
の吸収を促進することが分かりました。

 以上の結果から研究者らは、カリウムなどミネラルを豊富に含む
果物や野菜の摂取は骨の健康に必要で、体内の酸とアルカリのバラ
ンスを保つために大切な食品であると述べています。

【文献】
Ceglia, L. et al.: Potassium bicarbonate attenuates the urinary
nitrogen excretion that accompanies an increase in dietary protein
and may promote calcium absorption. J. Clinic. Endocrinol.
Metabolism. Online Dec. 2. (2008) [doi: 10.1210/jc.2008-1796]

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糖尿病専門医に紹介したくだものの働き

2009年02月21日 | 健康・病気

肥満は、メタボリックシンドロームの危険因子で、かつ、2型糖
尿病、高脂血症、高血圧、ガンなどの生活習慣病を誘発します。食
べ過ぎが長期間にわたると肥満になるため、肥満解消に摂取カロリ
ーを減らすことが推奨されています。しかし、無理なカロリー制限
は、空腹感に悩まされ長続きしません。最近の研究から、人が食事
を止めるのは満腹感が得られたときだと分かりました。満腹感を感
じるのは、摂取した総カロリー量に比例するのではなく、摂取した
食品のボリューム(体積)と関係することが分かりました。そのた
め、ダイエットには、カロリーが少なくて、重さに比べてボリュー
ムが大きく、水分や食物繊維を多く含むリンゴなど果物が優れてい
ることが分かりました。

 ボリュームを増やす最も効果的な成分は食品に含まれている水と
食物繊維です。水はカロリーを増やすことなくボリュームを増やせ
ます。また、立体的な三次元構造を持つ食物繊維は、水を吸収する
とゲル化しボリュームが非常に大きくなります。例えば、リンゴの
食物繊維は水を吸収すると体積が12~38倍にも大きくなります。こ
のように食物繊維は、ボリュームを大きくする力が強いため、相対
的に摂取カロリー量を減らす働きがあります。

 果物には食物繊維が豊富に含まれています。例えば、リンゴには
水溶性食物繊維が0.6g/200g、不溶性食物繊維が2.4g/200g、合計で
3.0g/200g含まれています。カロリー当たりで比較すると、食物繊
維が多いと考えられているサツマイモやジネンジョよりも豊富です
(表)。

表.カロリー当たりの食物繊維含量の比較
--------------------
          食物繊維(g/100kcal)
             水溶性  不溶性  総 量
--------------------
リンゴ       0.6       2.2     2.8
サツマイモ    0.4       1.4     1.7
ジネンジョ    0.5       1.2     1.7
--------------------

 リンゴ丸ごと、リンゴのピューレ、リンゴジュースを用いた比較
試験から食品中の水分・食物繊維と満腹感との関係が明らかになり
ました(文献1)。食物繊維を2.9%含むリンゴを丸ごと食べたと
きの満腹感は、食物繊維の三次元構造が崩れたピューレや食物繊維
をほとんど含まないジュースよりも高いことが分かりました。

 また、アメリカで行われたUSDAの疫学調査によると、肥満の男性、
女性は、ともに果物の摂取量が少なく、標準体重の人は果物を多く
摂取していました(文献2)。さらに、南カリフォルニア大学など
の研究チームが行った研究では、標準体重の人は太った人より果物
の摂取量が多いことが分かりました(文献3)。また、果物の摂取
量と体脂肪とは逆相関があることも明らかになりました。一方、肉
類の摂取量が多い人は男女とも太っていました。また、野菜の摂取
量は標準体重の人と肥満の人の間に有意な差は認められませんでし
た。こうした研究の結果は、肥満予防には果物の摂取が有効である
ことを示しています。

 このように果物の摂取量を多くして満腹感を得ながら食事バラン
スを保つとダイエット効果が高いことが分かります。ダイエットは
長く続けることが大切です。食前にリンゴなどを食べると効果的な
のは、満腹感が得られ、主食の摂取量が意識せず自然と少なくなる
ためです。

 こうした研究から、満腹感は、食物繊維の含有量、水分含量、摂
取した食事のボリュームと明確に関係することが分かりました。こ
のことは、食事のメニューに果物を加えると満腹感が高められるこ
とと、結果として摂取カロリーが減ることを示しています。

 健康的にダイエットするためには、無理をしないことが重要なポ
イントです。みずみずしくて美味しいリンゴなど果物をたくさん食
べると、肥満も解消できるので一挙両得です。

【文献】
1) Haber, G.B. et al.: Depletion and disruption of dietary fibre.
Effects on satiety, plasma-glucose, and serum insulin.
Lancet 2: 679-682. (1977)
2) Lin, B.H. et al.: Higher fruit consumption linked with lower
body mass index. Food Rev. 25: 28-32. (2002)
3) Davis, J. N. et al.: Normal-weight adults consume more fiber
and fruit than their age- and height-matched overweight/obese
counterparts. J. Am. Diet. Assoc. 106: 833-840. (2006)

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地中海式食事で病気予防

2009年02月14日 | 健康・病気

◇認知機能障害のリスク低下

 果物や野菜の摂取量が多い地中海式の食事は、軽度の認知機能障
害や、アルツハイマー病へ移行するリスクを下げると、アメリカ、
コロンビア大学などの研究チームが「神経学アーカイヴス」に発表
しました。
 地中海式食事とは、果物、野菜、豆類、穀類、魚、不飽和脂肪酸
を多く含む食事のことです。研究では、認知障害がない人約1,393
人と軽度の認知機能障害を持つ482人を対象に平均4.5年間、追跡調
査が行われました。
 調査は、被験者の食事内容と地中海式食事内容を比較し、その違
いの程度をスコア化しました。調査の結果、地中海式食事スコアが
最も低いグループ(下位3分の1)の人に比べて、スコアが最も高い
グループ(上位3分の1)の人は、軽度の認知機能障害になるリスク
が28%低く、中程度のスコアのグループの人は、17%低下することが
分かりました。また、軽度の認知機能障害からアルツハイマー病へ
移行するリスクは、地中海式食事スコアの高いグループの人ではリ
スクが48%低いことが分かりました。また、中程度のスコアのグル
ープの人でも45%減少していました。
 以上の結果から、地中海式食事内容に近いほど認知機能障害のリ
スクが低下すると結論づけています。その理由として、地中海式食
事は、コレステロール値や血糖値を下げるだけでなく全体的に血管
など循環器が健康に保たれていることや、炎症が減少することなど
が関係していると研究者らは考えています。
【文献】】
Scarmeas, N. et al.: Mediterranean Diet and Mild Cognitive
Impairment. Arch. Neurol., 66: 216-225. (2009)

◇地中海式食事法で二分脊椎予防

 葉酸は胎児の神経発達に欠かせないビタミンですが、この栄養素
が不足すると、胎児に重度の脊髄欠損(二分脊椎)を引き起こす原
因となります。そこで、オランダの研究チームが食事と脊髄欠損と
の関係を調査した結果、果物や野菜の摂取量が多い地中海式食事は
二分脊椎の予防に有効であると「国際産婦人科学雑誌」に発表しま
した。

 研究では、二分脊椎の子供を持つ母親50人と、そうでない母親81
人を対象に食事の摂取状況を比較したところ、地中海式食事のスコ
アが低い人は、地中海式食事スコアが高い人と比べて、二分脊椎の
子供を持つ確立が約3倍高いことが分かりました。地中海式食事法
は、果物、野菜、植物油、魚、豆類や穀物類を多く含み、イモ類や
甘いものの摂取が少ない食事のことです。また、地中海式食事のス
コアが高ければ高いほど、血液中の葉酸とビタミンB12の濃度が高
いことも分かりました。

【文献】
Vujkovic, M . et al.: The maternal Mediterranean dietary pattern
is associated with a reduced risk of spina bifida in the
offspring. BJOG 116: 408-415. (2009)

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リンゴジュースでアルツハイマー病発症が遅れる

2009年02月07日 | 健康・病気

 アメリカ、マサチューセッツ大学の研究チームは、動物実験の結
果からリンゴジュースの摂取は認知機能を高め、アルツハイマー病
の予防にも有効と「アルツハイマー病学雑誌」に発表しました。

 マウスを用いた迷路試験で、通常のマウスよりもリンゴジュース
を飲んだマウスの方が行動がより良く、加齢による成績低下も予防
できることが分かりました。また、リンゴジュースを定期的に飲用
していると脳機能を良好に保つことができるだけでなく、アルツハ
イマー病の原因であるβ-アミロイドを減らすことも分かったこと
から、研究者らはリンゴジュースのの飲用はアルツハイマー病の発
症を遅らせる可能性があると考えています。

【文献】
Chan, A., Shea, T.B.: Dietary Supplementation with Apple Juice
Decreases Endogenous Amyloid-β Levels in Murine Brain. J.
Alzhimer's Dis. 16: 167-171. (2009).

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□ 野菜を摂取していれば果物は不必要?

2009年01月16日 | 健康・病気

「野菜を沢山食べていれば果物は特別必要ないのでは?」といわ
れることがあります。それに対して「加熱すると失われるビタミン
Cは果物から摂るのが良いのでは」と言っても、「それだけなら野菜
サラダを食べればいいのでは」と反論されてしまいます。そこで、
今回は野菜と異なる果物の健康機能について紹介します。

○ 心臓病予防と果物

 心臓の筋肉(心筋)に必要な血液を供給出来なくなると狭心症や
心筋梗塞などの冠動脈疾患(心臓病)となります。食物繊維を摂取
すると、血圧が下がり、血液中の脂質やインスリン感受性が改善さ
れると報告されています。

 そこで、食物繊維の摂取量と冠動脈疾患との関係をより明確にす
るために、大規模な疫学研究が行われました(文献1)。研究では
アメリカ、ヨーロッパに住む男性91,058人、女性245,186人あわせて
約34万人を対象に6~10年間追跡調査が行われました。その結果、食
物繊維を多く摂取すると冠動脈疾患の発症が少なくなることが確認
されました。

 次に、食物繊維源を穀類由来、果物由来、野菜由来に分けて、冠
動脈疾患との関係を調べたところ、1日あたりの摂取量が10グラム
増えると、冠動脈疾患の罹病リスクは、穀類由来の食物繊維ではリ
スクが10%低下、果物由来ではリスクが16%低下、野菜由来ではリ
スク低下は認められませんでした。死亡リスクは、穀類由来の食物
繊維では25%低下、果物由来では30%低下、野菜由来でははっきり
しませんでした。
 こうした研究結果から、果物摂取は冠動脈心臓病予防に有効です。

○ 大腸ガンと果物

 大腸ガンは、大腸の内側に発生するガンで、近年わが国では大腸
ガンが急速に増加しています。大腸ガンと食生活の関係を明らかに
するために、世界保健機関(WHO)に所属する国際ガン研究機関が
組織したプロジェクトで、ヨーロッパ8ヶ国に住む、519,978人を
対象とした大規模な追跡調査(1992~1998年、25~70才)が行われ
ました(文献2)。その結果、食物繊維の摂取量が多い人(摂取食
物繊維量31.9g/日)は、低い人(12.6g/日)と比べて、大腸ガンの発
生リスクが25%低くなることが明らかになりました。

 さらに、食物繊維の供給源別に大腸ガンとの関係を調べたところ、
果物由来の食物繊維ではリスクが22%低下、穀類由来も22%低下、
野菜由来では12%低下、豆類由来でははっきりしませんでした。。
この結果は、果物の摂取は大腸ガン予防に有効であることを示して
います。

○ 肥満と果物

 肥満は、メタボリックシンドロームの危険因子で、かつ、高脂血
症、高血圧、糖尿病、ガンなどの生活習慣病を誘発します。しかし、
無理なカロリー制限は、空腹感に悩まされ長続きしません。従って、
肥満予防にはカロリーが低く空腹感を満たす果物の摂取が有効です。

  たとえば、アメリカで行われた肥満の人と標準体重の人を比較し
た農務省(USDA)の調査によると、肥満の男性、女性は、ともに果
物の摂取量が少なく、肉の摂取量が多いことが分かりました(文献
3)。一方、野菜は、標準体重の人と肥満の人の間に有意な差は認
められませんでした。
 
  さらに、南カリフォルニア大学などの研究グループが行った研究
でも、標準体重の人は太った人より果物の摂取量が多いことが分か
りました(文献4)。また、果物の摂取量と体脂肪とは逆相関があ
ることも明らかになりました。一方、野菜の摂取量は標準体重の人
と肥満の人との間に摂取量の明かな差はありませんでした。
 
  こうした結果は、果物を摂取すると調理されることの多い野菜よ
り満腹感を満たし、肥満予防に有効であることを示しています。
 
○ まとめ

 果物には野菜とは異なる生活習慣病予防作用があります。従って
「野菜を摂取していれば果物は不必要」ではありません。毎日くだ
もの200グラムは生活習慣病予防に有効です。

【文献】
1) Pereira, M. A. et al. Dietary fiber and risk of coronary
heart disease: a pooled analysis of cohort studies. Arch Int
Med., 164: 370-376. (2004)

2) Bingham, S. A. et al.: Dietary fibre in food and protection
against colorectal cancer in the European Prospective
Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC): an observational
study. Lancet, 361: 1496-501. (2003)

3) Lin, B.H. et al.: Higher fruit consumption linked with lower
body mass index. Food Rev. 25: 28-32. (2002)

4) Davis, J. N. et al.: Normal-weight adults consume more fiber
and fruit than their age- and height-matched overweight/obese
counterparts. J. Am. Diet. Assoc. 106: 833-840. (2006)

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