(自由吟の部)(天)
マスク屋が 檜(ひのっ)も杉(すっ)も 植樹しっ
扇香(4月20日投稿分)(マスクの女)
(寸評)黒柱先生
奇抜なアイディアが功を奏しました。まさか、マスク屋が檜や杉の植樹していたとは!面白い発想でした。
このような意外性が狂句味を生むといっても良いと思います。当たり前のことを当たり前に詠んだのでは、読み手は何も感じないでしょうし、作者のほうを向いてくれないでしょう。
読み手の顔を振り向かせるには、何か変わったことをしなければいけないわけです。極端な例ですが、普段厚化粧をしている人がスッピンで人前に出たら、見た人は驚くでしょう。
それ程までではなくても、同じ事を言うにしても、「目先を変える」という視点を持つかどうかで、句作りが一変するのではないかと考えています。
「そんなことは分かっている!」と一蹴されそうですが、確かに「分かっちゃいるけど・・・・・」です。
たかが、薩摩狂句となかなか一筋縄ではいかないもののようです(寸評)今月の「蛇の足」
今回は送り仮名の間違いが気になりました。
それと、多くの材料を詰め込みすぎて言わんとすることを十分句に反映できず、無理をしている感じの句もあったようです。
あまり欲張らず、ひとつのことに焦点を絞った方がよさそうです。
もうひとつは、写真と狂句の距離が離れすぎている作品があったことでした。一番難しいことですが。
今月は投句数が少なかったせいか、間違いも多くは無かったようです。
〇課題吟から
1.送り仮名・漢字の当て方などについて
ア.籤(くず)ば買(こ)っ→籤(く)ずば買(こ)っ
イ.愚痴事(ぐぜごっ)→愚痴(ぐぜごっ)
ウ.組違(くんちご)ん→組(く)ん違(ち)ごん
エ.厄日(やっび)なろそな→厄日(やっ)びなろそな
オ.引(そび)っ出(で)っ→引張(そび)っ出(で)っ
カ. 生活保護(せかっほご)→生活保護(せいかっほご) 無理な短縮は避けましょう。
〇自由吟から
1.送り仮名・漢字の当て方などについて
ア.顔(つら)より嬉(うれ)し→顔(つら)よか嬉(うれ)し
イ.競(きそ)っ→競(せろ)っ
ウ.ふっ出せ→噴(ふ)っ出せ (この写真の観光客は桜島の噴火を期待しておとなしく待っている状態なので、下五の「大騒動」はこの句には合わないと思います。
黒柱先生