ウチワサボテン
クヮーダキイシの陸地側一帯は砂丘であった。
かつては墓地と海岸との間に今のような道路はなかった。
今は漁港の一部になっているが、艀(はしけ)の離発着する小さな港があり、
そこから延びる護岸がウフインジュがの河口まで続いていた。
そして、護岸から墓地に向かっては防風林のモクマオ林があった。
その護岸を利用してでできたのが、今のミコノス通りである。
ミコノス通りには墓地の 法面を利用した大きなレリーフがある。
通りに因んだギリシアの街並の浮彫である。
その端から製糖工場の敷地内に折れる道があるが、
ちょうどその角に一塊のウチワサボテンが生えていた。
今、それに沢山の黄色い花が付がいていた。
そして今、鮮やかな黄色の花が、過去と現実を繋いでくれた。