ユーロな日々

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ジダン ジダン ジダン ~B組 フランス対イングランド~

2004年06月14日 | Euro 2004
今度こそは万全の準備をして乗り込んできたはずのフランス。しかし、ファンタスティックなシャンパンサッカーは見られなかった。前半、ベッカムのFKをランパードが決め、イングランドが先制した。フランスの選手は、動揺したように見えた。
セネガルに負けたあの日のことが、頭を掠めたのではないか。

フランスは反撃したが、スリリングな場面が作り出せない。
アンリは封じ込められていた。
リザラスの突破は、ビセンテのプレーを見ているものには色あせて見えた。
しだいにジダンはあせり、ピレスもぱっとしない。ビエラも思い切りが悪く、ペナリティエリア付近でシュートを打てない。

そしてカウンターをくらった。
ルー二ーのものすごい突進。たまらずファウルでとめ、イングランドはPKを得た。キッカーはベッカム。まさに絶対絶命。
だが、バルデスがはじく。
コースはやや甘かった。
もし決めていれば、フランスに与えたダメージは計り知れない。彼らは追いかける気力を失っていたろう。

こうしてフランスは九死に一生を得たが、しかし後半も得点できそうな気配はなく、時間は刻々となくなっていった。
ロングボールを上げる単調な展開を繰り返すフランス。万事休すかと思ったとき、マケレレがペナルティエリア付近まで突っ込んだ。
ジダンのボールは壁の上を抜き、左奥に突き刺さった。
すでにロスタイムだった。
まだ2分強あった。中盤で激しくプレッシャーをかけるフランス。たまらず後方にジェラールが返したとき、ふいに黒い影が動いた。アンリだった。1対1になったGKは飛び込み、アンリを倒した。時計が止まった。
ジダンはGKが読んでも届かない左隅にきっちりと蹴りこんだ。
ロスタイムで2点。まさに信じられない逆転劇だった。