つまらないコスティーヨのミスで失点したことへの腹立たしさが、しばらく消えなかった。最高の舞台に水をさされた。そんな思いだった。はじめ、後ろにオーエンがいることにきずかず、バックパスをしたのかと思った。試合中に何度もリプレイされたビデオを見ると、やはりへディングしそこねたようだ。
しかし、開始3分でこんなミスをするなんてあるのか。母国開催のチームが。信じられない。
前半ポルトガルのポゼッションは60%強。圧倒的に攻めていた。しかし得点できなかった。
ただ天が帳尻をあわせたのか、ルーニーが脚をひねって交代する、というラックが転がりこんだ。結局これが効いた。
後半しばらくして、フェリペはまずシモンをいれた。しかし、20分を過ぎてもゴールを割れない。ボール支配は続き、シュートも20本以上うってはいたが、なぜか危険な香りがしなかった。
すばらしかったフィーゴにキレがなくなる。疲れたのだろうと思った。
交代させるしかないのではないか。そんなことを考えていると、フィーゴは鋭くドリブルでペナルティエリアの中に切りこみ、コーナーキックになる。
これではかえられないか、と思ったが、フェリペは決断していた。
ショートコーナーを蹴ろうとしていたフィーゴは交替を告げられ、憮然としてピッチの外にでた。フェリペと握手するのかどうか興味があったが、TVカメラがフィーゴをとらえることはなかった。
さらに数分後、フェリペはルイコスタを入れた。しかもサイドバックを切って。
そしてついに追いつく。
シモンが左から上げたボールをがへディングで決めたのは、フィーゴの代わりに入れたポスティガだった。
後半もすでに40分、スタジアムは興奮の坩堝と化す。
そして延長戦前半、ルイコスタがペナリティエリアのすぐ外からすばらしいシュートを決める。ついに逆転。
フェリペの切ったカードがすべてあたったのだ。
しかし、試合は終わらなかった。
イングランドがあきらめなかったからだ。
そして延長後半10分、コーナーキックでもつれ、こぼれたところをランパードが決めた。
まったく、なんという試合だろう。
PK戦が始まる。
トスで勝ったべっカムは迷わず先行を選び、自ら一番手としてボールをセットする。
フランス戦で左に蹴ってバルデスに止められたから、右に蹴りたいだろう。でもリカ
ルドもそう読んでくるのではないか。右か左か。ぞくぞくする心理戦。
しかし、なんと、べっカムはダフり、ボールはとんでもない方向へ飛んでいく。
このシーンは繰り返し、何度も何度も映されるだろう。
だがまだ続きがあった。
3人目のルイコスタが外したのだ。
一転、後攻めのポルトガルにものすごい重圧がかかる。
だが重圧にまけたのは、イングランドの6人目、ルーニーにかわったバッセルだった。
そして止めたリカルドが、自らボールをセットする。
ボールは左隅に突き刺さり、決着がついた。
フェリペのきった3枚のカードは、すべてあたった。
しかし、開始3分でこんなミスをするなんてあるのか。母国開催のチームが。信じられない。
前半ポルトガルのポゼッションは60%強。圧倒的に攻めていた。しかし得点できなかった。
ただ天が帳尻をあわせたのか、ルーニーが脚をひねって交代する、というラックが転がりこんだ。結局これが効いた。
後半しばらくして、フェリペはまずシモンをいれた。しかし、20分を過ぎてもゴールを割れない。ボール支配は続き、シュートも20本以上うってはいたが、なぜか危険な香りがしなかった。
すばらしかったフィーゴにキレがなくなる。疲れたのだろうと思った。
交代させるしかないのではないか。そんなことを考えていると、フィーゴは鋭くドリブルでペナルティエリアの中に切りこみ、コーナーキックになる。
これではかえられないか、と思ったが、フェリペは決断していた。
ショートコーナーを蹴ろうとしていたフィーゴは交替を告げられ、憮然としてピッチの外にでた。フェリペと握手するのかどうか興味があったが、TVカメラがフィーゴをとらえることはなかった。
さらに数分後、フェリペはルイコスタを入れた。しかもサイドバックを切って。
そしてついに追いつく。
シモンが左から上げたボールをがへディングで決めたのは、フィーゴの代わりに入れたポスティガだった。
後半もすでに40分、スタジアムは興奮の坩堝と化す。
そして延長戦前半、ルイコスタがペナリティエリアのすぐ外からすばらしいシュートを決める。ついに逆転。
フェリペの切ったカードがすべてあたったのだ。
しかし、試合は終わらなかった。
イングランドがあきらめなかったからだ。
そして延長後半10分、コーナーキックでもつれ、こぼれたところをランパードが決めた。
まったく、なんという試合だろう。
PK戦が始まる。
トスで勝ったべっカムは迷わず先行を選び、自ら一番手としてボールをセットする。
フランス戦で左に蹴ってバルデスに止められたから、右に蹴りたいだろう。でもリカ
ルドもそう読んでくるのではないか。右か左か。ぞくぞくする心理戦。
しかし、なんと、べっカムはダフり、ボールはとんでもない方向へ飛んでいく。
このシーンは繰り返し、何度も何度も映されるだろう。
だがまだ続きがあった。
3人目のルイコスタが外したのだ。
一転、後攻めのポルトガルにものすごい重圧がかかる。
だが重圧にまけたのは、イングランドの6人目、ルーニーにかわったバッセルだった。
そして止めたリカルドが、自らボールをセットする。
ボールは左隅に突き刺さり、決着がついた。
フェリペのきった3枚のカードは、すべてあたった。