日本は国連障害者権利条約を批准し、条約に準拠した法律で障害を理由とする差別を禁止している。しかし現実には、われわれの周囲は「障害を理由とする差別」に満ち溢れ、一方で「差別されたことはない」という当事者・家族もいる。そもそも「障害」とは何か、という認識自体がここ数十年で大きく変化したともあって、差別禁止に合意したとしても、「何が『障害を理由とする差別』なのか」が、専門家や行政を含めて合意形成できていない、という現実で、障害と差別を理解啓発する研修も、内容や方法の合意形成が困難だ。差別・偏見に一般にある問題への考察と並行して、筆者の現場である障害者差別に顕著にみられる状況分析をしていく。 . . . 本文を読む