岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド

自身の頭で考えず、何となく流れに沿って楽な方を選択すると、地獄を見ます

闇 159(洗心編)

2024年12月16日 11時22分22秒 | 闇シリーズ

2024/12/16 mon

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自流の流れに沿って……。

こんな疎外感を覚えるような現状ですら、果たして流れの中なのだろうか?

「私が死んだ時にすべて分かる」

おじいちゃんは俺にそう言った。

俺は祖父にさえ、裏切られたのか?

心が痛い。

いや…、違うだろ?

勘違いするなよ。

悲劇の主人公を気取るな。

甘ったれるな。

おじいちゃんが俺に、これまでどれほどの愛情を費やしてくれた?

小二でお袋が出て行ってから、今までずっと面倒を見てもらった。

小六の時、盲腸で死に掛けた時、おじいちゃんの素人判断が俺の命を救った。

高校の学費だって全部出してくれた。

車の免許の合宿費だって、出してくれただろう?

全日本プロレス合宿前日、ヤクザと喧嘩になり警察に捕まった時だって、身元引受人として真っ先に来てくれた。

こんな俺を見捨てず…、だから岩上整体の開業資金の二百万だって出してくれた。

初めて結果が出せたのが『新宿クレッシェンド』が賞を取り、本になった時。

俺は賞を取った時の報告も、本になった時も、全部おじいちゃんにいの一番に報告した。

こんなもんでチャラになんて、まったくなっていない。

どれほどの年月を掛けて、俺はおじいちゃんをガッカリさせ、また落胆させてきたのだろうか。

数え切れないほどの恩義があるのだ。

だから本を出して、総合格闘技へ復帰した際、これまでのすべてが帳消しになるぐらいの活躍を見せたかったんだよな……。

結果、印税はもらえない。

試合には負ける。

今ではKDDIすら辞めて無職の身。

何が恩返しだよ?

何にもできていないじゃねえか……。

散々いじけては立ち止まり、どれだけの迷惑を掛けてきた?

最低限いじけるのだけは止めよう。

俺は自分で死ぬ事すらできない臆病者なのだから。

生きいる価値が無いとか、そんなもんの前に、また歯を食い縛って何かしらの結果を示せよ。

中途半端だった俺が、まだこうして生きているのは、誰のお陰だ?

おじいちゃんだろう。

なら、動け。

いじけている暇なんて…、いや、いじける資格さえ俺には無い。

左胸を右手で押さえた。

何か痛いなあ……。

本当心が具現化しているのなら、ズタズタに切り裂かれ血まみれ状態。

それでもちゃんと頑張ってこれなかった俺が悪いのだ。

これだけ傷ついたのだ。

せめて自分で自分をこれ以上傷つけなくてもいい。

せめて今は前に進もう。

ん…、こんなタイミングでしほさんからメールが来ている。

 


しほちゃん

鬼畜道を読んでても、こうしてメッセージをやり取りしてても思うのはトモさんって本当に純粋な人なんですね。

だからちょっとした不合理とかも我慢できないし、人を素直に信じたり逆に、恨んでしまったりするんでしょうね。

私は多分ともさんよりも随分冷めていて、人は人、自分は自分と割り切って生きてるところがあるので、それほど傷つかないで生きてきたんでしょう。

いやいや、本当に私が言う事が全部正しい訳でもないし、同年代の意見ってぐらいでちょうどいいと思いますよ。

私のことそんな風に言ってると大成しませんよ。

私も十分身の程は弁えてるつもりです。

先生と言われるほどに馬鹿じゃなしって言葉もありますし。

今精進してますよね。

まあご家族はご家族なりにトモさんの事、心配してくれてるんだろうからありがたいことですが。

書きたいって思う時に書いておかないと、中々神が降りてきませんよね。

 

>  今まで自分で書いていて、特にクレッシェンドシリーズのジャンルが分からなかったんです。

編集者も同じ事を言っていたので、そう呼ばれると光栄です。

 

やっぱり!

夏目漱石のこころとか、太宰治の斜陽とか……。

人間失格や桜桃。

ここら辺に近いですね。

もちろん文体とかじゃあないですよ。

心の葛藤ぶりですね。

 

>  夏目や太宰ファンに怒られますよ。

 

いやだな、私の専門分野ですよ。

私の出た短大はむかーしからあるお嬢様大学で学生の程度は大した事無かったんだけど、教授はすっごい先生ばっかり揃ってるって有名だったんです。

特に学院長が夏目漱石の第一人者と呼ばれていて、右に出る人はいないぐらい有名な研究者だったんですけど、幻と言われる優もらいましたもんねー、私。

ちなみに太宰は卒論書いたし。

だから夏目漱石とか太宰治とかは、すごーく熱心に勉強したんですよ。

もちろん他の純文学もみっしりと。

短い時間だったけど、本当に本が好きだったのですっごく楽しかった。

講義は取れるだけ全部取りましたね。

純文学を知ってるからこそ、純文学だっ!って思ったんです。

トモさんの作品を読んであんまり感動しない人は多分、純文学に興味無い人なんだと思うわ。

意外と年配の方のほうが評価高いかも?

 

>  俺、雷神の加護があると言われてて、前世は雷電、デュークだったようです。

過去雷電は相撲で歴代最強力士の称号を未だ言われるぐらいの強さを誇り、俺がこの時代に生まれたのは何かしらの使命があり、それは格闘技ではないから雷電が袖を引っ張ったとも言われました。

群馬の先生、その雷電の存在を知らないで俺を見て、化粧回しに『雷電』と書いてあったと言ったんですね。

…で、雷神の間逆と言えば風神その風神の加護を持った間逆の人がサポートしてくれるって言いました。

しほさんには何故か、それを意識している自分がいます。

 

なんだかトモさんは私の事を物凄く過大評価してくれてるんですけど。

まあ確かに真逆ですね。

でもそれは環境のなせる技です。

ふつーの家でふつーに育ってふつーに生きてる人間に、あんまり出会わなかったんじゃあないでしょうか。

出会ったとしても関わらなかったから、普通の意見って言うのがやけに新鮮に感じるんだと思いますよ。

例えばミクシィのママさん達と話しても、皆私みたいな感じだと思いますよ。

これからはそういう出会いも、もっともっといっぱいありますよ!

でも、トモさんが私なんかの意見にそこまで賛同してくれるなんて、思っても見なかったので、嬉しいです。

こちらこそ、ありがとうございます。

今まで、出会いが悪かっただけなんですよ。

世間一般はそんなに敵だらけじゃないです。 


 

何回もしほさんのメールを読み直した。

途中で何度も文章が滲んでしまって、本当に何回も読み直した。

涙が止まらかったのだ。

こんな俺が、夏目漱石や太宰治と同じ純文学?

ちゃんと専攻して勉強を腐るほどしてきたからこそ、言えるだって?

そんな事言われたら…、俺はまだまだずっと書き続けるようじゃないかよ……。

しばらく涙が出るだけ、そのままにした。

どんなに酷い事が起きたって、どんなに辛く経って…、俺はまだ頑張れる……。

いじけている暇なんて、全然無いじゃん。

期待をしてくれて、俺の作品をこう捉えて読んでくれている人が、一人はここにいるのだ。

だったら書こうよ、続きを……。

それでいつの日か、誰にも負けないくらいの作品を……。

金だとか、結果だとか、称賛だとかさ…、もうそんなのいいじゃん。

俺はまだまだ書ける。

書きたいから小説を書いているんだよ!

それでいいじゃんか。

格好つけるのも、いじけるのも、俺には十年早い。

もう一回賞を取って、全国の書店に本は出したんだ。

これって誰が何言っても変わらない出来事。

だったら何故まだ書く?

根底に眠り、本当の自身の真理を自覚しろ。

世に出したい?

そりゃ出せるものなら、出したいに決まっている。

でもさ、そんなんじゃない。

百年、二百年先に生きている人間に、今この時代に生きた証を残したいのだ。

当然俺はその頃生きていない。

だからずっと先の人間たちへ俺が書いた作品を残し、もしそれを読んで語り合ってくれたら嬉しいなあ……。

いや、奢るなよ。

調子に乗るな。

今の時代の人間でいい。

こんな三十八年間を生きて、どうしょうもない男の人生。

みんな、こんな風になるなよ。

こう行動すると、こうなるぞ。

駄目な男なりの道しるべ。

そう…、俺など反面教師でいい。

こんなにならないようにとのアンチテーゼ。

あ、でもその前にしほさんが、色々なアドバイスをせっかくしてくれたんだから、動かないと。

馬鹿だと自覚しているのだろ?

ならば余計な事をグダグダ考える前に、まず動こうよ。

大手出版社へ持ち込み……。

小学館や講談社。

集英社は『新宿クレッシェンド』を書き終えた時に電話して、因縁あるからなあ……。

やれる事は結果が例え駄目だったとしても、とりあえずやってみよう。

俺の立ち位置なんて、最下層でいい。

俺が最低限の底辺でいい。

少しずつでも、そこからまた這い上がろう。

 


ある方の勧めで、俺の作品を実際に持ち込んだほうがいいとアドバイスを受け、今日、小学館(きらら)と講談社(週刊現代)に電話をしてみた。

KDDI時代にアナウンサーたちも受けるボイストレーニングや、クレーム処理経験で培った話術を駆使して、馬鹿丁寧に話してみたが……。

「お忙しいところ恐れ入ります。私、岩上と申しますが、●●様の編集部でいらっしゃいますでしょうか?」と言った具合にである。

両社とも結果から言えば駄目でした。

持ち込み自体今はしていなく、例外は作れないとの事。

じゃあ、今度会社に強引に押し掛けちゃおうかな……。

しょうがないので、知り合いの読売新聞の記者に電話をしてみた。

「まだ書き途中なんですけど、今凄い傑作書いているので、読売新聞で連載どうでしょう?」

内容を伝え、とりあえず返事待ち状態。

ちょっと昔を思い出した……。

二千四年に『新宿クレッシェンド』を書き上げてすぐ、俺は当時集英社にいきなり電話をしてみた

「はい、集英社ですけど」

「あ、私、岩上という者だが、この度小説というものを書きましてね」

「はあ……」

「おたくの漫画は昔から読んでいるので、今度漫画の原作に使ってもいいですよ」

「あの~、忙しいので失礼します、ガチャン……」

しばらく電話機を握り締めたまま、放心状態。

人が一生懸命話している途中で、電話を切るなんて常識の無い奴だな。

俺はすぐにまた電話を掛ける。

「おい、コラッ!」

「は、はい、何でしょう?」

「いきなり電話切りやがって舐めてんのかよ? それが天下の集英社の応対かよ?」

「え、あの……」

「もうおまえのところの少年ジャンプは絶対に買わないからな! ガチャン!」

本当にこの日から、少年ジャンプを買わなくなりました。

ヤングジャンプは面白いから未だに買うけど。


 

ミクシィで記事を書く。

赤裸々に、ありのままに……。

俺はすべて解放し、全部を文字に変えよう。

小説の勉強なんて、何一つしていない。

独学で書き出して一つの物語を完成させた。

そんなものが賞を取り、全国出版された。

それだけが俺の真実。

今はしほさんという強力な援軍がいる。

俺は、ただ俺らしくあればいい。

威風堂々と……。

 


俺は今、世紀の名作を書いているって自負がある

ひたすら自分自身を追及し、ただ文字を書き綴る作業。

できた文章をアップする事により推敲し、読み直す。

そして今、世紀の名作を手掛けている事に気がついた。

人に会ったのでそれを言うと笑われた。

一応賞獲って全国的に本屋に並んでも、まだ笑われるのか。

じゃあもっと頑張らないと。

でも、今日一人の人が認めてくれた。

かつて持っていた揺るぎない誇りをそれで取り戻せた。

書く事に迷いはもうない。

時間の許す限り、ひたすら書きたい。

だから誰の前でも正々堂々とひと言、言いたい……。

ありがとうございます。



しほちゃん

誰よりも続きが気になってる読者ですが、私はできるだけ多くの人にこれを読んでもらいたいな。

私だけが面白いって思うはずないから。

絶対読んでみたら、みんながみんな認める作品だと思う。

トモさんの人生そのものだもんね。

他の作品に関してはここがな~?とか思うところがあったりもするけど、この作品に関しては泣いたり、笑ったり、感動したり、歯痒く思ったり、辛かったり。

そんな自分の心との葛藤に忙しくて、突っ込む余裕がない。

しょぼい感動じゃなくて、心を揺さぶられるものがある。

絶対、あると思う!

なのでもう、みーんなに読んで貰って、色んな人とここどう思ったっ!?って話してみたいんですけど~!

連載されるといいなあ。

チャンスがあるといいなあ。


 

この記事に対し、コメントをくれたのはしほさん一人のみ。

百万の軍勢よりも、頼もしい一人だ。

充分過ぎる。

全日本プロレスで、レスラーになるんだと必死に頑張ったあの頃よりも……。

酒の知識をすべて吸収しようと、必死だったあの頃よりも……。

一人の女性にピアノを捧げようと、すべての時間を使って鍵盤を叩き続けたあの頃よりも……。

来た患者を全部治そうと、息巻いていたあの頃よりも……。

俺は努力が足りない。

まだまだ踏ん張って、書き続けないといけない。

 


しほさん

人が一生懸命してきたことを馬鹿にするような人間は、自分が何もしてこなかったからだからだと思います。

自分に無いものを持ってる人がうらやましいだけなんですよ。

最初から諦めて何もやってこなかった人に、夢に向かって頑張ってる人間を非難することなんてできません。

本当に頑張ってきた人は、頑張ってる人を非難なんてしません。

もう放っておけばいいんです。

はいはいって。

器のちいせー人間だなーって。

心の中で。

話しててあ~嫌だなーこの人って思ったら、自分から離れちゃいますね。

そのとき徐々にフェードアウトしていくのがポイントですが。

心で思っても、顔に出さなくなったら、もうちょっと器用に生きられると思いますよ。

トモさんは不器用だからなあ。

私を唯一見習うとしたら、波風立てずに当たり障りなく障りなく接する方法でしょうか?

こいつだいっきらい!っと思うと相手にも伝わっちゃうんですよね。

だから嫌いなタイプほど、慎重に行動します。

こっちが好意的に接すると相手も意外なほど打ち解けて。どんな人でもいい人に変わったりするもんなんですよ。

どうしても合わない人とは、極力接触しないことですね。


 

合わない人……。

すぐ思い浮かぶのが、俺の家族。

以前群馬の先生にも言われたじゃないか……。

叔母さんであるピーちゃんの仲を何とかしようと、いくら動いただけで、俺が傷つくだけだと。

貴彦とピーちゃんの養子縁組の一件だって、知らされなかったのは俺と親父だけ。

そう…、いくら協力的に動いてみたところで、俺ははなっから味噌っかすだった訳だ。

悲しいとか、悔しいとか様々で複雑な感情はある。

でもさ、そこを嘆いてどうなる?

味噌っかすは隅っこで大人しく?

違うだろ?

味噌っかす扱いされたって、自分を主張すればいい。

俺にとっての主張は小説。

家族が相手にしていないのなら、一人でも多くの人間に読んでもらえばいい。

心についた無数の傷。

一人一人読者が増える度に、傷は癒えていくような気がした。

多分こう捉えられるように、俺が自分でこの人生を決めて現世に生まれたのだ。

だからまだこの先理不尽で凄い事は起きるし、また身に降り掛かるだろう。

おそらく群馬の先生は、その先まで見えているからこそ、これからも試練が続くと言ったのではないか?

俺は自然と群馬の先生へ連絡をしていた。

この境地のタイミングで、一度会って話したかったのだ。

どう言われるか、何を言われるか分からない。

でも、行くなら今なんだろうなという事だけは、本能的に分かる。

どんなに傷ついても、最終的に治せるのは自分だけ。

その為なら輪廻転生でも何でも都合良く考えよう。

あ、出版社系の持ち込み駄目なら、読売新聞の秋田へ電話してみるか。

 


全然分野違いの事を頼んだ昨日の一件。

しょうがないので、知り合いの読売新聞の記者に電話をしてみた。

「まだ書き途中なんですけど、今すごい傑作書いているので、読売新聞で連載どうでしょう?」

内容を伝え、とりあえず返事待ち状態。

今さっき連絡をもらい、色々話しました。

新聞社の内情を色々聞いて、俺が思っているような簡単な展開ではないにしろ、最後に「私は良かったら岩上さんのその作品を読んでみたい」と言ってくれた。

「今、ワードデータでも千九十九ページまで書いてしまったんです。原稿用紙だと三千五百七十六枚です。まだまだ続きますが…。分かり易く言うと、コピー用紙を束で売っているじゃないですか? あれって一つ五百枚なんですけど、『鬼畜道』今の部分だけでコピー用紙の束を三つ分使うようなんです。データでよければ送りますよ」

こんな感じで会話を終えた。

はてさて、うちも読売新聞とっているし、できたらここで連載になったらいいなあ……。

気が早過ぎるし、考え過ぎか。

『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』

二千十年二月一〇日原稿用紙三千六百十九枚。

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まだまだ執筆中!

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車を走らせ、関越自動車道に乗る。

本庄児玉インターで降りて、国道へ。

北高崎駅方面へ向けて。

左手に大きな高崎観音が見える。

人間の力って凄いなあと、見る度感心してしまう。

こんなものを作ってしまうのだから。

群馬の先生と対面する。

あれ?

そういえば相談事なんて何も無いのに、何故俺はここへ来たのだろう?

今のただ小説を書き連ねる現状を報告した。

先生は言った。

「洗う心と書いて、洗心。あなたは今、この作業をしているんですね」

洗心か……。

 


洗心

今日は群馬に行きました

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イメージチェンジで伊達メガネを掛けてみました。

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ちょいと早く着いたので高崎駅の近くにある朝鮮飯店という焼肉屋へ。

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Aランチ、これで六百五十円、安くてうまかったですねー。

洗う心と書いて洗心。

何故この時代に生まれ。

何故この時代に生き。

後悔の連続の日々を繰り返し。

何故三十八年も生きてきたのか?

それは、この作品を書く為である。

それが今現在出した答え。

書いていられるなら、あとは何もいらない。

無心に近いこの感覚。

大事にしたいものだ。

そんな事をボーッと考えていたら、帰り道のインターで間違った方向を走っていた……。

途中の新潟行きの看板で気がついたのである。

馬鹿だなあ、俺は……。

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でも親切なインターのおばさんはUターンさせてくれた。

胸にあった様々なわだかまりが溶けていき、無心に近い状態の中、残っていたのは感謝でした。

これまで世話になった人に電話をして「ありがとう」と言いながら高速を運転する。

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今、高坂で休憩中。

何故か俺が写真撮るとたまに写る不思議な光……。

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ジンギスカン食ってます。

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サービスエリアを出る時、綺麗だなと写真を撮ると……。

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また不思議な光が写っていました……。


 

家に着いてからミクシィで記事を書く。

多分俺は群馬の先生のところへ、息抜きに行ったのだろう。

自然と心がスッキリしている。

あれだけあったはずのどす黒い憎悪。

どこに行ってしまったのだろうか?

色々なものに怒りを覚え、あれほど苦悩していたはずなのに。

人間って生き物は、思い方…、捉え方、自身の在り方一つでどうにでも変えられる。

この先何かがあってスッキリできなくなったら、動じない事だろう。

人間てどう足掻いたところで、結局なるようにしかならないのだから……。

流れに沿って、そのまま身を任せる。

目の前で起きた事には、まず全身で受けてみる。

受けてから、どう動くか考えればいい。

何だ…、俺ってリングから離れていたって、プロレスをやっていたんじゃないか。

「レスラーはね、どんな攻撃も避けちゃいけない。そして何をやられても壊れちゃいけないんだよ」

ジャンボ鶴田師匠は、俺にそう言っていた。

「人生はチャレンジだ」

そう言い残して、あの人は旅立ってしまった。

少しでもあの人のエキスを吸った俺は、不肖の弟子。

もう戦えないから、ピアノを弾いた。

ピアノも駄目だから、小説を書いた。

うん、俺って師匠の言葉通り、チャレンジしていたんだな……。

「智一郎」

下からおじいちゃんの声が聞こえる。

「何?」

ドアを開けて階段を降りる。

「悪いけど、氷川会館まで車で乗せてってくれないか?」

ほら、おじいちゃんは別に俺を見捨てた訳じゃないじゃん……。

「いいよ。今すぐ?」

勲五等瑞宝章という勲章を天皇陛下からもらった自慢のおじいちゃん。

俺はその本家の初孫。

十二分に恵まれている。

感謝が足りていない。

 


勲五等瑞宝章

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今日はおじいちゃんの仲間が天皇陛下から勲章をもらったパーティーとの事で俺はお供で氷川会館へ。

知り合いの支配人と目が合い、ニコニコしながらやってくる。

「先生、お久しぶりです」

全日本プロレスのあと新潟のグリープラザ上越へ行く少し前、この氷川会館で短期間だけだが働いた事があった。

「やめて下さい。こんな無職のプー太郎を捕まえて」

「おじいさんの秘書をやればいいじゃないですか」

「そんな七光りみたいな格好悪い事などしませんよ。俺は書くしか能がないですから」

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過去おじいちゃんが天皇陛下からもらった勲五等瑞宝章。

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これまでの軌跡を見ると、本当に凄いなあと素直に感心する。

本当にでっかい壁だ。

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今日はうなぎと鉄火巻きとそばを食べました。

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昨日ふと思ったので、こんなものを作ってみました。

ありがとう……。

一回じゃ足りないから二回でも三回でも何回でも言わせて下さい。

作品を書かず、今も熟成させています。

何故今の作品を書くのか?

再確認しています。

スコットランドの由緒あるモルトの蒸留所が、有名なバランタインやホワイトホースなどのブレンデットウイスキーを造る時、バッティングという製造方法でブレンドします。

それを行う人をブレンダーと呼び、ホテル、バーテンダー時代、このようになりたいと憧れたものでした。

でも数種類のモルトウイスキーとグレンウイスキーを組み合わせてできるブレンデットウイスキーは、規律厳しく、タバコをやめられない自分はその時点で諦めるほかありませんでした。

じゃあ今、『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』は、小説でブレンデットウイスキーを作ろうとしているかもしれません。

もうピアノも弾けません。

戦う事もできません。

もう、書く事しかできなくなりました。


 

書いた記事を見直してみる。

これじゃあナルシストって、勘違いされるんじゃないか?

まあどう思われても構わないか。

思うまま文章を書いただけの話なのだから。

今回の一件で一番嬉しかったのが、おじいちゃんとの繋がりは切れていなかったって事。

これに尽きる。

本当ごめんよ、こんな不憫な孫で……。

今は三ヶ月間の休業補償の期間だけ、思う存分自由に小説だけ書かせて。

またちゃんと働き出すからさ。

あれ、しほさんからメールが来ている。

 


しほさん

>  もし完成したら、その夏目漱石の第一人者の教授に読んで頂きたいものですね。

「ふざけんな、こんなもの読ませやがって!」とビリビリに破かれそうですが。 

 

残念ながら高齢でお亡くなりになりましたが、読んだらきっと顔を綻ばせて、「面白いね」って言ってくれると思います。

日本文学部の教授たちは感性が鋭くて、みなさんいつまでも少年少女のようなピュアな方ばっかりでしたね。

冗談も言うし、堅苦しい人なんて全然いませんでしたよ。 


 

俺がこういった文学界へ、ちゃんと手順を踏んで進んでいたら……。

しほさんの育った環境が素直に羨ましかった。

いや、二千四年から小説を書き始めて六年。

世に出すんだとシャカリキに頑張って四年掛かった。

でもそれから二年経ち、印税も無ければ執筆依頼も何も無い。

彼女の言葉は本当に嬉しい。

とても励みになっている。

だが、俺の現状を取り囲む温度差があり過ぎるのだ。

しほさんは、こんな俺に才能があるとは言ってくれる。

しかし世間のほとんどは、俺に関心など無い。

誰だかが「人間は考える葦である」とか言っていたけど、俺は色々なものを考え過ぎてしまい、一本の強力な軸を作れていないのだろう。

酔っ払いの飲酒運転のように、あっちへフラフラこっちへフラフラと思考が常に行き来する。

何故人は争うのか?

何故人は憎しみ合うのか?

何故人はいがみ合うのか?

すべては自我があるせいだ。

自分がと、『が』がある限り、自我の数は無数に増えていく。

我が強いなんて言葉からも分かる。

小説を書きながら、息抜きでミクシィで記事を書く。

今の俺はこのルーティングが自分に合っているような気がした。

 


争いの起因となる答え

まずこの記事をご覧のみなさまに質問があります。

【質問】

もし、あなたが核を自由に発射できるボタンを持っていたら、押したくなりますか?

もちろん家族や知り合い等すべての人間が、押せば巻き込まれてしまいます。

 

普通の人なら押さないと簡単に答えるでしょう。

そうでなく、自分は押せると思った方……。

心にかなり闇があるので、自覚しましょう。

人が何かをしている行為に、酷い言葉で誹謗中傷する。

これって自分にまず原因があります。

現状を楽しめていない状態で、他のものが憎くて仕方がないと思っているはずです。

憎しみからは何も生まれない。

誰かからそんな言葉を聞きました。

もちろん自分もこんな記事を書きながら、憎悪は人一倍あったと自覚しています。

何十年も憎悪があって、ずっと足掻き、そしてもがいて、それでも苦しんで三十八年間生きてきました。

でも今はこれまでの憎悪が嘘のように消えて、まっさらで穏やかな気持ちになれました。

なので心に思った事をそのまま文字にしました。

暇でしょうがない方はご覧になって下さい。

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現在の心境を正直に文字にしよう。

目を閉じると目の前に壮大な湖が見え、とてもクリアで透明な心が洗われるようなきれいな水が一面に広がる。

波紋一つ無い穏やかさ。

それをとても心地良く感じる自分がいる事に気付く。

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憎悪から小説というものを書き始めた。

時が経ち、寂しかったから書いていた事に気付く。

そしていかに自分が孤独だったかを思い知らされた。

心の闇が嘘のように晴れ、感謝だけが残った。

この心境の先を知りたい。

知るまではこの心境を持続したい。

年を取ったから涙脆くなったのではない。

この心境に気付いたから涙脆くなったのだ。

フォト

憎しみからは何も生まれない。

誰かから聞いた言葉。

その通りだ。

でも、憎かったらとことん憎めばいいのだ。

人の命を奪ったり、迷惑を掛けない内は、その人が人間ならいずれ自分で憎む事に意味が無い事を悟るまで、自由にさせればいい。

自分も人様に自慢できるような生き方などしてきてません。

でも、誰だって自分を振り返る事ってできると思うんです。

頭の中で思っても、結構まとまらないと思いますので、文章力とか気にせず、とにかくそれを書きましょう。

それが世の中の人、全員できれば平和になります。

「小説を書こうと思ってね」

「書いた事はあるけどさ」

そう言う人って結構いるんですよ。

誰だって小説は書けます。

文字の羅列ですからね。

何を書いたっていいんです。

でもね、今回自身でやり始めて自覚したのが、書くからのめり込む、そこに到達すると、何もなくなります。

何かしようとしていても、ああ書かなきゃってそんな事ばかり気になります。

書いていないと落ち着かないんですよね。

だから家族のある方には、あまりお薦めできません。

でも、自身を見つめると、不思議と今の自分を好きになれるぐらい幸せな気分になれますよ。

ネットとかこうして本当に便利な時代になりました。

だからこそ人と出会えたような事もあります。

せっかく生きているのだから、いい出会いをしたいですよね。


 

感情って、考えれば考えるほど面白い。

あれほど憎悪の波に揉まれていたはずの俺が、気持ち悪いくらい白いまっさらな心境にいる。

現時点でこの家の中に、加藤皐月がいないというのも大きい。

あいつがいなくなって、俺は風呂に入る際湯船に浸かる事ができるようになった。

風呂栓を隠す人間がいなくなったからだ。

このような出来事すら、流れなのだろうか?

感情を爆発させ、自暴自棄にならずにやり過ごせたからこそ、この平穏なのだ。

怒り…、あれは凄まじいエネルギーを使う。

おそらく感情の中で、一番激しいものなんじゃないか。

今度感情について時間あれば勉強してみる事にしよう。

 

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