小学校の頃、オヤジの仕事場のある湘南に遊びに行ったある日。
さんざん海岸で遊んだ私たちは、こんどは事務所の裏にある山に
探検に行こうということになった。
山というより、丘の連なりといったほうがいいぐらいのものだが、
ガキ探検隊は隊列を組み、歌をうたい意気揚々と進んでいった。
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平坦な、ほの暗い林の中を進んでいくと、突然、林がきれて明るくなり、
山を登る細い山道があらわれた。 道の入り口には、平屋の粗末な
小屋があった。
そして私たちは、あっちこっちに立つ、手書きの看板にギョッとした。
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「危険!入るべからず」 「マムシに注意!」というようなことが書いてある。
もっと探検隊を驚かせたのは、小屋の前の金網を張った木の箱だ。
箱の中には、ウジャウジャともの凄い数のマムシがトグロを巻いていた。
ギャッ!
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みんな帰りたいのだが、弱虫と言われるのがイヤで言い出せない。
話し合いで、ちょっとだけ行こうか、ということになった。
全員が手に手に、落ちていた木の棒切れを拾った。
ジャンケンで、先頭になる隊長がイヤイヤ決められ、
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隊長はへっぴり腰で、やたらにあたりを棒切れで叩きながら
進んでいった。 ほんのちょっと、ガサッと音がするだびに全員
棒立ちになりながら、それでも進んだ。
山道を半分進んだところで、隊長が突然、ギャーッと悲鳴をあげ、
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Uタウンして、一目散に坂道を駆け下りだした。
ガキ隊員もわけがわからないまま棒切れを放り出して続いた。
見えたらしい。 隊長の少し前を横断する、太短いヤツが。
事務所に帰ってオヤジに話したら、こっぴどく怒られた。
そのあたりでは、小山にマムシを放って繁殖させ、
それを獲って生計を立てている人がいたらしい。
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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