昔、子どもがまだ小学生の頃、夏休みに軽井沢の国立キャンプ場へ連れて
行ったときのこと。 朝、キャンプ場の共同炊事場で、薪でご飯を炊いていた。
となりに団体で来ていたらしい、子どもたち4、5人が、火をおこそうとして
悪戦苦闘を始めた。 懸命に新聞紙を丸めたもので、かわるがわる
息を吹いているが、いっこうに燃え上がらない。
あまり長く燃えないので、もしかと思い、子どもたちがひろい集めていた
枯れ木を、見せてごらんと見てみた。
枯れてはいるが、断面がまるで黒いスポンジのような、例の木である。
山をよく歩いていた頃、見おぼえがある木だった。
この木、燃えないのだ。 ひろって折ると、ポキポキと
小気味よく折れるので、いかにも燃えそうな感じがする。
でも焚き火に入れても、いつまでも、ブスブスといぶるばかりで
ちっとも燃えない、焚き火にはまったく向かない木だった。
私は折った木の断面を見せて、こういう木は燃えないんだよと
教えてやった。 ヘーッ! と子どもたちの目がソンケイの眼差しに
なったように感じ、私はちょっとだけ胸をはったような気がする。
あまっていた薪をやり、それは勢いよく燃え上がって、
子どもたちは歓声をあげて炊飯を続けた。
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長いあいだ、この燃えない木がいったい何なのか、
知りたかったが、枯れ枝では知りようもなかった。
試しに最近、「燃えない木」で調べてみたら、なんとあった。
ネットの検索はまことに便利なものだ。
あれはたぶん、ナナカマドの木だ。
夏に白い花をつけ、秋に美しく紅葉するあのナナカマド。
バラ科だそうだ。 7回かまどに入れても燃えないから、
ナナカマドという名前がついたという。
なるほど~
からだの形は、
生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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