形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

草木瓜(クサボケ)

2013-05-17 13:07:19 | Weblog

以前、住んでいる所からそう遠くない、あまり人の入らない
雑木林を歩いていた。 そのとき地面にボケの花が落ちていた。 
だがその近くを見まわしてもボケらしい木はなかった。 
拾おうとしたら、落ちているのではなく咲いているのに気づいた。 
そこで見たのはごく小さな幼木だったが、それでも1つ2つの
立派な花をつけていた。

地面からいきなり花が出ていると何か妙な感じがする。 
私たちはたいてい、枝や茎につながるかたちで花を見慣れている。 
茎の先に花がついていたり、枝に沿って花が咲いていたりと。 
記憶に刻まれたものとは違う、別のかたちと出会うと不思議な感じ
がする。



秋にできるその実は、草ボケとは知らなかったが、低い山で
見た記憶がある。 3、4センチほどの、丸く淡い黄色の実が、
草むらの中にいくつもまとまって実っていた。 
普通、木の果実は高い枝に実る。 草むらの中に大きな実が
成っているというのも、やはり奇妙な感じがした。 
何の植物かわからないまま、面白いなと印象に残っていた。 
なるほど、草ボケの別名は、地梨である。

バラ科の植物で、日本の固有種。 花期は4~5月。
果実はよい香りがあり、果実酒に好んで用いられるそうだ。 
同じ仲間の庭に植えられるボケは、1、2メートルほどになるが、
草ボケは50センチぐらいにしか成長しないという。


からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


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