☆K'sコンタクト☆ 大阪府茨木市 ”くぼた眼科” 併設のコンタクトレンズ販売店

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眼科医はもっと過酸化水素を薦めるべきではないでしょうか?こすり洗いできてへんやん。

2012年04月23日 12時01分48秒 | コンタクトレンズ

みなさん、こんにちは、

またまたソフトコンタクトレンズのケアについてのお話です。ソフトコンタクトレンズのケアはMPS(多目的溶剤)と呼ばれる洗浄・消毒保存液と過酸化水素の2種類が主に使われています。

まずは下の写真を見てどう思われますか?

2008年にMPS使用者約200人にアンケートを実施した結果です(CVKK調べ)

(←クリックで超拡大)

「わかってるるけど、面倒くさいねん」とか「何それ?聞いたことないし~」とか「もちろんちゃんと出来ているよ」という方もおられるでしょう。

今回のブログは若輩者の私が、コンタクトレンズ処方を行っているドクターや検査員に向けて書きたいと思います。

約20年前は煮沸消毒があり、面倒ではあるがきっちりと消毒(滅菌)ができておりました。煮沸消毒にももちろん問題がありましたが現在主流となっているMPSによるコールドタイプの消毒剤が出たときには我々眼科医も画期的であると感じましたよね。またその便利さもあってあっという間に広まりました。

煮沸は滅菌であり、MPSは消毒です。過酸化水素は煮沸消毒には及ばないまでもMPSより消毒効果が強いのは明らかです。

消毒効果では過酸化水素・ヨ-ド製剤がMPSよりも高いということであれば

眼科医はもっと過酸化水素(クリアケア)を薦めるべきではないでしょうか?

頻回交換型レンズがまだシェアの少ない頃は、ユーザーも1枚のレンズが高価で非常に丁寧に取り扱っていたのでしょうが今は違います。レンズも汚れたりすれば交換したらいいしとちょっと簡単に考えているようです。

ということで、以前よりも2倍も3倍もユーザーに説明をしなくてはなりません。中には聞いてくれない人もありますが熱い気持ちで何回でも伝えます。そう、すりこみです。

以前より「こすり洗い」の必要性は学会や新聞やネットを通じて啓蒙しておりましたが結果は

多くのユーザーがこすり洗いが不十分であるということを認識しなくてはなりません

こすり洗いが出来ていないのはユーザーの責任であるからコンタクトレンズ検査・処方をしておけばいいということではいけません。

コンタクトレンズ処方をする眼科医であれば、角膜感染症は絶対にさけたい。感染症を起こさせないような診療・指導をしなくてはいけません。

投資の世界ではリスクヘッジという言葉が医療業界ではリスクマネージメントという言葉を使いますがユーザーがより感染症を起こさないための危険回避のための指導が必要です。2週間定期交換タイプを1日使い捨てタイプに変更させる。ソフトコンタクトレンズからハードコンタクトレンズに変更させる。そういった診察・指導はできているのにケアについてももっともっと診療の中で力を入れるべきです

私はいつも以前ブログに書いた3匹の子豚を使ったたとえ話をします。 http://blog.goo.ne.jp/shirakawa_iwasaki/e/6b1f94d06c8cda0f6fc6bdc37128d3b3

ユーザーにいかにわかりやすく簡単な言葉で説明するかがポイントです。

また、眼科医の中にもMPSは簡単だから楽だよね。と思われている先生も多いでしょう。過酸化水素の消毒に6時間もの時間を要するためユーザーにとっては不利益では?と感じたり誤使用による一過性の角膜障害を心配する先生もあるかとは思います。

かし、逆に考えると消毒が未完了の状態のコンタクトレンズを再装着させる方が危険ですし、6時間はきっちりとコンタクトレンズをはずしておくという状態を作ってあげる方が大切です。きっちりと説明をすればそういった懸念も大丈夫です。

こういった事こつこつと丁寧にドクター自身で説明すれば納得し使ってくれるユーザーが多いです。

私自身はO2optixという1ヶ月交換型レンズとクリアケアを使っています。周りのドクターは1日使い捨てレンズを使っている人が多いですね。クリアケアのことは知っていても使用経験がないドクターも多いのかな?と感じます。レンズの使用の有無に関わらず製品についてよく知ることが大切です。

当院では以下のようなユーザーさんにクリアケアをオススメしています。

初めて頻回交換型ソフトコンタクトレンズを処方する場合

毎回の問診でこすり洗いが充分できていない場合(ほんと多いですよ)

角膜浸潤・感染症を起こしたケース

にはまずはクリアケアをオススメします(もちろんMPSとの比較説明しながら)

コンタクトレンズのトラブルってだいたい同じ失敗を2度、3度やっちゃいますよね。一時的にコンタクトレンズを中止して点眼処方をして終了ではダメ。同じトラブルを回避できるような指導こそが求められているはずです。

 当院では日々の診療での説明によりクリアケアを使用していユーザーさんが40%程度まで増えてきました。みなさんの評判は「簡単」「楽!」「安心」と良好です。かつ、感染症は経験しておりません。

この40%とという比率は市場での過酸化水素のシェアと比較すれば圧倒的に高い数字だと思います。日常のこつこつとした丁寧な説明の結果だと感じています。

 さらに当院での方針をネタバレすると

スターターのの利用(メーカーにお願いして試供品をいくつか使わせて頂いています。そんなにいくつもお渡しすることはできませんが、まずは使ってもらうことです。誤使用をさけるため十分な説明が必要)

購入しやすい価格設定(眼科で買うと高いと思われてますが近隣のドラッグストアより割安な価格設定)

ファミリーセットの導入(家族で違う種類の消毒剤を使うのは誤使用のもとです。当院は幸いにも地域密着型クリニックでありご家族で診察購入に来られる場合が多く1人のみ変えるのではなく家族で変更される場合もあります。)

air optixやO2optixと一緒に販売しメーカーさんの直送を利用。

もちろん、MPSでも上手に使われているユーザーも多いのでそういった方々まで変更する必要はありません。無理強いもいけません。また「こすり洗いの必要性」を否定しているわけではなく汚れのつきやすいユーザーにはソフトウエアプラスでのこすり洗いも併用してもらっています。

ユーザーはネットでも多くの情報を入手ができる環境にありますが、やはりドクター自身からの説明を望んでいると思っています。ユーザーがケア用品を選択する基準はMPSの場合はドラッグストアでは値段であったりなんとなくということが多いです。MPSの中ではそうでもいいのかも知れませんが過酸化水素については我々眼科専門医が指導していくという立場でいくべきでしょう。

以上です。  

 

目に関する相談は当院まで

 

大阪府 茨木市の眼科 白内障・緑内障・飛蚊症・コンタクトレンズ・加齢黄斑変性症 OCT設備もある

 

くぼた眼科 久保田泰隆

 

 

 最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

 

 


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