たったの2日間だったが、家での正月はゆっくり休めた。
3回の透析のおかげなのだろうか、体調は今までにないくらい良かった。
翌朝、血液検査を済ませ、朝の散歩に出かける。
朝日がきれいだった。
あとは、退院するだけだと勝手に思っていた。
朝食をすませ、テレビを見ていると、主治医が回診にやって来た。
いつもよりあきらかに早い。
検査結果の紙切れを見せながら何かをポツリと言った。
聞き取れなかった僕がキョトンとしていると、
もう一度、今度ははっきりと言った、
「やっぱり透析しないと...」
それまでの晴れやかな気分から一転、地獄へたたき落とされた。
僕は無言で主治医の説明を聞いた。
理解できなかったが、1つだけはっきりしていた、
もうじき人工透析が本格導入される。
いつかはXデーが来るとは言われていたがあまりにも早い幕切れ。
管につながれてまで生きたいのか?
正直そこまでして生き延びたくはない。
だが今すぐ死ねるか?
...やっぱり、それもできない。