筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

「令和」の典拠 梅花の歌三十二首 万葉集/巻5-830

2025年01月22日 | 21.万葉の花

今日は、「令和」元号の典拠とされる。
万葉集・梅花の歌三十二首のうち一首を紹介します。


万葉集/巻5-830  作者/筑前介佐氏子首(ちくぜんのすけさしのこびと)

万代(よろずよ)に年は来経(きふ)とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし

【意味】永遠無限に年は訪れ また過ぎ去って行こうとも
  梅の花は絶えることなく 咲き続けるに違いない

 ※「万代」いつまでもつづく世。永遠。
 ※「来経」ハ行下二段。年月が来て過ぎてゆく。

写真は大宰府展示館模型「梅花の宴」を写したものです。


令和」という語を、万葉集にある(漢文での序)「初春(しょしゅん)の月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風(かぜ)(やわら)ぎ、...」という文から採り、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味を込めている、とのことでした。

天平二年正月十三日、大伴旅人の邸に集まって宴会での梅花の歌、三十二首の序文

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「令和」の典拠 梅花の歌三十二首 万葉集/巻5-829

2025年01月15日 | 21.万葉の花

今日は、「令和」元号の典拠とされる。
万葉集・梅花の歌三十二首のうち一首を紹介します。


万葉集/巻5-829  作者/薬師張氏福子(くすりしちょうじのふくし)

梅の花   咲きて散りなば   桜花(さくらばな)
            継ぎて咲くべく    なりにてあらずや

【意味】梅の花が咲いているけど 散ってしまえばそのあとに
  桜の花がもう咲きそうに なっているのではないか

写真は大宰府展示館模型「梅花の宴」を写したものです。


令和」という語を、万葉集にある(漢文での序)「初春(しょしゅん)の月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風(かぜ)(やわら)ぎ、...」という文から採り、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味を込めている、とのことでした。

天平二年正月十三日、大伴旅人の邸に集まって宴会での梅花の歌、三十二首の序文

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万葉集 巻11-2500 黄楊(つげ)/万葉名:黄楊(つげ) 1月 2025年

2025年01月14日 | 21.万葉の花

黄楊(つげ) : アケビ科
万葉の時代から、「黄楊(つげ)」と呼ばれています。

【万葉集 巻11-2500 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より】
朝月の  日向(ひむか)黄楊櫛(つげくし) (ふ)りぬれど
                       なにしか君が   見るに飽かざらむ


【意味】日向(ひゅうが)の国の黄楊櫛(つげくし)の ように古くなったけど
   どうしてあなたはいつまでも 見飽きることがないのでしょう

 ※枕詞:朝月の
 ※「日向」旧国名。今の宮崎県。
 ※「黄楊」常緑低木の名。黄味を帯びて堅い材は櫛などに用いられる。
 ※「なにしか」どういうわけで~か。原因・理由についての疑問。


万葉集には、植物を詠んだ歌が約千五百首もあるんだそうです。
万葉に読まれた植物と歌を少しですが、紹介したいと思っています。

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「令和」の典拠 梅花の歌三十二首 万葉集/巻5-828

2025年01月08日 | 21.万葉の花

今日は、「令和」元号の典拠とされる。
万葉集・梅花の歌三十二首のうち一首を紹介します。


万葉集/巻5-828  作者/大判事丹氏麻呂(だいはんじたんじのまろ)

人ごとに   折りかざしつつ   遊べども
      いやめづらしき    梅の花かも

【意味】だれもが手折って頭に挿して 気安く遊んでいるけれど
  見れば見るほど目新しくて 素敵な梅の花だなあ

 ※「ごとに」接尾語。皆。それぞれ。
 ※「いや」接頭語。いよいよ。ますます。
 ※「めづらしき」すばらしい。目新しい。

写真は大宰府展示館模型「梅花の宴」を写したものです。


令和」という語を、万葉集にある(漢文での序)「初春(しょしゅん)の月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風(かぜ)(やわら)ぎ、...」という文から採り、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味を込めている、とのことでした。

天平二年正月十三日、大伴旅人の邸に集まって宴会での梅花の歌、三十二首の序文

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万葉集/巻3-0379 榊(さかき) 2025年1月

2025年01月02日 | 21.万葉の花

(さかき)を詠んだ歌
万葉の時代も、「賢木(さかき)と呼ばれています。

万葉集/巻3-0379  作者/大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

ひさかたの 天(あめ)の原より 生(あ)れ来(き)たる 神の命(みこと) 奥山の 賢木(さかき)の枝に しらか付く 木綿(ゆう)取り付けて 斎瓮(いわいへ)を 斎(いわ)ひほりすゑ 竹玉(たかたま)を しじに貫(ぬ)き垂(た)れ 鹿(しし)じもの 膝(ひざ)折り伏して たわやめの おすひ取りかけ かくだにも 我(あれ)は祈(こ)ひなむ 君に逢はじかも

【意味】高天の原の昔から 生まれ継がれた神々よ
  山の奥から伐り出した の枝に木綿(ゆう)つけて
  土に穴掘りお供えの 聖なる甕(かめ)を据(す)えつけて
  竹玉いっぱい緒に垂らし 鹿のようにひざまづき
  神事の衣装身にまとい これほどまでに祈っても
  私は愛しいあの人に まだまだ逢えないのでしょうか

 ※枕詞:ひさかたの、しらか付く
 ※「木綿」楮(こうぞ)の皮の繊維で作った糸。
                       幣帛(へいはく)として榊などにかける。
 ※「斎瓮」神に供える酒を入れる器。
 ※「竹玉」細い竹を輪切りにして緒に通した小玉。
 ※「たわやめ」しなやかな女性。
 ※「おすひ」上代の神事の衣服。

※写真は、「榊」/無料(フリー)写真素材を使用。


万葉集には、植物を詠んだ歌が約千五百首もあるんだそうです。
万葉に読まれた植物と歌を少しですが、紹介したいと思っています。

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