正覚ノ門 徒然帖

正覚者の言葉、日々の雑感。
・金剛般若経・無著頌 R2/1/7〜3/11 7/20〜
・長老偈経 3/14〜7/17

金剛般若経 十七f

2020-09-01 03:42:35 | 日記

おはようございます。

十七f  師は言われた―「スブーティよ、そのとおりだ。もしも、ある求道者が『わたしは生きとし生けるものどもを永遠の平安に導くだろう』と、このように言ったとすれば、その人は求道者であると言うことはできない。それはなぜかというと、スブーティよ、一体、かの求道者と名づけられるようなものが何かあるのだろうか。」
 スブーティよは答えた―「師よ、そうではありません。かの求道者と名付けられるようなものは何もありません。」
 師は言われた―スブーティよ、『<生きているもの><生きているもの>というのは、実は生きているものではない。』と如来は言っている。それだからこそ生きているものと言われるのだ。それだから、如来は、『すべてのものには自我というものはない。すべてのものには、生きているものというものはない。個体というものはない。個人というものはない。』と言われるのだ。
(中村元 紀野一義 訳  岩波文庫)