聖書のことばから  デボーション

聖書のことばから気づかされたことをつづっています。

「神の言葉で生きる」礼拝メッセージ

2025-03-10 10:51:35 | 日記

2025年3月8日 益子教会土曜礼拝でのメッセージ   聖書箇所 マタイによる福音書4章1-11節    

 イエス様はバプテスマのヨハネから洗礼を受けた後、悪魔の誘惑を受けるため、霊に導かれて荒野へ行き40日40夜、昼も夜も断食をされました。「霊に導かれて」とありますから、このことは神様の計画として、イエス様が受けられたことがわかります。つまり誘惑を受けられる理由は、私たちが肉の体を通して生きる上で経験する誘惑(試み)を、人となってこの世に来られた、神の子イエス様が理解するためでした。なぜなら、イエス様は、私たちを神様に執り成して下さる仲介者、偉大な大祭司だからです(ヘブル2:17-18)。神と人とを仲介できる存在は、両者の立場を理解できる神であり、人でもなければならないからです。

〇肉の欲求に霊的な力を用いさせようとする誘惑

 3節に、空腹のイエス様に、石をパンに変えろという誘惑ですが、試みる者はイエス様に「あなたの霊的な力を使って肉体的な必要を満たしなさい。あるいは、霊を肉体に仕えさせなさい。」と誘います。人は罪が入って以来、霊ではなく、肉の欲求が体と心を支配して生きる者となり、罪が拡大していき、現代にいたります。そして、肉は「今、すぐに欲求を満たしてほしい」と私たちの心に訴えます。イエス様は石をパンに変えることはできるでしょう。しかし、それをなさらなかったのは、私たちが肉の欲求に支配されるのではなく、神様に祈り、神様の方法で必要を満たされることを信じて委ねることを教えてくださっているからでしょう。イエス様は申命記8:3の「神の口からでる一つ一つの言葉で生きる」と言われ、誘惑を退けました。

 この申命記の箇所の文脈は神様が、イスラエルの民の出エジプト後の荒野の40年の間というのは、彼らが神の民として神の言葉に従って歩むかどうか試す、信仰の訓練の時だと、主がモーセに言われた箇所からの引用です。神様が与えるマナは、安息日を除き毎日与えられ、その日に食べる分だけ集めるように神様は言われました。一週間、一年分ではないのです。私たちも、この世の歩みにおいて、日ごとに神の言葉によって霊的に養われ、御言葉に従って私たちが生きられるように訓練される時でもあります。先のことは神様に委ね、日々神様に信頼し、神の言葉(聖書の言葉の約束)を信じ、生活の中で自分の欲に従うよう試みを受けた時はいつも、御言葉による神様の愛、約束を思い出し、その誘惑を遠ざけていきたいと思います。

〇神を試みる誘惑

  次は、悪魔が御言葉を用いて誘惑します。「あなたが神の口から出るすべての言葉に従って生きるのであれば、その神の言葉にのとおりになるかそれを実証してみて下さい。宮の上から飛び降りて、詩編91:11-12にあるとおり御使いが助けるという徴を人々に見せて、自分が神の子であることを示しなさい。そうすれば、人々は神の子と信じるだろう。」と。奇跡を見せればイエスが神の子であることを証明できる、十字架に架かって死ぬ必要はないと、十字架への道を妨げようとします。この誘惑はイエス様に対する誘惑であり、救い主として十字架で命を捧げることを阻止し、他の簡単な、しかし効力のない救いの方法へと誘うものでもあります。

 宮から自ら飛び降りるという、わざと自分を危険や危うい状況に置いて、神が助けるかどうかと試すこと自体が間違っています。「あなたの神である主を試みてはならない」(申命記6:16)のです。この文脈は「あなたがたがマサ(試みという意味)にいたときしたように」とあり、このことは出エジプト記17章7節に示されている出来事です。「イスラエルの人々が果たして主は我々の間におられるのかどうかと言って、モーセと争い、主を試したからである」エジプトから神様により脱出させてもらったイスラエルの民は、神様の奇跡を何度も目で見、体験しても、神を信じなかったのです。「水がない、我々を殺すためにエジプトから導いたのか?」と不平を述べ、神がいるか試したのです。神への信仰があれば「水がないので与えて下さい」と祈ってお願いすれば、神様はもちろん必要を満たしてくださる方であるのに。

  イエス様は多くの病人を癒されました。その病人の誰もが、低い姿勢で癒して下さいとお願いに来ています。盲人たちが「ダビデの子、憐れんでください」とイエス様に癒しをお願いしたように、お願いする人々にはイエス様への信仰が働いています。この方なら神の力が働かれ、自分の病を、自分の苦しい状況から解放してくださると。そして、イエス様に近づいた人々は皆癒されたとあります。私たちは信仰による祈りを捧げることができます。

 フィリピの信徒への手紙4: 6-7に、「何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。 そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。」神様に不平を言って、疑うのではなく、信仰を持って、なんでも必要をお願いしていきたいと思います。そしてこの御言葉にあるように、私たちの心と思いがキリスト・イエスによって守られるという約束を思い出したいと思います。

〇神以外を拝む誘惑

  最後の誘惑で悪魔は御言葉をもはや使いません。「もしひれ伏して私を拝むなら、今この世の栄華を与えよう。」と。イエス様は「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』」という御言葉(申命記6:13)で撃退しました。イエス様は律法のなかで一番大切な戒めはと尋ねられ、この申命記6章4-5節「イスラエルを聞け、我らの神、主は唯一である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」とお答えになりましたが、この後にこの申命記6章13節が記されています。つまり、全ての誘惑を退ける根幹の御言葉はこの「主なる神を礼拝し、仕えること」でありましょう。

 わたしたちは「私たちは偶像・他の神々なんて拝まないですよ」と思うかもしれませんが、過信は罠となり、その大丈夫だと自信を持つところを悪魔はついてきます。偶像とは、神様よりも大事な物、いつも頭の中で思い巡らし、心を締めているもの全てのことです。与えられた富や名誉、仕事の充実を、祝福として神様に感謝できます。それらがが悪いことではなく、それが偶像となって自分の思いを支配し、仕えてしまうことが問題です。実際、偶像を造り出しているのはわたしたち人間の罪であります。イエス様は、神と金に兼ね仕えることはできない。金持ちが神の国にはいるのは、ラクダが針の穴を通るより難しいと言われるほど、この世の栄華の中にあって、神様と共に生きることは難しいことでしょう。

〇神は真実であることを信じる

 冒頭で、イエス様は十字架で私たちの罪の贖いとしてご自身を捧げられたたけでなく、私たちの弱さを理解し、神様に執り成して下さる偉大な大祭司、神と人との間に立つ、仲介者であり、両者を理解できる立場であることを述べました。イエス様は神でありながら、人となって私たちの弱さを理解して下さったのです。へブル人への手紙2章17-18節にこう示されています。

「そこで、イエスは、神のみまえにあわれみ深い忠実な大祭司となって、民の罪をあがなうために、あらゆる点において兄弟たちと同じようにならねばならなかった。主ご自身、試錬を受けて苦しまれたからこそ、試錬の中にある者たちを助けることができるのである。」

 試練と誘惑は同じ原語が使われます。例えば何か危機的なこと、試練が起こった時に、それが誘惑の機会として悪魔により用いられるからです。悪魔は私たちが霊ではなく、肉の思いで行動するように誘い、神様以外のものを頼れと、神様から私たちを離そうと誘惑します。一方で、その試練が神様の支配の中で起こっていることだと信じて神様にだけ助けを求め、導きを求めて祈っていくと、神様から離れるどころか、神様へより近づくことになります。その試練において私たちの信仰が試され、練られます。主の祈り「試みにあわせせず 悪より救い出したまえ」と日々祈ることができます。この祈りは、誘惑・試練の中にあって守ってくださいと求める祈りであり、誘惑・試練に打ち勝つことがでるよう神の助けを求める祈りであります。日々、試練・誘惑は私たちにやってくるものだからこそ、毎日祈る必要があると思います。

「あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。」  コリント信徒への手紙1 10:13

この世に生きている限り誘惑に遭うことはあり、私たちは日常的に御霊に従うか、肉の思いに従うかが試されますが、上記のみことばの約束により、神様は真実であり試練に耐えられるよう逃れの道を備えてくださること、私たちの弱さを知る大祭司イエス様が助けて下さることを信じ、霊の導きで神の言葉で生きることを励まされます。イエス様は私たちの闘いをすでに戦って勝利してくださっています。そのことを信じ、神様にのみひれ伏し、ただ信じて その恵により頼み、今与え られているものを感謝して、神様に従っていきたいと願います。

                                             (引用 新共同訳聖書)


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